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面白い本が読みたい?では貴志祐介の『クリムゾンの迷宮』を読みましょう。

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貴志祐介作品は基本的にどれを読んでも面白いんですけどねー。これはその中でも必読の徹夜小説です。

内容紹介


藤木芳彦は、この世のものとは思えない異様な光景のなかで目覚めた。視界一面を、深紅色に濡れ光る奇岩の連なりが覆っている。ここはどこなんだ? 傍らに置かれた携帯用ゲーム機が、メッセージを映し出す。「火星の迷宮へようこそ。ゲームは開始された……」それは、血で血を洗う凄惨なゼロサム・ゲームの始まりだった。
『黒い家』で圧倒的な評価を得た著者が、綿密な取材と斬新な着想で、日本ホラー界の新たな地平を切り拓く、傑作長編。


ホラー小説の括りになっていますが、全く違います。これは純然たるエンターテイメント作品です。ドキドキハラハラ手に汗握る展開と、謎の散りばめられた設定はグイグイと物語の中に引き込んできます。この辺の引き込みっぷりは貴志祐介お得意の技です。リーダビリティに関しては日本でも屈指の作家であります。

デスゲーム小説のパイオニア

デスゲーム小説といえばバトル・ロワイアル。中学三年生が殺し合うという内容は当時物議を醸し出しました。しかし、いわくがつけば人は関心を持ってしまうもの。あれよあれよという間に一大ブームを呼びました。小説の大ヒットだけに収まらず、他のベストセラー作品の例に漏れず映画化、マンガ化とメディアミックスも展開しました。


バトル・ロワイアル 上 幻冬舎文庫 た 18-1

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バトル・ロワイアル 下 幻冬舎文庫 た 18-2

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そして奇しくも同じ年、同じ月に発売されたのがこの『クリムゾンの迷宮』。そう、完全にバトル・ロワイアルにデスゲーム小説のお株を奪われてしまったのです。

異世界で繰り広げられる登場人物による殺戮劇。同じような設定ですが、『クリムゾンの迷宮』と『バトル・ロワイアル』では持ち味が全然違います。デスゲームという観点で見ると、必要なのは知力による出し抜き合いが見所だと思います。
バトル・ロワイアルは最強のダークヒーロー桐山和雄やいかれた国家という”悪”と対峙するサバイバル的な要素が強いです。
そういう意味ではデスゲーム小説としての『クリムゾンの迷宮』はこの分野のパイオニアです。

君は徹夜小説に出会ったことがあるか

私の人生初の徹夜小説がこの『クリムゾンの迷宮』です。次の日が仕事だろうと学校だろうと関係ない。今、自分の目の前にある物語を止めたくない。そんな衝動に突き動かされる体験はそうそう出来るものではありません。

人生に必要なものは”夢中になること”です。徹夜小説とは”夢中にさせるもの”です。

夢中にさせるものには色々な効用があります。
時間を忘れて楽しめば日々の精神的なストレスは一気に軽くなります。たとえ問題が解決しなくとも、一度荷物を下ろすだけでもまた力が湧いてくるものなんです。
また、夢中になったことのある人は次に夢中になれるものを求めます。これが人生の時間を充実させます。世の中には自分を幸せにしてくれるものがあるのだと思い知らされるのです。
 
極上の徹夜小説がここにあります。ご使用の際はくれぐれもご注意を。


 

クリムゾンの迷宮 (角川ホラー文庫)

貴志 祐介 角川書店(角川グループパブリッシング) 1999-04-09
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