俺だってヒーローになりてえよ

何が足りないかって、あれだよあれ。何が足りないか分かる能力。

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レシピ本で失敗すると家庭が壊れる。『世界一美味しい煮玉子の作り方』

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怒りのレビューである。

 

料理をしない調理師

私は料理をしない人間である。

奥さんが料理上手というのもあるし、そもそも料理に興味がなかったのもあるし、食物調理科に通っていたにもかかわらず料理が嫌いで、調理師免許を持っているのに料理が苦手だったからだ。もう意味が分からない。

 

しかし、そんな私に転機が訪れる。

 

奥さんの出産である。別に私が奥さんを出産したわけではない。奥さんが子供を出産したのだ。

出産後の女性には産褥期と呼ばれるよく分からない謎の期間が存在する。

この一定期間、夫は妻の奴隷として家事育児の一切をこなすことが義務付けられている。これをしないと、罰として将来的に奥さんから日常的に蔑まれるというオプションが人生に加わることになる。

そんなのは御免こうむる私は、病院から帰ってきた奥さんと子供のために、我が社初の「男の育休」を取得した。家事に専念することにしたのだ。

あなたはこんな私を偉いと思うだろうか。違う。ただ単に会社での地位を失うよりも、奥さんが不機嫌になることの方が怖かっただけだ。本当にありがとうございます。 

 

ダメ男、日本一の料理本と出会う

で、長らく料理をしてこなかった私は、どんなご飯を作ればいいのか、さっぱり分からない。

クックパッドとかで調べてみるけれど「〇〇を使ったなんちゃら~」みたいな派手派手しいものばかりで、まったく食指が動かない。キラキラネームの波は、ご飯にまで及んでいる。普通のご飯のレシピはこの世に存在しないのか。「カレー」とか「チャーハン」とかそんなんでいいのに…。

 

そんな私の目の前に現れたのが今回紹介する書籍である。

なんと2017年料理本大賞を受賞した、当時で言うならば「日本一のレシピ本」である。

 

それがこちら。

だだん。

 

 

『世界一美味しい煮玉子の作り方』

 

 

 

人気レシピブログを運営する著者が行き着いた哲学は、「適当で楽で安く済んで、でも美味しい料理こそ、本当に必要な料理じゃないだろうか?」ということだった。「ひとりぶん」レシピで、材料はスーパーで手に入るもの、かつ一円単位で値段も明記。「適量」や「少々」という表記も一切なし!簡単で美味しいからこそ、料理のモチベーションが湧いてくる。「ひとりで食事をする時間」を最高に楽しくて美味しい時間にするための最高の一冊、ここに誕生! 

 

 

もうね、タイトルからして正解。こんなに美味しそうなタイトルを付けられたら、そりゃ売れるよ。

中身のレシピたちも私が毛嫌いしていたキラキラ系とは一線を画していて、

 

・100回作ったミートソース

・ガーリックチャーハン

・至福のチャーシュー丼

・手抜き煮込みハンバーグ

 

などなど、「これこれ!」と言いたくなるようなレシピが勢揃いしていた。

それに写真も非常に綺麗で美味しそうで、「こんなのが食卓に並んでたら幸せだろうなぁ…」と想像しただけでニヤつくレベルである。書店でオッサンが一人でニヤニヤしているなんて、通報案件である。結構ギリギリだったわけだ。なんともオッサンには厳しい世の中である。

 

料理してたら、知らないうちに水害に遭う

さて、無事に家路についた私は早速料理に取り掛かった。

挑戦したのは特に私の目を引いた「100回作ったミートソース」である。超美味そうなネーミングである。写真も素晴らしい。これなら家族みんなで幸せな食卓を囲めることだろう。

 

 

※参考画像

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細かい作り方は著作権に抵触しそうなので、割愛。

とりあえず、料理初心者の私でも難なく作ることができた。きっと簡単なのだろう。

 

…でも写真とまったく違うものができてしまったのは、なぜなのだろう。

私の目の前にいるのは、ただのドロついたトマトジュースだ

北軽井沢にある鬼押出し園みたいなゴロついたミートソースは一体どこに?

 

あまりにも違うからAmazonのレビューを確認してみたら、「100回作ったミートソースを作ってみたら、水害にあったようなものができた」と書いてあって、まさしく私と同じ状況。まさか…誤植?

確かに「肉50gを酒200ccで炒める」の記述の意味が分からなくて、とりあえず素直に従ったら、酒の中で挽肉が泳いでたぜ。

炒めるってなんだっけ?

もっと肉の断末魔みたいなの聞こえてこなかったっけ。ジューって。

なんか炒めるのイメージが違いすぎてビビる。

 

実食

…まあ、でも見た目よりも大事なのは味だし。人間もそうだよね。食べたことないから知らないけど。

 

 

ということで、奥さんと子供と食卓を囲み、いざ実食。

 

…。

 

……。

 

 

は?

 

 

なにこれ?ただの塩なんだけど。ミートソースっていうか、塩なんだけど。2時間ぐらいかけてできたのが、塩なんだけど。

このミートソース塩味しかしない。しかも超塩っぱい。さっきから「塩」ってキーボードで打ちすぎてsって押しただけで「塩」って出てくる。パソコンまで塩っぱくなってるから。

こんなんだったら、最初から塩だけ舐めてた方が早かったんだけど。買い物に行く必要もなかったし。っていうか、「100回作ったミートソース」の作り方のところに

 

①塩を舐める

②終わり

 

でいいでしょ。こんなに塩っぱい思いさせたいだけなら。

紙だって貴重な資源なんだよ。無駄遣いすんなよ。人の時間まで奪うし。どこまで傍若無人なんだよ。

 

しかもキッツいのが食卓の空気。料理をする前のあのワクワク感はどこへ?

まずい料理が並ぶ食卓って、こんなにセピア色になるなんて知らなかったよ。

 

普段料理しない旦那がせっかく作った料理だから、奥さんも無理して食べてるけど、明らかに「美味しい」って単語を避けてるし…。なんだよ「明日、このミートソースの余りを使って、ドリアでも作ってあげるよ」って。余らせること前提じゃねえか。

 

ご飯が不味いだけで、家庭ってこんなに冷えきるもんなんだね。初めて知ったよ。

 

懲りない男

とはいえ、せっかく買った本である。

一度ぐらいの失敗でめげる私ではない。何を隠そう、私は忘れっぽい男なのだ。悪いことも良いこともすべて忘れて生きてきた。なんなら今まで生きてきたことすら忘れて、気分はもう新生児。誰かおむつ変えてくれ。

 

ということで、新たな人生を始めるつもりで、再度チャレンジ。

「100回作ったミートソース」のページは、二度と作れないように引きちぎってしまったので、今度は違うメニューに挑戦である。

あぁ、あれか。もしかして作者の人は、あのクソ不味いミートソースに満足できなくて、悔しくて100回作ったのかも知れないな。正確には「(あまりの不味さに納得できなくて)100回作ったミートソース」だったわけだ。

塩分過多でよく死ななかったもんだ。

 

で、私が次に作ったのは、カルボナーラ。その名も「黄金のカルボナーラ」だ。

これはさすがに大丈夫だろう。

 

…。

 

 

……。

 

 

しょっっぱッ!!!

 

口に含めば私の舌に襲いかかる暴力的なまでの、塩、塩、塩。

 

もしかして私が知らないだけで、黄金って塩っぱいのか…?

そんなことを疑ってしまうぐらいに塩味。

 

 

それ以降、違うメニューにも挑戦し続けたが…

 

手抜き煮込みハンバーグ⇒ 塩味

至福のチャーシュー丼⇒ 塩味

 

もう、どれもこれも感じるのは塩味のみ。

あれなのかな、うちにある塩って、一般家庭にある塩よりも塩っぱいのかも。それか、作者の使ってる塩が薄いのか。もうそうじゃなきゃ、辻褄が合わない。なんでこんなに塩っぱいの?製塩会社の回し者なの?

これで私が普段から上品な食生活を送っていて、人よりも味覚が敏感とかだったら分かるけれど、「ポテチこそ天界の食い物!」みたいな舌をしてる私が塩っぱいって思うんだから、よっぽどでしょ。

 

さすがにもう無理です…。

なにひとつとして、まともに作れずに終わってしまいました…。

 

あれから…

…。

 

私が塩っぱいご飯を作り続けた日々。あれからどれだけの時間が経っただろうか。

 

奥さんは塩気に嫌気が差して、実家に帰ってしまった(嘘)。

子供は塩分の摂り過ぎにより、おねしょが止まらない(もとから)。

私は塩を発端にした度重なる不幸から精神に異常をきたし、物忘れがひどくなった(もっっともとから)。

 

どれもこれも私がレシピ本に失敗したからである。

思い描いていた幸せな食卓は結局、幻として終わった。いくら悔やんでも、時間は取り戻せない。 

 

どうか皆さんは私と同じ過ちをおかさないでほしい。

レシピ本に失敗すると、家庭まで壊してしまうことを知ってほしい。

 

そして、こんな本を「2017年料理本大賞」に推した方々。自分たちの責任を痛感して欲しい。

 

 

以上。

 

 

こっちのレシピ本はとっても良かったです。

国分のこと全然好きじゃなかったけど、見直したよ。