俺だってヒーローになりてえよ

何が足りないかって、あれだよあれ。何が足りないか分かる能力。

正義ならやり返してもいいのか?

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どうも、読書中毒ブロガーのひろたつです。

先日あおり運転の映像をニュースで見た。なかなかの衝撃映像だった。

 

内容はと言うと…

・ムリな幅寄せ(30cmぐらいまで)

・そのまま抜かして先に行くのかと思いきや、前に立ちはだかり停車。

・仕方なく横をすり抜けていくと、またしても幅寄せ。停車の繰り返し

 

以上が高速道路上で行なわれていた。素晴らしくクレイジーな人がいるもんだ。自分が同じ目に遭ったら、たぶん幅寄せの時点で過剰にビビって自滅している気がする。

で、その様子がドライブレコーダーに丸々記録されていて、あおり運転をしていた人は無事に逮捕される運びとなったわけだ。めでたしめでたし。こうしてまたひとつ日本の害悪が減ったのだった…。

 

と、そこまでは良かったのだが(良いか?)、ニュースでは犯人(正確には容疑者か)の動機についても触れていて、それが問題だった。

 

「ムリヤリ抜かされたので腹が立ってやり返した」

 

このように犯人は語っていた。

これを聞いたときに私は思った。「アンパンマンじゃん」と。

 

今さら説明するまでもないだろうが、アンパンマンは愛と勇気だけが友達の孤高のヒーローである。そんな彼の得意技といえばアンパンチ。主な対象物はバイキンマンである。

我が家には幼い子どもがいるのでたまにアンパンマンを見るのだが、彼は基本的にみんなの幸せを自らの喜びにしているように見える。

だからこそみんなの幸せを、それこそいたずらにイタズラで奪うバイキンマンを許しはしない。鉄拳制裁である。みんなの幸せのためであれば、バイキンマンの資産がどれだけ失われようがまったく頓着しない。歩み寄る姿勢さえ見せない。

なぜならバイキンマンは悪だからだ。そして悪いことをしたのだから、懲らしめなければならない。そういった正義に立って、アンパンマンは今日もバイキンマンに暴力を振るう。

 

この構図がまるっきり、あおり運転の犯人に当てはまる。勘違いしないでほしい。あおり運転の犯人がアンパンマンである。

 

あおり運転をした男はあくまでも「やり返した」に過ぎない。たとえそれがやりすぎだったとしても、やっていることはアンパンマンと変わりない。最初は「相手が悪いことをしてきた」のだ。やり返して何が悪い。

そしてまた、似たようなことを我々はこの犯人に対してする。

犯人のあまりにも常軌を逸した行動(あおり運転)を白日の下に晒し、逮捕する。ニュースで取り上げ、コメントでぼこぼこにする。悪いことをした人間に対して、正義の力を見せつける。社会から排除する。見事やり返したわけだ。

 

よく思うのだが、この国の人間は基本的にやり返すことを是としている節がある。

もしかしたらそれもこれも全部アンパンマンが悪いんじゃないか、なんて思ってしまう。だって、誰だって一度はアンパンマンに夢中になった時期があったはずだ。そのときに「悪いやつは懲らしめるべき」という価値観を植え付けられたと考えても不思議じゃない。幼いからこそ洗脳は容易だし、幼いからこそ、その洗脳は強力なんじゃないだろうか。

はい、考え過ぎです。

 

まあそれは考え過ぎだとしても、みんなが「正義のもとであれば、やり返しは許される」というふうに考えているのは間違いではないだろう。

だが、これまたこの“正義”というやつが厄介だ。

単純に「法律こそ正義」なのであれば、ちょっとした一時停止無視とか、みんなが当たり前にやっているスピード超過で捕まることに対して、もっと寛容でもいいと思う。

でも実際はみんな「普段は取り締まってないのに!」とか「他の人もやってるのに」みたいな言い方をする。

そもそも法律を全部知っている人なんてほとんどいないし。知らなかったルールで裁かれるのはキツいと思う。まあ実際、それがこの国の現状なのだが…。

 

他にも「常識が正義」とか「道徳が正義」とかあるけど、それらはどうひねくり回した所で「人それぞれ」の域を出ない。根拠が曖昧すぎるし、変態のルールを適用されてもキツい。

例えば「自分がされて嬉しいことを他人にしなさい」とか非常に聞こえは良いし、実際よく耳にする言葉だが、ひとたびそこに変態が介在すれば、最高に最悪な展開が待っているような気がする。気持ち悪いからあんまり具体的な想像はしないけど。具体例をちょっとあげるならば、この世には他人の糞尿を…止めておこう。

 

ということで正義だからやり返しOK、は短絡的すぎると思うわけだ。

 

 

愛と勇気だけ友達とかのたまうアンパンマンだが、実際は完全にみんな(バイキンマン以外)と癒着している。そもそも彼はみんなが喜ぶことが嬉しいわけで、それはつまり自分の快楽に従っていると言い換えられるだろう(もちろん言い換える必要はない)。

だからバイキンマンにはすぐに鉄拳制裁。あれだけ毎週懲りずにやってくるバイキンマンの姿を見れば、暴力は何も解決しないことに気付きそうなものだが、アンパンマンも全然懲りない。ハッキリ言って同レベルの闘いである。きっと周囲の人間との関係がズブズブになっているアンパンマンには、「バイキンマンに寄り添ってみる」なんていう解決策さえ思いつかないのだろう。

 

なんだか最後は全力のアンパンマンdisになってしまったが、まあいいだろう。これが私の正義である。

 

以上。