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『思考の整理学』が意外と実用的で驚いた

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ベストセラーを紹介する。 

 

日本人が大好きな権威ワード

大学生協の文庫売上が東大で1位、京大で2位という権威ワードで大人気のこの本。一時期、どこの本屋に行っても平積みされていて辟易した記憶があります。

読んでみるまで知らなかったのですがなんとこの本、発行されたのが1986年なんです。どれだけロングセラーなんですか?私が今持っているやつも第57刷ですから、どれだけ日本中で愛されているか分かりますね。 

売れているからいい本というわけではない

売れている本=いい本ではありません。
出版社が売ることに力を入れた本が売れるだけで、内容はほとんど関係ありません。

しかし、時代を超えて長く愛されている本には、他の本にはない価値があることが非常に多いです。時間は価値のないものを淘汰していきますからね。

そういう意味でこの『思考の整理学』は間違いなく、他の追随許さないような内容になっています。

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身につまされる言葉に溢れている

東大卒が愛読するなんて紹介されると、難しい内容なんじゃないかと思われるかもしれませんが、私のようなアホ高卒でも十分に理解できるものでした。というかめっちゃ面白かったです。

大体にして『思考の整理学』なんて、まるで教科書みたいな題名だと取っつきにくいですよね。その点ではかなり損をしている本だと思います。
内容はそんな学術的なもんではまったくありません。大学教授のおっさんが頭の使い方について書いた、連載コラムのような内容です。

ちょっと紹介しましょう。

 

「グライダー」

グライダーと飛行機は遠くからみると、似ている。空を飛ぶのも同じで、グライダーが音もなく優雅に滑空しているさまは、飛行機よりもむしろ美しいくらいだ。ただ、悲しいかな、(グライダーは)自力で飛ぶことができない。

学校はグライダー人間の養成所である。飛行機人間はつくらない。

 

 

「とにかく書いてみる」

考えをまとめようとして、なかなか思うようにいかなくて、いらいらすることがある。よく調べて、材料はたっぷりあるのだが、むしろ、たっぷりありすぎるから、どうまとめたらよいか、途方に暮れる、というのかもしれない。

(中略)

裏から言うと、書く作業は、立体的な考えを線状のことばの上にのせることである。なれるまでは多少の抵抗があるのはしかたがない。ただ、あまり構えないで、とにかく書いてみる。そうすると、もつれた糸を糸口にして、少しずつ解きほぐれて行くように、だんだん考えていることがはっきりする。

 

 

「寝させる」

 どうして、「一晩寝て」からいい考えが浮かぶのか、よくわからない。ただ、どうやら、問題から答えが出るまでには時間がかかるということらしい。その間、ずっと考え続けていてはかえってよろしくない。しばらくそっとしておく。すると、考えが凝固する。それには寝ている時間がいいのであろう。

 

このように頭の使い方に関する内容がずらずらと書いてあります。

著者が大学教授ということもあり、学生の論文に関するエピソードが多いのです。私は人生の中で論文を書いた経験はないのですが、もし書く機会があったらこの本のおかげで上手く書ける自信があります。まあ、書きませんけどね。

考えることが好きな人や、クリエイティブな仕事をしている人にはとても有益な本です。なんせ頭の使い方の本ですからね。

 

仕事や生活に活用できる”頭の使い方”がここにあります。一読の価値がありますよ!