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大人の疲れた心を癒やすサプリ小説9選

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読書で心を癒やしましょう。

  

大人気企画 

どうも、読書中毒ブロガーのひろたつです。

 

今回の記事は大好評のまとめ記事になる。というか、このブログのアクセスの8割は本のまとめ記事である。まとめ記事しか読まれていないようなもんである。ということはこれはもう、まとめ記事以外を書く必要はなくて、私が毎日毎日必死で書いている単発記事たちは存在する意味がないんじゃないかという不安がよぎるが、それは紛れもない事実なので、素直に目を背けることとする。

 

今回のまとめは題して『大人の疲れた心を癒やすサプリみたいな小説』である。

まるで本屋の期間セールみたいなタイトルである。非常に安っぽい。

 

しかしながら安心していただきたい。

私はこれでも毎日毎日、皆様がテレビを観たり、スマホをいじったり、友人たちと青春を育んだりしている間、ひたすら読書に明け暮れてきた人間である。良質な本を紹介させたら私の右に出るものはきっといないだろう。出てきたらぶん殴ってやる。

 

さらに言えば、私は職場で100人を超える部下を抱える超中間管理職であり、職場での消耗っぷりといったらもう消えてなくなるほどである。年中疲れている。疲れ切っている。ここまでいつも疲れていると、そもそも疲れていない状態がどういうものなのか分からなくなってくる。

つまり、疲れた人に贈る小説を選ばせたら当代随一ということだ。まあきっとそれはさすがに言い過ぎだろうが。

 

余計な話が過ぎた。本筋に戻ろう。

今回紹介する9作品は、どれもこれも何千冊と小説を読んできた私が自信を持ってオススメできる癒やしの名作ばかりである。

実際に手に取って、思う存分癒やされるがいい。

 

では行ってみよう。

 

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①カラフル

まずは小説巧者の森絵都である。

彼女の最大の特徴は、巧みな心理描写。特に思春期の心模様を描かせると凄まじい破壊力を発揮する。

こちらの『カラフル』は映画化もされ、森絵都の中でも代表作と言っても過言ではないだろう。

 

とあるさまよえる魂の冒険。最後に訪れる感動を、ぜひ堪能していただきたい。 

 

 

②舟を編む

2012年の本屋大賞を受賞した作品。こちらも映画化をされている。

別に私は映画原作作品を推したいわけではない。純粋に、疲れた心に効く作品を紹介しているだけである。

 

『舟を編む』は辞書を作る人々を優しい筆で描いた、ハートウォーミングな物語である。で、これがなかなか効く。出てくるキャラがとにかく全員気持ちが良い。

気持ちの良い人ばかりなんて、我々の普段の生活ではちょっと考えられない状況だとは思う。そんな上手い話があるか、と言いたくなる人もいることだろう。

でもだからこそ、フィクションとしての価値があると思うのだ。人を癒やす力が生まれるのだ。

ディズニーランドが現実感を徹底して排除している理由がそこにある。

 

 

③アイネクライネナハトムジーク

超優秀ミステリー作家、伊坂幸太郎による素敵な恋愛連作短編集。

「恋愛ものには興味がない」と作者が語ってしまっている通り、一風変わった恋愛小説に仕上がっている。でも私はこの作品が大好きだ。

作者というのは物語において神そのものである。物語をどんなふうに展開するも神様の気分次第。やりたい放題なのだ。

で、超優秀なミステリー作家がやりたい放題で恋愛小説を書くと、どうなるだろうか?

 

これは登場人物と読者に贈る、伊坂幸太郎からのプレゼントである。 

魔法の筆から生み出される爽やかな奇跡を目撃せよ。思わずニヤけちゃうこと必至。

 

 

④明日の記憶

はい出ました。直木賞作家の最高傑作。これは必読。

若年性アルツハイマー病を扱った作品なのだが、これがもう…言葉にするのもおこがましいほど、素晴らしい出来なのだ。

元々から私は荻原浩の作品にメロメロだったけど、こちらの『明日の記憶』で完全に止めを刺された。本当に、言葉にするのが難しいほど好き。狂おしいほど好き。

 

病気をテーマにしているので、そうそう簡単に「感動作!」とか「号泣した!」みたいな安っぽい紹介の仕方はできない。結構重い作品だし。

でも絶対に損はさせないので、ぜひとも私のことを信用して手にとっていただきたいと思う。 

 

 

⑤穴

森絵都が「今まで読んだ本の中でも最高傑作」と豪語するルイス・サッカーの『穴』である。

こちらは一応児童文学の範疇に入ると思うのだが、大人が読んでも全然OK。というか大人が読んだ方が色々と深く楽しめると思う。

ちょっと不可思議な世界観だが、一生懸命戦う子どもたちの姿には思わず、普段の自分たちの姿を重ねてしまうはず。

隠れた名作といえばこれだろう。 

 

 

⑥有頂天家族

森見登美彦といえばもっと有名な作品があるが、私のイチオシはこちらの『有頂天家族』である。

基本的には笑える作品。でもそれだけでは終わらないのが本作の魅力だ。

主人公の狸たちはどれだけ化ける能力があったところで、狸は狸。天狗や性悪タヌキに、運命にと、翻弄されまくりである。それでも健気に、楽しんで生きる姿は、妙な爽快さを生み出す。狸最高!と読みながら叫ぶことだろう。そんな稀有な体験ができる作品である。もちろんこれは言い過ぎだ。

 

何よりも見どころは狸たちの毛深すぎる家族愛である。悔しいけどホロリとさせられるはず。 

 

とってもキュートでエンターテイメントな、他に類を見ない狸活劇である。ご覧あれ。

 

 

⑦モモ

天才児童作家ミヒャエル・エンデの作品である。

こちらも児童書とは言いつつも、完全に大人向け。大人が読まずして誰が読む、という内容である。

作品の主人子は謎の少女“モモ”。彼女には誰にもない、でも誰にでもできるはずの特別な力がある。それは「人の話を黙って聞く」ということ。

モモに話を聞いてもらった人は心が軽くなり、悩みも吹き飛ぶ。

 

そんなモモと周囲の人間の目の前に現れるのが、“時間どろぼう”である。

時間どろぼうはあらゆる甘言を弄して他人の時間を奪う。例えばこんな具合に。「必死に仕事をすれば、もっといい生活ができますよ」。 

 

大人の心に刺さるなかなか強烈な物語である。

そしてそんな皮肉さを持ちつつも、美しい描写に溢れ、他では味わえない不思議な読後感をもたらす。

「やらなきゃ」に取り憑かれた現代の我々こそが読むべき物語だろう。

 

 

⑧くちびるに歌を

乙一の別名義“中田永一”による青春小説である。

思えばこちらも映画化されている。やっぱり映画の原作を見つけてくる人ってのは、面白い小説にも精通しているのだなぁ、と改めて思い知る次第。プロの仕事ですな。

 

アンジェラ・アキの楽曲『手紙 ~拝啓 十五の君へ~』をモチーフに使用し、合唱に懸ける少年少女の揺れ動く心の動きを描いている。

この作品の目玉は、何と言っても主人公たちの手による“手紙”である。

将来の自分に向けて書かれた手紙なのだが、そこにはそれぞれが抱える思いが(自分しか読まないので)赤裸々に語られており、胸が締め付けられる。あぁ、自分にもこんな時期があったなぁ…と。

 

また、乙一らしい展開も用意してあって、ただの青春物語で終わっていないのが小憎らしい。

つまり最高な作品であるということ。

 

ちなみに映画の美人教師役は、我らがガッキーこと新垣結衣である。配役がズルい。 

 

 

⑨とんび

ザ・家族愛。

これほどド正面から感動でぶん殴ってくる作品も珍しいだろう。泣きたきゃ読め、という感じだ。あのホリエモンも大絶賛するぐらいだ。と、自分で書いておいてなんだが、ホリエモンが大絶賛したからなんなんだ。感動審査員とかでもないし。

 

不器用な父親と息子の物語なんだけど、もうね…。いや、いいだろう。この作品にも余計な言葉はいらないはずだ。読めば分かる。読まねば分からぬ。というのは当たり前の話すぎて言われなくても分かることだ。

 

本当にボロボロ泣けるので、電車の中とかで読むのは絶対にオススメしない。メイクもしっかり落としてから臨むべし。 

 

 

以上、珠玉の9作品。存分に楽しんでくれ。

 

 

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