どうも。中間管理職ブロガーのひろたつです。職場では北風しか感じたことがありません。
人を動かすのは大変
超有名な童話『北風と太陽』。
人間関係の話題などでよく例として挙げられる話である。
実はこの話、みんながよく知っている部分は、二回戦目だということをご存知だろうか。
『北風と太陽』といえば、「北風が力ずくで旅人のコートを脱がせようとしても無理で、太陽が日差しを当てることで自らコートを脱がすことに成功した」という話である。
この話の教訓として一般的なのが、「人を動かすのは簡単ではない。自分から動くように仕向けることが大事だ」ということである。
それはそれで正解だと思う。
実際、私は職場で100人を超える部下を抱えており、“自ら動かせる”ことの大事さは誰よりも思い知っている立場だ。指示待ち人間に抱く殺意の回数は日本の中でも指折りじゃないだろうか。
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知らざれる一回戦目
だが、実はこの『北風と太陽』のみんなが知っている部分は、第二回戦なのだ。
では一回戦の内容はと言うと…
「どちらが旅人の帽子を取ることができるか」
だった。
職場でこの話をしたところ、「あぁ、そういえば聞いたことあるわ」という感じだったので、きっとみんな幼い頃に耳にしていることはしているのだろう。
ただあまりにも大人になってから、「第二回戦」の部分ばかりが取り沙汰されるから、勝手に脳内で編集されてしまったのだろう。
『北風と太陽』の真の教訓
で、大事なのはここからである。
「旅人の帽子を取る対決」は、読者の皆様もご想像の通り北風の圧勝だったのだ。
帽子は風で飛ばすことはできるが、太陽がいくら日差しを浴びせかけたところで、旅人は逆に帽子をしっかりと被り直すだけ。
こうなると、「自ら行動させる」という教訓は似つかわしくないことが分かる。
対象が変われば、対応も変える。問題が変われば答えも変わる。
それが『北風と太陽』の本来の教訓なのだ。みんなここを勘違いしている。
もっと言うと、「これが答えだ」という考えそのものが間違っているということ。
二回戦で得た教訓「自ら行動させる」を唯一の答えだと思ってしまう人はきっと多いことだろう。ときには「無理矢理行動させる」必要もある。麻薬中毒者はさっさと入院させた方が懸命である。
思考を狭めてはいけない
こういった「ひとつの答えに捕らわれてしまう」現象は『北風と太陽』の話だけに限ったものではない。
他にも、
「自分がしてもらいたいことを相手にしなさい」
とか、
「自分が嫌がることは他人にもしてはいけない」
といったことも、間違っている場合がある。
世の中には思わぬ変態さんがいるので、自分がしてもらいたいことが相手にとっては最高に不快だったり、自分の嫌いなものが相手には大好物なんてことはザラにある。
人は簡単に一括りにできるようなものではない。
このように「ひとつの答えに捕らわれてしまう」ことによって、いらんお節介が生まれたりするのだろう。ご年配の方に多く見られる現象である。好意は嬉しいけどはた迷惑、なんていう経験は皆さんしたことがあるだろう。
だから私たちはいつでも思考停止に陥ってしまう習性があり、いくらでも愚かになれるので、やはり「考え続けること」の大事さに改めて気付かされた次第である。
以上。