どうも。読書ブロガーのひろたつです。
素敵な本を見つけたので、ご紹介。
内容紹介
シンプルに考える | ||||
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「あれも大事、これも大事」と悩むのではなく、
「何が本質なのか?」を徹底的に考える。
そして、本当に大切な1%に100%集中する。
シンプルに考えなければ、何も成し遂げることはできない――。LINE株式会社CEOを退任し、
動画メディアを運営するC Channel株式会社を起業した、
注目の著者が初めて明かす「仕事の流儀」!
実はLINEを利用したことがない私だが、LINEがどれだけ素晴らしいツールかは知っているつもり。
そんな素晴らしいサービスを生み出した人が書いた本はどんなもんじゃい?と手に取ってみたのだが、これが予想を遥かに超える内容で、なんだか色々考えさせられてしまった。
既成概念の破壊っぷりが爽快
上の画像のオッサンが元LINECEOの森川亮氏である。もじゃもじゃになったアンパンマンみたいな顔をしているがこの男、只者ではない。
本書のまえがきからいきなりカマしてくる文章がこれである。
「戦わない」
「ビジョンはいらない」
「計画はいらない」
「情報共有はしない」
「偉い人はいらない」
「モチベーションは上げない」
「成功は捨て続ける」
「差別化は狙わない」
「イノベーションは目指さない」
「経営は管理ではない」
どれもこれも私の職場で生み出されるストレスの元凶みたいなものばかりなので、これを読むだけでも気分爽快。森川亮氏がどれだけ規格外の男かよく分かる言葉たちである。
しかも、これらをただ言うだけではなく、実際に行動が伴っていたのだから驚き。
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破壊的アイデア
例えば「成功は捨て続ける」の例で言えば、こんな話が本書で紹介されている。
会社がとあるサービスで潤い、従業員がギラギラしなくなってしまった。さらには年功序列によって、仕事ができる新人よりも、たいして仕事をしない古参社員の方が給料が高かったり、自分の地位を脅かしそうな新人を攻撃し始める人も現れ出してしまった。
誰もが本質を忘れ、檻の中でのうのうと暮らすことばかりを考えてしまっている。
恵まれた環境の中にいると人はかくも「動物園」のようになってしまう…。
そう考えた森川氏が取った施策がとんでもない。
本文では以下のように記述されている。
これは、おかしい。だから、僕はあるとき、こう宣言したのです。
「全社員の給料をリセットすることにしました。これからは成果を出し、ユーザーに大きな価値を提供している人から優先的に給料を支払います」
あえて社員たちをぬるま湯から引きずり出す、という決断。
もちろんこんな決定をいきなりすれば、反対する人は出てくる。しかしそれでも森川氏の決断は揺るがず、結果的には多数の離職者を出すに至る。
その後もまた面白い。
結局、反対していた人たちの多くは退職を選択。しかし、人員補充は行いませんでした。そのかわりに、辞めた人たちの給料を、結果を出している社員たちに配分していきました。これだけで、がんばっている社員たちの士気はおおいに上がったものです。
とんでもない会社だと思ってしまう私は、きっと凡人なのだろう。
でも、こんなことされたら燃えないわけない、とも思ったりする。
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すべては「モノサシ」から
タイトルにあるように、森川氏のこれらの破壊的な考え方やアイデアは、物事を「シンプルに考える」ところから生まれている。
シンプルに考えた結果、森川氏は
「現場はひたすらユーザーのために全力を尽くす」
「経営は、現場が仕事にとことん集中できる環境を守る」
というふたつの基準を持つに至る。
どんなに突飛で常識はずれなアイデアだとしても、この基準に照らし合わせることで、「大丈夫だ」と確信できる。
モノサシを見つけること
なるほど、と感心する一方で疑問に思うことがあった。
「よくそんな基準を見つけることができたな」
シンプルに考える、というのは誰にでもできそうな気がする。
どんな問題に直面したとしても、「本質は何か?」「どこにリソースをつぎ込めば、一番効果的か?」と考えればそれなりの答えを得られそうである。
でもそれではあくまでも、その場その場の対応であり、森川氏のような絶対的な基準を持っているわけではない。シンプルに考えても、価値基準がグラグラになっていれば、部下は付いていけなくなるだろう。人は納得できないことが嫌いだ。
だから、シンプルに考えるということよりも、自分の中で「これだ!」と確信できるモノサシを見つけることが何よりも重要なのだ。
モノサシと言うぐらいだから、その価値は絶対に変わらない。それが正しいと盲信できるものであるべきだ。
でもどうやって自分のモノサシを見つければいいのか?
他人を基準にしない
世の中には情報が溢れていて、それらしい“モノサシ”が腐るほどある。
それらはとっても魅力的な人や、羨ましい生き方や境遇の人から発せられるので、とんでもなく素晴らしいもののように見えたりする。
でもそれはその人達にとってのモノサシである。そんなのは他人に似合う服のようなものだ。
誰が言ってたとか、そんなのは本当にどうでもよくて、私たちが考えるべきは「何を大事にすれば自分は後悔しないか?」という揺るぎないモノサシを見つけることである。
そのためには徹底的に自分の心と向い合わなければならない。
そこで見つけた自分が、どれだけちっぽけだったとしても、どれだけ恥ずかしかったとしても、それが自分なのだから仕方ない。
他人の基準ではなく、自分の基準を見つけよう。
素敵な本でした。
以上。
シンプルに考える | ||||
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