俺だってヒーローになりてえよ

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2017年に公開された映画のベスト10と個人的部門賞まとめ

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今年もやります。

 

 

どうも、読書中毒ブロガーのひろたつです。

このブログでは恒例になりつつある、映画のまとめ記事である。

 

簡単に説明すると、私の職場には人生の時間のほとんどを映画鑑賞に費やしている変態くんがいる。そんな彼に年間のベスト映画を決めてもらった、という記事である。

 

彼は有名所はもちろんのこと、まったくもって無名の作品まで手を出していて、その情報量たるや、正直言って気持ち悪いほどである。

しかしながら、それほどの映画愛がある彼だからこそ優良な映画まとめ記事が書けるわけだ。そんじょそこらの映画通とは観ている分母が違う。信用してもらって構わない。もちろん信用してもらわなくても構わない。人生は自由である。

 

ということで、ここから先は寄稿記事になります。

 

 

~~

 

どうも、『俺だってヒーローになりてえよ』の映画担当スズキです。

今回も選りすぐりの最強映画を紹介させていただきます

 

2017年の総鑑賞数は 172本。 
そのうち、2017年劇場公開・配信・DVDスルーの新作は 82本 でした。
その新作を大賞にトップテンを決めてみました。これはできるだけ多くのジャンルを楽しめるように、あえて幅広く個性的なラインナップにしてあります。

また、おまけとして超個人的アワードを作ってみました。…あくまでもおまけです。

 

なにせ素人なので完全主観と超個人的な好みだけで選出していますが、それでもかなり自信のあるラインナップになっています。

少しでもこの記事を読んでいる方の参考になれば幸いです。

 

では最高の映画体験をぜひ!

行ってみましょう!

 

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作品賞 トップ10

まずはこれから。

2017年に公開された映画の中で、文句なしで最強に面白かった最高の10本をご紹介!

絶対に後悔させないラインナップです。あなたの映画観が変わるかも…?

 

 

第10位

『ありがとう、トニ・エルドマン』

マーレン・アーデ監督

 

全然有名じゃないので、意外な面白さにもびっくりしてもらいたい一品です。

 

 

 

個人的に「空気を読めない行動をする人を見るコメディ映画」は苦手なのですが、コレはそんな映画なはずなのになぜか目が離せない。
キャリアウーマンとしてバリバリ働く娘の邪魔になり続ける父。そんなどうしようもない父の行動が、娘の忘れていたものを思い出させることになります。


上手く行かなすぎて悲しくなってくるのに、なぜか笑えてしまう。しかも爆笑する場面まである。悲しいんだか笑っていいんだか…。


現代に疲れた人、親子愛、ヨーロッパ情勢、などなど色んな要素が上手く重なっていき、最終的には最高の癒やしを味あわせてくれます。

 

 

第9位

『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』

ジャン=マルク・ヴァレ監督

 

さあ、こちらも無名どころですが素晴らしい作品ですよ~。

 

 

 

妻を事故で亡くしたのに泣けない。

そんな普通じゃ想像がつかないような複雑な気持ちを抱える主人公。それでも葛藤し続け、自分の中の何かを変えようとする姿を丁寧に描写しています。

 

わざとらしい泣かせ演出や、派手な演出はなく、非常に淡々と進むのに何故か目が離せない。そんな不思議な雰囲気が堪らない作品です。

難しい役柄ながら、多くは語らないのに微妙な心の揺れ動きを表現する主演のジェイク・ギレンホールの演技力が素晴らしいし、ハマり役です。

名演というのはこういうことを言うのでしょう。

 

 

第8位

『HiGH&LOW THE MOVIE 2 / END OF SKY』

久保茂昭監督・中茎強監督 

 

みんなが大好きな三代目J soul BrothersやEXILEなどが所属する事務所LDHの、ほぼ自主制作映画になります。これがまた良い意味でバカな映画です。

 

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アクションやヤンキーものを大好きな男たちが、酔っ払いながら

「こんなヤンキー漫画あったらめっちゃテンション上がるよね!」

と盛り上がった話を莫大な予算と身体能力の高い男たちでヤリきったような作品。

ファンタジーとも思える世界ハイロー。そこで繰り広げられる壮大な陣地取り合戦。ヤクザに国家と、強大な敵に向かって立ち向かう男たち。

 

正直な話、ツッコミどころも絶えませんが、それがハイローの楽しみ方の一つでもあります。脳みそ空っぽにして楽しみましょう。いや、ツッコみまくって楽しみましょう!

 

映画シリーズ4作中でもクライマックスへ向かう最高のトスであり、最高到達点。

次回作が今から待ち遠しいです!  

 

 

第7位

『ブレードランナー2049』

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督

 

それ以降のSF映画が全て変わったと言われるほどの名作カルト映画、1982年「ブレードランナー」の続編になります。

めちゃめちゃ話題になったので、皆さんも御存知かと。

 

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派閥の分かれたレプリカントの二大勢力と人間による三つ巴の戦いを描いています。

 

前作の独特な世界観をしっかりと踏まえた上で、その世界をより発展させたドゥニ監督。前作の黒いイメージに対して、監督が今回目指したのは“白いブレードランナー”。

 

前作を思い返してみてもそうですが、“ブレードランナー”という映画は、新しいSFアクションでありながら根底は愛の話なのです。もちろん今作も愛の形を考える映画になっています。

 

観た後は、感想も出てこないくらい真っ白になる映画です。

 

ドゥニ監督に喝采。

 

 

第6位

『アシュラ』

キム・ソンス監督

 

韓国ノワールの最高傑作ができました。

 

 

 

00年代頃の韓国ノワールには名作が多く、そこから韓国ノワール映画は質が高いと世界的に言われています。

殺人の追憶』『悪魔を見た』『親切なクムジャさん』『チェイサー』『哀しき獣』などなど…数え上げたらキリがないほど傑作ぞろい。

 

そして2017年。

現代の最先端の技術を用いてアップデートされた韓国ノワールを見ることが出来ました。それが『アシュラ』。

 

ハリウッド仕込みの撮影技術と、韓国映画らしいバイオレンスさが上手く融合し、キリキリとする緊張感には最高に圧倒されます。

 

韓国ノワール入門映画であり、同時に最高傑作でもあります。

映画にぶん殴られてください。

 

 

第5位

『お嬢さん』

パク・チャヌク監督

 

もういっちょ韓国映画を行きましょう。

韓国映画というだけで偏見を持っている方もいらっしゃるかもしれませんが、一度観たらその過激さと完成度に確実にヤラれますよ。

 

 

 

韓国映画界で一番の変態監督パク・チャヌクの傑作。

原作はミステリー大賞を受賞した『荊の城』。3部構成になっていて、視点が変わるたびに新たな展開が見えてくるという非常に凝った作りになっています。

どんな決着を迎えるのか、最後まで全く分からない極上のミステリー映画です。

 

2時間半の長尺ながらも、息もつかせぬ展開と監督の変態性満点のヴィジュアルに魅了され、時間を忘れること間違いなし。

 

それにしても、韓国の女優たちの脱ぎっぷりは素晴らしいです。

 

 

第4位

『ベイビー・ドライバー』

エドガー・ライト監督

 

神業映画降臨。

 

 

 

音楽に乗って天才的なドライビングテクニックを操る主人公ベイビー。彼はその技術を買われ、犯罪組織の逃がし屋として活躍する。しかし彼がある女性に恋したことから、物語は急展開を迎える。

 

映画全体を通して音楽の使い方がとにかく上手いです。

ただ音楽に合わせてアクションが展開されるだけでなく、その流れる音楽にも理由があったり、足音から扉、銃声、アクセルとブレーキまでもが一体となって映画の音楽になっています。この完成度はまさに神業。他の作品ではなかなかこのレベルは観られません。

 

疾走感とハラハラ感が盛りだくさんでエンタメ要素も満点。

これは面白かった。

 

 

第3位

『ジョン・ウィック:チャプター2』

チャド・スタエルスキ監督

 

最高にかっこいい男のお通りです。

 

 

 

引退した無敵の殺し屋ジョン・ウィックの強さが見てすぐわかる映像の数々。とにかくとにかく、ひたすらキアヌ・リーブスがかっこいい。

それがただスーパーマンのように強いだけだとフィクション過ぎて冷めてしまうのですが、『ジョン・ウィック』の場合、実践経験から来るようなリアルな強さです。やられても最小の動きでやり返す、みたいな。

 

無駄がないのに、とってもアクロバティックでスタイリッシュ。

半端なくテンションが上がって最高に楽しめる作品です。

 

ちなみに前作も最高の出来です。ぜひ。

 

 

 

 

第2位

『ラ・ラ・ランド』

デイミアン・チャゼル監督

 

アカデミー賞で話題になったので、今更説明が必要ない作品。やはりこのランキングでも外すことはできませんでした。

 

 

 

各メディアで祭りのように取り上げられていて、鑑賞前だった自分からすればハードルが上がりきっている状態になってしまいました。これはよく失敗するパターンでは…?

なんていう上がりきってしまったハードルも、オープニングの1曲だけであっさりと超えてきました。なんじゃこりゃ?!


印象的な曲や台詞だけでなく、計算された動きやカメラワークなど、とにかく色んな部分で完成度が高くて、見ごたえが半端なかったです!後出しジャンケンみたいなコメントになってしまいますが、さすがアカデミー賞受賞作品

 

ハリウッドで夢見る男女のサクセスストーリー。なんていう簡単な話じゃないのがにくいところ。


それにしても、ラストであんなに泣いたのは久しぶりです。

号泣しすぎて、しばらく席から立ち上がれませんでした…。

 

 

第1位

『メッセージ』

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督

 

巨大なばかうけ。

 

 

 

栄えある第1位はこちら。

『メッセージ』といい、『ブレード・ランナー2049』といい、ドゥニ監督は優秀すぎですね。

 

「時」という概念の解釈とそれを映像で表現してしまう巧みさ。

難解な話をしているのに、なぜか見たまま納得させられてしまうのは、映像の説得力によるものです。これは凄い!

言語、宇宙船とその内部、生命体と、世界と、交流と、様々な要素を新しいヴィジュアルで折り込みながら、全てがリアル。これがずば抜けた説得力を生み出しています。

ズッシリとした重厚感は、映画の見応えを感じさせてくれることでしょう。


原題『ARRIVAL』は日本語で“到着”の意。その意味もクライマックスですべて繋がるのに、『メッセージ』という邦題にしてしまったのが唯一悲しい点です。

でも内容は完璧!

 

 

以上が2017年のベスト10になります。

ハズレ無しの最高な作品だらけなので、ぜひご覧ください。

 

あと蛇足かもしれませんが。

今回のベスト10に惜しくも入らなかった次点作品を紹介させてもらいます。もちろん次点とは言え、こちらも文句なしに面白い作品ですよ! 

 

次点

『コクソン』

ナ・ホンジン監督

 

 

 

作品の素晴らしさも去ることながら、未だかつて見たことない國村隼を見られる貴重な作品。

 

 

『たかが世界の終わり』

グザヴィエ・ドラン監督

 

 

 

若き天才監督グザヴィエ・ドランは、一度は観た方がいいです。『Mommy』もオススメ。

 

 

『スウィート17モンスター』

ケリー・フレモン・クレイグ監督

 

 

 

思春期特有の痛さに身悶えしてしまう、とっても素敵な青春コメディです。これは痛い!

 

 

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~部門賞~

ここからは、さらに勝手にやらせていただきます。個人的部門賞です。

物好きな方だけお付き合いください。

 

 

監督賞

 

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督 

『メッセージ』『ブレードランナー2049』


こんなケタ違いの超大作を1年の間に2本も公開したドゥニさん。

SFの世界の中でのリアリティと重厚感の表現力がズバ抜けています。こんな監督他にはいません!

しかもさらには人間味や心理描写なども長けていて、完全無欠っぷりを披露しています。完全に人外の存在になっています。


このままバケモノっぷり全開で、これからも新作を作り続けて欲しいですね。

 

次点はこちら。

パク・チャヌク監督 『お嬢さん』

デイミアン・チャゼル監督 『ラ・ラ・ランド』



脚本賞

 

ラ・ラ・ランド

 

これはもう文句なしですね。

長編デビュー作となった前作「セッション」の頃から半端じゃかったのですが、『ラ・ラ・ランド』は『セッション』とは真逆な作品ながら、素晴らしすぎる脚本。作品の振れ幅が尋常じゃないですね。

なんにせよまだ32歳でこの2作を書き、作り上げた才能は驚異的としか言いようがありません。

 

次点はこちら。
『ゲット・アウト』
『スイス・アーミー・マン』
『スウィート17モンスター』
『おとなの事情』

 

 

映像・撮影(がカッコイイ!で)賞

 

『ジョン・ウィック:チャプター2』

 

最強の殺し屋ジョン・ウィックの無敵さ、素早いアクションをスタイリッシュに映していました。

また、ちょっとダサさもありつつも、白・銀色っぽい色味やネオンのように現れる字幕など独自の世界観が格好良かったですね。これも文句なし。

 

次点はこちら。
『ベイビー・ドライバー』

『アシュラ』

『ラ・ラ・ランド』

『メッセージ』

 


主演男優賞

 

ライアン・ゴズリング

『ラ・ラ・ランド』『ブレードランナー2049』『ナイスガイズ!』

 

2017年は完全に彼の当たり年でしたね。

全くテイストの異なる映画で主演をこなし、時には冴えない男、運命に翻弄される男、イケメンっぽい男など、目や表情だけで物語るのがとても上手かったと思います。

 

次点はこちら。

ジェイク・ギレンホール 『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』

ジェームズ・マカヴォイ 『スプリット』

アンドリュー・ガーフィールド 『沈黙-サイレンス-』『ハクソー・リッジ』

 

 

主演女優賞

 

エマ・ストーン

『ラ・ラ・ランド』

 

ただかわいいだけじゃなく、表情豊かとか最強すぎます。

あまり多くを語らず旧車のアメ車に乗るようなセブ(ライアン・ゴズリング)との対比としての存在感。若い女の子っぽさがとても良かったと思います。

 

次点はこちら。
エイミー・アダムス 『メッセージ』

キム・ミニ 『お嬢さん』

ザンドラ・ヒュラー 『ありがとう、トニ・エルドマン』

 

 

助演男優賞

 

ファン・ジョンミン 

『アシュラ』『コクソン』

 

『コクソン』での怪しさ満点の祈祷師も、『アシュラ』のクソ市長ことパク・ソンベ市長も最高。

ファン・ジョンミンだから出来る胡散臭さと、力技で攻めてくる感じが最高でした。

 

次点はこちら。
アダム・ドライバー 『スターウォーズ 最後のジェダイ』『沈黙-サイレンス-』

ダニエル・ラドクリフ 『スイス・アーミー・マン』

マ・ドンソク 『新感染 ファイナル・エクスプレス』

國村隼 『コクソン』

(番外編 渡辺淳之介「SiS消滅の詩」)

 

(助演女優賞はピンとくるものが複数浮かばなかったので割愛…)

 

 

優秀キッズ賞

 

ジュダ・ルイス 

『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』

 

妻を事故で亡くしても何故か泣けない。

そんな複雑な心境のデイヴィス(ジェイク・ギレンホール)と生活を共にしながら次第に心を開き、成長していく姿。最終的にはデイヴィスの人生に影響を与える存在となっていきます。

思春期の難しい心の揺れ方がリアルでよかった!


アンガーリー・ライス 『ナイスガイズ!』

ヘイリー・スタインフェルド 『スウィート17モンスター』

 

 

 

以上になります!長々とお付き合いいただき感謝します。

2018年度版もお楽しみに!