タイトルに惹かれなくて読まなかった私に喝!
こんなに面白い小説を埋もれさせてはいけません。私はそんな使命感に駆られているのです。
今までに1000冊以上の小説を読んでいる私が言うのだから間違いありません!
本の紹介
陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫) | ||||
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アマゾンの紹介文を拝借します。
確実に他人の嘘を見抜くリーダーを筆頭に、正確な体内時計の持ち主、演説の達人、天才スリという面々で組織されたギャング団が活躍する長編サスペンス。
市役所で働く成瀬、喫茶店主の響野、20歳の青年久遠、シングルマザーの雪子たちの正体は銀行強盗。現金輸送車などの襲撃には「ロマンがない」とうそぶく彼らの手口は、窓口カウンターまで最小限の変装で近づき「警報装置を使わせず、金を出させて、逃げる」というシンプルなものだ。しかしある時、横浜の銀行を襲撃した彼らは、まんまと4千万円をせしめたものの、逃走中に他の車と接触事故を起こしてしまう。しかも、その車には、同じ日に現金輸送車を襲撃した別の強盗団が乗っていた。
著者の真骨頂
著者の伊坂幸太郎をご存知でしょうか?知らない方は幸せです。こんなレビューを読む前にさっさと購入するべきです。他の作家では味わえない世界を体験できます。
さて、他の伊坂幸太郎作品をご覧になったことのある方ですが、ご存知の通りこの作品も”伏線”に満ち溢れています。
伊坂作品は最新刊を除いて全て拝読しましたが、伏線の張りめぐらし方は「陽気なギャング」が一番だと感じています。作者も気に入っていたのか珍しく続編も書いているぐらいですからね。
陽気なギャングの日常と襲撃 (祥伝社文庫) | ||||
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これがそうなのですが、こちら負けず劣らず見事に構成されています。一体どんな脳みそしてるんじゃい。
伊坂と言えばもう一つの見所”会話の妙”があります。
この作品に出てくる人物達はほとんどが犯罪者。なのに荒廃した空気は微塵もありません。タイトルの通りひたすら”陽気”です。
この陽気なやつらの会話がもう最高!ニヤけること間違いなし。
特に演説の達人との触れ込み饗野のセリフはどれもバカみたいで大好きです。
「ようするにアメリカがいけないんだよ。何でもかんでもアメリカだ。世の中の犯罪や生活の大半がアメリカ流で、事件を起こすのもあの国だ。そもそもコロンブスが大陸を発見したのがいけないんだな。恨むべきは、コロンブスの双眼鏡だ」
「飛行機に乗って、海を渡るだけで人間がでかくなるって言うんだったら、成田空港の到着口は聖人の集まる場所になるのか?」
皮肉もよく効いています。
あんまり内容を紹介してしまうと、読んだ時の面白さが激減してしまうのこれくらいにしておきましょう。
皆さんが手にとってくれることを期待します。では!