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これぞ絶望。河合雅司『未来の年表~人口減少日本でこれから起きること』

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いやー、こんなに絶望したの久々だわ。

 

絶望の近未来を超具体的に紹介する本

どうも、読書ブロガーのひろたつです。今回はかなりタチの悪い本を紹介しよう。

 

この衝撃的な表紙に釣られて買ってしまったのだが、これがまあ本当にそのまんまな内容でして、進撃の巨人ぐらい絶望しましたよ。 

 

 少子高齢化がヤバイってのはなんとなく分かっているつもりだったけど、ここまで超具体的に事例を見せつけられると、「何とかしなきゃ!」よりも「こんなの無理だろ…」という絶望感が圧倒的に勝ってしまう

 

ということで、せっかくなので皆さんにもこの絶望感をお裾分けして、一緒に気分を害そうじゃありませんか!

 

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最恐の年表

『未来の年表』というタイトルだけあり、この本の中でも特に見どころなのが、“最恐の 年表”である。どれだけ恐ろしいかは実際に見てもらえればよく分かるだろう。

 

では以下、本文より抜粋&私のコメントである。

 

2020年 女性の過半数が50歳以上となり、出産可能な女性数が大きく減り始める。

子供を産めない女性の方が多い国になっていく。

 

2021年 団塊ジュニア世代が50代に突入し、介護離職が増え始める。

人手が必要になるのに人手が離れていく、という二重苦でさらに拍車がかかる。 

 

2022年 団塊世代が75歳に突入し、「ひとり暮らし社会」が本格化し始める。

孤独死とか当たり前になるんだろうなぁ…。

 

2023年 団塊ジュニア世代が50代となり、企業の人件費はピークを迎える。

これはちょっと微妙。普通に給料を下げる会社が増えると思う。

 

2024年 団塊世代がすべて75歳以上となり、社会保障費が大きく膨らみ始める。

国の借金はどうなっていることやら…。

 

2025年 東京都の人口が1398万人とピークを迎える。

ただでさえ狭いのにさらに狭くなるのか。

 

2026年 高齢者の5人に1人が認知症患者(約730万人)となる。

この頃から「老老介護」ならぬ、「認認介護」つまり認知症患者が認知症患者を介護する社会に突入していく。

 

2027年 献血必要量が不足し、手術や治療への影響が懸念されるようになる。

輸血ってのは実は事故なんかよりも、手術で一番使われている。その手術ができないとなれば…。

 

2030年 団塊世代の高齢化で、東京郊外にもゴーストタウンが広がる。

これもどうだろうか。親を養うために都心に人が集まる、という推測らしいけど、そんな家族の繋がりが存続し得るだろうか。

 

2030年 ITを担う人材が最大79万人不足し、社会基盤に混乱が生じる。

若い人がいなくなるってことは、開発する人材が老化するということ。そうなれば新しいシステムはどんどん生まれなくなってくる。

 

2033年 空き家が2167万戸を数え、3戸に1戸は人が住まなくなる。

人口が減るんだから当たり前のこと。なのに今はそこら中で新築の家が売られている。みんな何を考えているの?

 

2033年 老朽化したインフラの維持管理・更新費用が最大5兆5000億円程に膨らむ。

こんな金額は賄えないので、捨てられる自治体が出てくる。

 

2035年 男性の3人に1人、女性は5人に1人が生涯未婚という「未婚大国」になる。

少子化が進めばそれだけ社会も安定せず、子供を生むリスクは高くなる一方。けっこんする理由はなくなるよなぁ。

 

2039年 死亡者数が167万9000人とピークを迎え、火葬場不足が深刻化する。

死体ホテルなんてのが今でもあるらしいけど、そこにも入り切らなくなったとしたら…。死体が捨てられる日が来るのかも。当然、病院のベッドも足りなくなるから、平穏に死ねる人は減っていく。

 

2040年 全国の自治体の半数近くが「消滅」の危機に晒される。

個人的には自治体はもっと減るべきだと思っている。地方の人には悪いけど。

 

2040年 団塊ジュニア世代がすべて65歳以上となり、大量退職で後継者不足が深刻化する。

これを見ると定年を70歳に引き上げるのは当然の処置と思える。

 

2042年 高齢者数が3935万2000人とピークを迎える。

高齢者向けのサービスが一番限界を迎えるということ。捨てられる老人が大量に出てくるのか。

 

2045年 東京都民の3人に1人が高齢者となる。

当然、都心もその状況は変わらない。

 

2050年 世界人口が97億3000万人となり、日本も世界的な食料争奪戦に巻き込まれる。

忘れちゃいけないのが世界人口。日本の人口は減っても、世界人口は増える一方。自国の食料のまかなえていない日本が、まともに食料を確保できるだろうか。

 

2050年 現在の居住地の約20%が「誰も住まない土地」となる。

地方消滅が当たり前になっている。

 

2050年 団塊ジュニア世代がすべて75歳以上となり、社会保障制度の破綻懸念が強まる。

こんな状況で「生活保護で~」とか言えるはずがない。生活保護システムは確実に破綻する。

 

2053年 総人口が9924万人となり、1億人を割り込む。

減るのはいいんだけど、少子高齢化であることが問題なんだよね。支える人と支えられる人のバランスがイカれてる。

 

2054年 75歳以上人口が2449万人でピークを迎える。

働き手が減ればそれだけ税収も減る。元気な高齢者や特別な技能がある高齢者であれば問題ないけど、そうじゃない人は誰が支えてくれるのか。

 

2055年 4人に1人が75歳以上となる。

この頃になると、「少子高齢化」ではなく「無視高齢化」が当たり前の地域増えてくる。

 

2056年 生産年齢人口が4983万6000人となり、5000万人を割り込む。

もし私がこの時代の若い世代だったら、確実に外国に逃げると思う。資源が多い国に。東南アジアとか。

 

2059年 5人に1人が80歳以上となる。

 

2065年 総人口が8807万7000人で、2.5人に1人が高齢者となる。

 

2076年 年間出生数が50万人を割り込む。

 

2115年 総人口が5055万5000人まで減る。

 

このように非常に絶望的な数字が展開されている。

本文ではそれぞれの項目を詳しく、そして根拠も提示されているので、もっと具体的に絶望してもらいたい。

 

じゃあどうすればいいのか? 

未来が絶望的なのはよく分かったが、次に来るのは「じゃあどうすんさ?」という疑問である。クソほど他人事だが、国家レベルの危機に対して使命感を持てるほど私は大物ではない。きっと日本人の多くが私と同じように、この本を読んでも「誰か何とかしてよ」という他人事だと思う。

ということで、そんなアホな私たちのために本書では第二部に「日本を救う10の処方箋」が紹介されている。

 

で、それを読んだ感想だが、非常に具体的な内容なので、ぜひとも行動力と影響力のある方に実践してもらいたいです、と思った。

いや、ホントに情けない話だが正直なところスケールが大きすぎて、私レベルなんかでどうこうできるようなものには考えられないのだ。きっとそもそもそんな意識でいるからこそ、少子化の問題が進行し続けてしまうのだろう。

 

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もっと個人的なレベルから 

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なので私がこの本を読んで思った、というか学んだのは「このままじゃいけない」ということだ。

勘違いしないでもらいたい。これは「日本がこのままじゃいけない」という意味でなく、「私自身がこのままじゃいけない」という意味だ。私のような小者は自分の身を案じるだけでいっぱいなのだ。本当に申し訳ない。自分に余裕がなければ他人を助けることもできない。まずは自分からだ。

 

年表を見る限り、私が高齢者になる頃が一番酷い状況になっている。

ということは、私自身が自分の子供や孫に見捨てられる可能性があるというわけだ。血を分けた家族が「捨てる側」と「捨てられる側」になるなんて、あまりにも悲しすぎる。

しかし嘆いていても仕方ない。もしかしたら技術革新とかで何とかなってるかもしれないが、この本に書いてあるような未来もありえるのだ。そのための準備をするべきだ。

私は捨てられたくないし、子供たちに「捨てる」という辛い選択をさせたくない。

 

そのためにやるべきことは…

 

①下の世代に頼らずとすむように資産を形成しておく

②高齢者になっても“自分で稼ぐ能力”を身に着けておく

③医療費などで苦労しないように健康に気をつける

④場合によっては海外に生活圏を移すことも覚悟しておく

 

といった所だろうか。どれもこれも今の自分にはないものだ。

しかし時間は限られている。やるしかないだろう。

 

何よりもこの強い“当事者感”を得られたことが最大の収穫である。

 

以上。