どうも。
先日、ブログのアクセス解析なんてのを珍しくやっていた所、私のブログには部下への育成で困っている方がたまにやってくるみたいである。特に部下のやる気に関するものが多いようだ。
確かに部下のやる気を引き出すことは難しい。もし簡単だと言う人がいるのであれば、その人は恐ろしくカリスマ性があるか、自分の都合のいいようにしか世界を見れない幸せな人であろう。どちらにしても羨ましい限りである。
ただ多くの人には部下を魅了するようなカリスマ性なんてのはないし、周囲の機微にはそれなりに気付いてしまうまともな方が圧倒的多数である。
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かくいう私もご多分に漏れずごくごく一般的な人間である。特に目立った魅力はない。
ただ私には「部下100人超を常に抱えている」という経験がある。年下、年上、同い年と老若男女揃っていることはもちろん、多人種でもある。なかなかの強敵揃いで部下育成の経験だけでいえば腐るほどある。人生の大半の悩みは部下育成だったと言っても過言ではない。いや、過言である。そこまで私は仕事に取り憑かれてしまう人間ではない。
そこまでではないにしても、部下育成に関してはそれなりの悩みを抱えてきただけに、他の人にはない生きた知識がある。なんとも偉そうだが事実なのだから仕方ない。
そこで今回の記事では、「部下のやる気で困っている上司に教えてあげたいこと」をまとめてみた。
いま現在、部下育成で悩んでいる人であれば何かしらのヒントになると思う。ぜひ読んでいただきたい。
この記事があなたの悩みを軽減する一助になれば幸いである。
やる気の正体
この記事はあなたがいま現在「部下のやる気が出なくて困っている」という状態であることを前提に話を進める。
まずあなたの悩みを解決する上で大事なことを考えてみよう。
それは「やる気」とは何か?ということである。
ここをハッキリさせておかないと、一体何を悩んでどうなればいいのかが分からない。ゴールのないレースをするようなものである。
あなたの中の「やる気がある状態」というのを明確にしなければならない。
これだけで分かる人もいると思う。
何を問題とするか?
「やる気がある状態」というものに答えはない。正確に言えば、あなたの中にしかないので私には分からない。なのでヒントだけなら伝えることができる。
部下を見て、あなたの中で「こいつやる気がねえな」と思う瞬間というのはどういう時だろうか?
主に以下の二通りだと思う。
①元気がなく、仕事への情熱がない。(態度)
②自分から仕事をしようとしない、または改善しようとしない。(行動)
あなたが不満に思っている部下はどちらのタイプだろうか?というか、あなたはどちらのタイプを「やる気がない」と判断しているだろうか?どちらも当てはまるだろうか?
まず①の元気がなく、仕事へのモチベーションが低いについて考えてみよう。
元気でいてほしいのか?
元気がない部下や仕事に対してガツガツしていない部下に悩むあなた。
まず見直すべきはあなたの見方である。価値観とも言える。
実は私もこのタイプだったのでよく分かるのだが、感情的に部下を評価してしまう人が陥りやすい罠である。つまりアホがなりやすいタイプと言える。
というのも、自分が仕事に対して情熱を燃やし、テンション高めに臨んでいる人は、同じように、部下たちにも元気でやってほしいと思ってしまいがちである。
日本人は共感することが好きだ。それが過剰になると「なぜ共感しないのか?なぜ同じではないのか?」という意識になってしまう。その不快感から「あいつはやる気がない」と判断してしまうのだ。
好き嫌いというのは自分で思っているよりも判断に影響を与えてしまうのである。
気に入らない行動は記憶に残りやすい。それを仕事のミスや不備とつなげてしまい、「あいつはやる気(元気)がないからこうやってミスをするんだ」と考えてしまう。
これを無意識にしてはいないだろうか?一度自分自身を見直してみよう。
成果を見る
極論を言えば、あなたが思うようなやる気など仕事には必要ない。必要なのは結果だけである。これを勘違いしてはいけない。
結果よりも態度を評価してしまう上司は意外といるので気をつけてもらいたい。
言い方や態度は部下その人の性格による部分が大きい。これは得手不得手とも言える。
だからこそ、上司は部下の性格や特性を理解するように意識して、部下の態度ではなく「内容」や「成果」に注視しなければならない。
部下にも色々なタイプがいるのでその人それぞれに対応するのは難しいと思う。だがそれが上司の役目だと思うし、部下の足りない部分を補うことこそ上司の仕事だろう。
部下のタイプについては以下の記事が参考になると思う。
多分あなたはテンションの高い、元気な部下のことを「やる気がある」と思っている。
それが本当にあなたの理想なのであれば、さっさと違う人間と変えた方がいいだろう。人の性格を変えられるような特殊能力がある人間なんぞいないからだ。悩むだけムダだ。
さて、ここまでは前座である。部下のやる気を嘆く前に習得している最低条件だ。
次からは実際に部下へのアプローチの仕方などを考えていこう。
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リーダーの本懐
次は②の自分から仕事をしようとしない、または改善しようとしないである。
「何度も同じ間違いをする」
「仕事に遅刻してくる」
「注意しないと改めない」
「言わないとやらない」
「仕事がテキトウ」
などなど部下への不満はいくらでもあるだろう。どれもやる気という魔法さえあれば解決できる問題なように思える。
「部下にやる気を持って欲しい」というのはいつの世もリーダーになる人間の本懐である。
仕事で一番大事なこと
部下にやる気を持たせる上で、一番大事なことがある。これは仕事の中で一番大事なことでもある。
部下に目的地を伝えること、そしてなぜそこを目指すのかを伝えることである。
現状や、今起きていることを認識させ、自分たちが目指すべき所と目指すべき理由を伝えるのだ。
これができなければ部下がやる気を持つことは永遠にない。
というか、これさえできればやる気がなくとも部下は勝手に仕事をするようになる。
考えてもみて欲しい。
あなたの目の前でお爺さんが階段から落ちそうになっていたとしよう。お爺さんの背中はあなたの手の届く所にある。手を伸ばせばその体を支えることができる。
きっとあなたは咄嗟に手を伸ばして、お爺さんの体を支えることだろう。
果たしてこれはやる気の産物だろうか?あなたはやる気があるからお爺さんを助けたのだろうか?違うだろう。
重要性を理解しているから行動になるのだ。逆に重要だと思わなければ、あなたはお爺さんが落下していくのをただただ見守ることだろう。仕事も同じである。
「部下が動いてくれない!」と嘆く上司のほとんどが、この一番大事な部分を分かっていなかったり、分かっていてもちゃんと言語化できていない。そりゃあ部下が動かなくて当然である。
もうひとつ。
目的地を伝えることと、一緒に目的地を目指すことは全く違う。
大抵の上司は「伝える」だけで終わってしまう。これは「お前はあそこまで行け。じゃあよろしく」と言っているようなものだ。これでやる気が出るだろうか?そんなんでやる気を出すやつなんて余程のマゾか、ただのアホである。どちらも部下にするなら最高のタイプである。私も欲しい、マゾでアホな部下。
ちなみに、アホな上司ほどアホな部下で満足しがちである。
目的を伝えてもダメな場合
部下のやる気を出すために「目的を伝える」というのは周知の事実かもしれない。
「そんなことは分かってんだよ」という人も多いと思う。
私にも経験があるのだが、「部下にいくら目的を伝えても変わらない」という場合がある。これは困る。困りに困った挙句、最終的には「あいつはバカだから」という謎の理論で自分を納得させ、部下のやる気を出させることは諦めていく。このパターンはけっこう多い。
ではこんなときどうするべきか?
私の経験上、こちらも二通りある。
①自分がラクをしようとしているのがバレている。
②やる気の出発地点が違う
順番に説明しよう。
ちなみに隠れて③の「本当にバカ」というものがあるが、これに関しては語れることがないので、自分で何とかしてもらいたい。私も未だ未解決である。誰か助けてくれ。
部下は意外と見抜いてる
私を含め、無能な上司というのは「できるだけラクがしたい」と思いがちである。
そう思うとできるだけ仕事を部下に振るようにしてしまい、部下が何かミスをしたり、部下の尻拭いをすることにいちいち腹を立てたりする。
こういう上司を部下をすぐに見抜く。人は自分が軽んじられていることに敏感だ。
上司に余裕が生まれれば仕事の指揮を取る時間は増える。それによって組織が円滑に回る。仕事がこなせるようになる。
という理屈は分かるのだが、仕事を任せられた部下だけ忙しく、上司が喫煙所で談笑していれば、それはもうやる気がなくなるのは当然の話である。
どうだろうか。身に覚えがないだろうか?
またこれは会社の体質に対しても同じである。あなたがラクをしていなくても、その更に上の人間がダラけた態度や仕組みにしていれば、同様に部下はやる気を失う。自分だけが損をしようなんて思う人間は、いないとまでは言わないが少ないのが現実である。
人に仕事を依頼する以上、相手への誠意がなければその関係は長くは持たない。
やる気の出発地点
これも部下の性格によるものなのであるが、やる気が発生するタイミングが人によって違う。
極端に言うと、
①攻める時にやる気を出す人
②守る時にやる気を出す人
という感じだろうか。
前者は、予定や目標など目の前にぶら下がった獲物を捕まえるのが好きな人である。
予定や目標を上回ることに快感を感じるタイプだ。
後者は、期限が迫っていたり、怒られそうになったりと、自分に脅威が迫ったときに、身を守ることに特化した人である。
危機から身の安全を確保することに快感を感じるタイプである。
これを逆にすると部下はやる気を出しにくくなる。その能力はあっても「気分が乗らない」というやつである。
①の人間を追い詰めると、その余裕の無さに嫌気が差す。②の人間の目の前に人参をぶら下げても見向きもしない。
この辺りの加減を意識してみると、思わぬ効果を出すことがある。
やはりその人を見て、理解することが大事なのだ。これに尽きる。
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人を変えることはできない
さて、ここまでで私の「部下のやる気で困っている上司に教えてあげたいこと」は終わりになる。何か得るものがあるといいと思う。
最後に同じことを繰り返させてほしい。
人を変えることはできない。部下のやる気を出させることなんてのはムリだ。他人を自分の好きなように変えるなんて、あまりにもおこがましいし、厚かましいし、短絡的だし、盲目的だし、自己中心的である。
だから諦めろということではなく、あなたが変わればいいだけの話だ。
大事な事実が2つある。どちらも有名だろう。
他人と過去は変えられない。だが自分と未来は変えられる。
人は環境に左右される。
これはつまり部下の環境であるあなた自身が変われば、部下も変わることを意味している。 とっても簡単である。
以上、では健闘を祈る。
※そもそも部下を説得する自信がないという方は、テクニックでカバーしてみるのはどうだろうか。