俺だってヒーローになりてえよ

何が足りないかって、あれだよあれ。何が足りないか分かる能力。

【レア度別に紹介】有名じゃないけど超面白い映画248本

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~ この記事の概要 ~

・面白い映画を観たいけど、自分で探すのは面倒という方にオススメ

・年間200本以上観る映画マニアが「有名じゃないけどめちゃくちゃ面白い映画」を選抜

・作品をレア度別に紹介しているので、「映画好き」を自称している方は、どこまで付いていけるか試してみては?

 

↓以下本文

 

映画の変態 

私は職場で100人を超える部下を抱えているのだが、その中に変態がいる。

いや、別に職場で全裸になったり、女子社員の湯呑みを飲め回したりするような類の変態ではない。それは犯罪者である。

 

彼は生粋の映画変態である

年間200本以上観るというのだから驚きだ。正直そこまで来ると、気持ち悪いぐらいである。

私はそれなりに映画好きではあるが、人様に自慢できるほどのマニアではない。

しかし変態くんは確実に日本でも有数のマニアである。なんでも彼の話によると、映画監督たちの飲み会に潜入したりとかしているらしい…。

 

ただそんな気持ち悪い彼だが、それだけ映画を見まくっているだけあり、数多くの隠れた“面白い映画”を知っていて、このブログでも何度かお世話になっている。最近じゃ、部下というよりもビジネスパートナーになりつつある。ほんと変態さまさまである。

 

orehero.hateblo.jp

 

価値ある映画まとめ記事を

そんな変態くんに今回かなりの無茶振りをしてみた。

私がした無茶振りとはこれ。

 

「誰も知らないけどクソ面白い映画を全部教えて」

 

 

私がこのような司令を出したのには理由がある。

ネットで面白い映画を探そうとすると、腐るほど面白い映画のまとめ記事が出てくる。

しかし、その中身を観ると大抵はどこかで出ている名前だったり、鉄板作品だったりする。悪いが似たり寄ったりだ。

 

私は思う。

 

もうそういうの、ウンザリです…。

 

 

有名な作品が面白いのなんてのは分かりきっていることであり、私が知りたいのは、情報として価値があるのはそんなことではないのだ。

もっと意外な作品を。そして未知なる愉しみを私に教えてもらいたい。

 

ということで、誰もが知っている名作ではなく、誰も知らない隠れた名作を変態くんに集めてもらうことにした。

 

そして完成したのが今回の記事である。

 

変態くんからの挑戦状

変態くんに司令を出してから1ヶ月。こうして記事としてまとめるまでに至った。

 

さて、変態くんに全部吐き出してもらったのはいいが、呆れるぐらいの情報量になってしまった。年中映画を見ているだけあり、出てきた数がやばい。

なんとその数248本

全部観ようと思ったら、ざっと500時間は余裕でかかる。観ている間に死ねる数字である。

 

更にはこの膨大な作品群を「レア度」別に分類してきやがった。

 

「せっかくみんなが知らないような映画をまとめたので、ちょっとやってみました…」

 

とのこと。

 

つまりこれは全国の映画好きへの、我が変態くんからの挑戦状である

きっと彼はこう思っているはずだ。「どこまで私に付いてこれるかな…」と。

もう気持ち悪いとしか言いようがない。

 

分類内容 

変態くんによる映画の分類は以下のようになっている。

 

A…世間では無名だが、映画好きであれば知ってて当然の作品

 

B…映画マニアが語り出すレベルの作品たち。まだまだ初級。

 

C…レア度はかなりあるが、監督や出演者の名前が有名なので知っていてもおかしくない。

 

D…相当ディープな作品。映画の情報を常に仕入れているような人なら知っているかも。

 

E…たまたま手にして見つけた最強のレア作品。これを観ればあなたも変態の仲間入り!

 

このような不愉快極まりない分類になっている。

しかしながら、世に出回りまくっている有名な映画に見飽きた方にとっては、非常に有用な記事になることだろう。作品の面白さは変態くんの折り紙つきである。

 

では、深遠なる映画の世界へと貴方を誘おうじゃないか。

 

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A わりと有名だと思う

まずは、この記事の中でもかなり有名な部類の作品を紹介しよう。ここら辺の作品は常識として観ておくべきである。

 

1.  6才のボクが、大人になるまで。

 

12年間に渡って同じ俳優陣を使い続け、12年間撮影をしたという作り手の狂気を感じる映画。

内容はオバマ元大統領が絶賛したというだけあり、素晴らしい家族ドラマとなっている。手間をかけているだけあり、完成度(説得力)が半端じゃない。

 

2.  her/世界でひとつの彼女

 

AIに恋をしてしまうという、もう現実になりつつある題材をテーマにした作品。

どんどん転がっていくストーリーは予測不可能で非常に見もの。

 

結構ドギツい描写があるので子供と観るときはご注意を。 

 

3. LEGOムービー

全てがレゴで表現されている異色の映画だが、これが文句なしの名作!作り手の信念が最高の形で表現されている。

イロモノだったり子供向けだったりと思われがちだが、これだけ純粋に楽しめる映画はそうそうないだろう。

騙されたと思ってぜひ。


4. アメリカン・ハッスル

隠れたコンゲーム(詐欺師)映画。今まで見てきた限り、詐欺師をテーマに据えた作品にはハズレがなし。一癖も二癖もある頭脳戦は、なかなか痺れまっせ

 

クリスチャン・ベールが腹ダブダブの親父に扮しているのも一見の価値あり。

 

5. イミテーションゲーム

ドイツ軍最強と呼ばれた暗号“エニグマ”を解読した男の数奇な運命を映画化した作品。もちろん実話を元にしている。

天才というと華々しいイメージがあるが、この作品では戦争の残酷さと共に苦しみに満ちた姿を描いている。

 

数学モノと敬遠せずに、純粋なヒューマンドラマとして楽しんでほしい。もちろん戦争の悲惨さを知るためにも役立つ作品である。

 

6. グランド・イリュージョン

最強のマジシャン集団がロサンゼルスで演目を行ないながら、パリの銀行からお金を盗むという奇想天外なお話。

スカッと騙されたいのであればうってつけの作品。ネタバレの宝庫なので、できるだけレビューとかは読まないでいてほしい。せっかくの面白い映画が台無しになってしまう。

 

7. グランド・イリュージョン 見破られたトリック

ということで、傑作映画の続編。こちらも2時間たっぷり最高に楽しめる内容となっている。これぞエンタメ!

一作目が伏線になっている部分があるので、こちらから観るのはオススメできませんのであしからず。

 

それにしてもエンタメ作品とマジシャンの相性の良さよ。 

 

8. グランド・ブタペスト・ホテル

 

個人的に大好物な群像ミステリー。

常連客をめぐる殺人事件と遺産争いをめぐり、ホテルの威信のためにホテルの従業員がヨーロッパ中を駆け巡り事件解明に奔走するというお話。

なかなか内容を説明するのが難しいが、映画の面白い部分をオシャレに抽出したような作品である。

 

コメディの要素もあれば、感動できる部分もあり、美味しい所がたくさん。

 

9. コードネームU.N.C.L.E

 

スパイの歴史的禁じ手「ロシアとアメリカのスパイが手を組む」というめちゃくちゃ面白そうな設定の作品。もちろん看板負けはしていない最高の作品である。

お互いに貶し合いつつもなんだかんだと仕事を進める感じは、思わずこちらがニヤニヤしてしまう。

 

この設定を思いついた時点で、面白い映画になることは決まっていたのかも。

 

10. セッション

 

超話題作となった『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼル監督の初監督作品。

名門音大に入学したどうしようもないドラマーと、伝説の鬼教師の狂気のレッスンの果てにある“セッション”を描いた作品。

クズ×クズが織りなすぶつかり合いは熱量が半端じゃなく、観ている方が圧倒されるぐらい。そして演奏シーンの緊張感も凄まじい。観ている方だってキツくなるぐらいなのだから、間違いなく演者の寿命は縮んでいると思う。それくらいの演技。

 

何かに夢中で取り組んだ経験がある人にも、そうでない人にも観てほしい、ある種“完璧”な映画

 

11. バタフライ・エフェクト

 

“ブラジルの1匹の蝶の羽ばたきはテキサスで竜巻を引き起こすか?”というカオス理論における命題をタイトルに据えた作品。

タイトルの通り、主人公の行動のひとつひとつが物語に強力に作用し、抗いがたい運命へと彼を連れて行ってしまう。

 

タイムリープものが好きな人には超オススメの作品。

あのラストにはきっと唸るはず。

 

12. フォックスキャッチャー

 

大財閥の御曹司より破格のオファーを受けた主人公が、ソウルオリンピックでレスリング金メダルを目指すことになるが、次第に御曹司の狂気を目の当たりにしていくことにー。

こちらも実話を元にした作品。画面越しに伝わる臨場感はまるで現場に自分がいるかのようで、心臓を持っていかれるようなエネルギーを有した作品である。

 

事実は小説よりも奇なり、とはよく言ったものである。そして監督の手腕にも賛辞を送りたい。

 

13. ブルックリン

 

移民の女性が次第に素敵なニューヨーカーに成長していく姿を丁寧に、そして切なさを孕みながら描いた作品。

女子が素敵になっていく姿はとても美しいのだが、それは過去の自分との決別でもあり、哀愁を伴っている。

 

人間ってのは環境に染まるんだと改めて思った作品である。

 

14. ヘイトフルエイト

 

舞台は山の上のロッジ、登場人物はワケありの7人の男と1人の女。人種も境遇もバラバラの8人、わかっているのは全員が嘘をついているということだけ。犯人は? 動機は? 8人の本当の関係とは?

 

みんなが大好きな閉鎖空間もの。こういうのは内容をまったく知らないで観るのが一番。最高の頭脳戦を一緒に楽しみましょう

 

15. マネーショート

 

サブプライムローン危機を事前に察知し、史上空前の“空売り”をすることで、世界がパニックになる中、大金を手にした4人のアウトサイダーを描いた作品。こちらも実話を元にしている。

金融ものなので知らないとちょっと分かりにくい部分はあるものの、小難しいことはささっと飛ばしたりしてくれているので、エンタメとして十分に楽しめる。

 

サブプライムローンの実態を知りたい人には、超オススメの作品。

 

16. マネーモンスター

ジョージ・クルーニーが司会を務める高視聴率財テク番組が、拳銃を持った男によって占拠される。その事件の裏側にある驚愕の真実とはー。

スリリングな展開は圧巻の一言だが、それよりもこんな作品なのになんと監督は女性。というかあのジョディ・フォスターである。

女優業だけでなく、監督としての腕も間違いなく一流だと見せつけられた次第。

 

17. リリーのすべて 

妻に女性モデルの代役を頼まれたことをきっかけに、自らの性別違和に気付いてしまった主人公の苦悩を描く。

主人公が気持ち悪いとか感想を書いている人がいてとても残念。そこにこそこの作品の価値があるのに。

人は他人だけではなく、自分でさえも見た目で判断してしまう。でも人間の中で見た目というのはあくまでも一部分でしかない。そして本質でもない。

 

苦悩の果てに迎えるラストシーンでは、確実に涙することだろう

 

18. キャロル

 

美しすぎる女性同士の恋愛を描いた映画。

とにかくもう女優2人のラブシーンがエロ美しすぎる…!最高!

そういう趣味は全然なかったけど、こんなの魅せられたらそりゃ傾いちゃうよ。そっちの方に。

 

誰かがレビューで書いていた「観ていて溶けそう…」という感想はこの作品をよく表している。

 

19. クリムゾン・ピーク

 

クリムゾン・ピークと呼ばれる豪邸で巻き起こる、謎と恐怖のストーリーを、雰囲気たっぷりのビジュアルが彩る作品。

あまりにも完璧に構築された世界観は、まるでアトラクションのよう。変態的なまでに作り込まれた美術は、それだけで見る価値あり

 

20. パシフィック・リム

面白すぎる映画を観たければこれで決まり。ロボットものだけど、そんなの気にせずに楽しんでもらいたい。

迫力満点の戦闘シーンは何度も観たくなるほどの中毒性を備えているので、ご視聴はくれぐれもほどほどにしましょう。

 

21. パンズ・ラビリンス

 

素敵な感じの画像に騙される率100%。期待の斜め上を行く超絶ダークファンタジー作品。

作り込まれたダークさは少々トラウマもの。子供が観たら確実に一人でトイレに行けなくなると思う。

それだけに観た人の心に強烈な印象を残す作品である。原題の『pan's labyrinth』で検索すると、その破壊力の一端を垣間見れるかも。

 

B 少し映画好きなら知ってる?

ここからは少しディープな作品を紹介。

みんなが大好きな『ショーシャンク』とか『羊たちの』とか『バック・トゥ・ザ』みたいな言葉とは、全く違う世界に位置する作品たちである。

では行ってみよう。

 

22. アバウト・タイム 愛おしい時間について

たまにあるのだが、パッケージを見ただけで「良作だな」と感じられる作品である。このシーンが素晴らしいものであるのは、誰が見ても明らかだろう。喜ぶ人と雨の組み合わせはショーシャンk…いやいや、なんでもない。

ありがちなタイムリープをテーマにした作品だが、これがどストレートに素敵な物語に仕上がっている。

恋人や夫婦で観ると幸せな気持ちになるだろう。

 

23. ヴァージン・スーサイズ

何不自由なく暮らす美しい5人姉妹の末娘が自殺を図り、その死から1年も経たないうちに、残りの姉妹もすべて自殺してしまう。

少女たちの儚さが余計にその美しさを引き立てていて、強烈な印象を残す作品。

大人が観ると、悩みに取り憑かれていた若い頃を思い出してしまうんじゃないだろうか。

 

24. エージェント・ウルトラ

冴えないコンビニバイトが実は最強のCIA諜報員だったというお話。

ぶっ飛んだ設定の通りかなりふざけた作品だが、主人公がけっこう苦しみながら闘う様子は可哀想になったりするから、結果的にはよく分からない気持ちにさせられる。

全然強くない人が実は強い、という設定に弱い人にオススメの作品。スカッとしますぜ。

 

25. エクス・マキナ

アカデミー賞で視覚効果賞を受賞した未知の映像美を体感させてくれる作品。

AIと人間の主従関係をめぐる心理戦を基盤として、予測不可能なストーリーが繰り広げられる。

 

これこそBlu-rayで観てほしい作品。できるだけ大きな画面でお願いします。

 

26. エンド・オブ・ホワイトハウス

北朝鮮工作員がホワイトハウス占拠というとってもタイムリーなストーリーの作品。

あらすじを読めば分かる通り、手に汗握って、ドッカンドッカンやって、スカッと楽しませてくれる。頭空っぽで楽しめる映画ってのはやっぱこれだよなぁ、といった感じ。

強すぎる主人公が堪らない人にオススメ

 

27. エンド・オブ・キングダム

ということで続編も紹介。こちらも遜色ないクオリティなので、ホワイトハウスの方が気に入った方はぜひ!

それにしても主人公の無敵っぷりが堪らない。 

 

28. 奇人たちの晩餐会

冴えないオッサンをわざわざパッケージに使っているのは、「外見で勝負せずに中身で勝負」という意気込みの表れ。つまり名作の証である。

数あるコメディ映画の中でも出色の出来。フランス映画らしい気の利いた脚本は、観客を最高の笑いを提供してくれる。

 

絶対に気にいるから、騙されたと思って観てほしい。

 

29. キック・アス

正義のヒーローに憧れる主人公が、ネットで買ったスーツとマスクを装着し、街へ繰り出すものの、普通の学生でしかない彼は悪者にボコボコにされてしまう。だけどその勇敢な行動がネットで話題になって…?

 

これ大好き。

 

何が良いって、普通の人間が主人公ってのは良い。感情移入しまくり。心持っていかれすぎ。

 

最高のラストシーンで完全にやられました…。全人類に観てほしい超面白い映画

 

30. キック・アス ジャスティス・フォーエバー

こちらも続編があるので紹介。前作の感動のラストを観てしまったら、これを観ないわけにはいかないでしょ!

キレの良いアクションと口汚い言葉の連打に溺れてほしい。

 

31. ザ・コンサルタント

田舎町のしがない会計士クリスチャン・ウルフには、世界中の危険人物の裏帳簿を仕切り、年収10億円を稼ぎ出す命中率100%のスナイパーというもう一つの顔があった。

アクション映画的なのを想像されるかもしれないが、実際は伏線バリバリの練りに練られた脚本が素晴らしい作品である。

パズルのようにカチカチとハマっていく物語は、ミステリー好きな人には堪らないだろう。

 

32. 砂上の法廷

 

大物弁護士の容疑者として逮捕されたのは被害者のまだ10代の息子。黙秘を続ける少年と、嘘で固められた裁判の熱い戦いを描いた作品。

裁判映画なので、論理を積み上げてお互いにぶつけ合うさまを思う存分楽しめる。

隙のないストーリーをじっくりと、そして熱くなりながら味わってほしい。

 

33. さよなら歌舞伎町

 

新宿・歌舞伎町のラブホテルを舞台に、身も心もむき出しになった男女5組の人生が複雑に絡み合う群像劇。

それぞれのエピソードが丹念に作り込まれていて、感情移入度が半端ではない。思わずほろりとしてしまうことも。

そして何よりもラブホテルを舞台にしているだけあり、女優さんたちの体当たり演技が素晴らしい!最高!(下心)

そもそも染谷将太が出ていて面白い映画にならないわけがないだろう。

 

34. ジョン・ウィック

 

裏稼業から足を洗っていた伝説の殺し屋“ジョン・ウィック”が、愛する者をマフィアに殺されたことをきっかけに、復讐心丸出しで再び殺し屋へと変貌する話。

キアヌ・リーブスのかっこよさはもちろんのこと、多彩すぎる殺しの手法が観ていて面白すぎる!

よくあるオレツエー系の作品なのだが、やけに面白くて印象に残った。

 

ちなみに地味にファンがいるのか、無事に続編も製作されました。

 

35. チャッピー

 

世界で唯一の“感じ、考え、成長する”AI(人工知能)を搭載したロボットが誕生。そんんな彼が余命5日間という限られた時間の中で、必死に生きようとする姿を描いた。

このあらすじを観ただけで切ない物語になるのは伝わると思う。

でもそれだけではなくて、随所に笑える部分もあり、そして泣ける部分もありで、たっぷり楽しめる作品。

 

ロボットの方が人間よりも人間らしいという皮肉が効いているのも、また良し。

 

36. ディストラクション・ベイビーズ

 

何の理由もなくただたたひたすらに他人に暴力を振るい、そして自分も傷つく。そんな愚行の繰り返しの果てに少年たちがたどり着いた先にはー。

豪華俳優陣が気持ちの良いほどクズを演じてくれる作品。バイオレンスな描写とか、何の罪もない一般人が殴られたりするシーンがあって、余計なことを考えてしまう人には、ちょっとキツイかも。

でもそれだけに他の作品とは一括りにできない作品に仕上がっている。

 

それにしても、柳楽優弥にしても菅田将暉にしても、本当に優秀な役者なんだな。

 

37. ナイトクローラー

 

事件や事故現場に急行して捉えた映像をテレビ局に売る報道パパラッチとなった男が、刺激的な映像を求めるあまりに常軌を逸していくー。

ワイドショーに代表されるように、大衆は人の秘密が大好きで、そこには「報道の自由」と「倫理」の戦いがある。欲望と理性とも言いかえられるかもしれない。

リアルなストーリーはまるで現実にあった物語を映画化したかのよう。

 

こういう映画を見るたびに、人間ってのは本当に怖いなと思わされる。

 

38. ヒメアノ~ル

 

『行け!稲中卓球部』でおなじみの古谷実原作のマンガを実写映画化した作品。

マンガ原作の映画は本当に失敗作ばかりだけれども、この作品は監督が優秀だったおかげか、素晴らしい出来になっている。基本的には原作の流れを踏襲しつつも、映画作品として新たな価値を提供してくれていることが特に素晴らしい。シーンの見せ方など、原作を超えている部分も多々あった。

 

そして、白眉なのは森田を演じるV6森田剛である。

軽薄なイメージがあったけど、これを観て彼の高感度が一気に上がってしまった。役者ってのは目の前の仕事に本気になるからこそ、価値があるのだと理解させられた。

 

39. ピンクとグレー

 

人気俳優である親友が死んだことで、一躍時の人となった主人公。手に入れた成功と、親友への罪悪感の間で揺れ動きながら、親友の死の真相を追い求めるー。

まずキャッチコピーが秀逸。

幕開けから62分後の衝撃!
ピンクからグレーに“世界が変わる仕掛け"に、あなたは心奪われる―。

ジャニーズが原作という異色作だが、ストーリーの出来はゴーストライターを疑ってしまうほど。スターってのは何をやらせても華がありますな。

 

40. ブレア・ウィッチ・プロジェクト

 

1994年、大学の映画学科に所属する生徒がドキュメンタリー映画製作のために“ブレア・ウィッチ”伝説の残る森へと向かったきり、消息を絶った。手掛かりが発見されないままやがて捜索は打ち切られる。しかし事件から1年後、彼らが撮影したものと思われるフィルムとビデオが森の中で発見されたのだった…。

 

というそのビデオの内容がそのまま映画作品になっているのだが、これがもう恐ろしいまでの臨場感で、観ていて息が苦しくなるほど。ひとりで観るのは怖すぎるかも。

 

この撮影方法のおかげでとんでもない低予算で作られたそうだけど、世界中でヒットを飛ばした。これはもうまさにアイデアの勝利。

 

41. リベリオン

 

第三次大戦後の世界。感情犯罪取締官のプレストンは、国家のために忠実に任務を遂行していったが、反乱者メアリーの逮捕をきっかけに、感情を取り締ることに疑問を抱き始めるー。

劇中で使われるオリジナル格闘技ガン=カタのかっこよさが異常。映画史を覆すほどの破壊力を持っている。今までのガンアクションもかっこよかったけど、ガン=カタは新たな地平を切り開いた感じ。

 

純粋のアクションだけを楽しめる作品。

 

42. サウルの息子

 

強制収容所に送り込まれたユダヤ人たちがたどる壮絶な宿命に迫る感動作。仲間たちの死体処理を請け負う主人公が、息子と思われる少年をユダヤ人としてきちんと葬るために収容所内を駆けずり回る2日間を追った作品。

 

重く、ただひたすらに重く、そして希望を感じたいと切に願わずにはいられなくなる。

これもまた人間の愚かさを描いた作品だが、それこそが人間の姿だと思うとやるせない気持ちになる。

映像技術とメッセージ性の融合という意味では、他に類を見ない傑作である。

というか、この作品を評価できない人なんているのか?

 

43. ディーパンの闘い

 

内戦中のスリランカからフランスにたどり着いた他人同士の3人が、偽装家族として見知らぬ土地で新しい第一歩を踏み出す姿を丁寧に描く。

フランス映画ということもあり、落ち着いた作品なのかと気を抜いていると、畳み掛けるラストで圧倒される

一度は戦いから身を引いたディーパンが、再び愛する者のために戦いに身を染めてしまう姿には、深い悲しみを覚えずにはいられない。

 

44. 雪の轍

 

世界遺産カッパドキアを舞台に、ホテルのオーナーで元舞台俳優の主人公と美しい若妻との生活、出戻りの妹との愛憎、家賃を滞納する聖職者一家とのいざこざを描く。

とにかく面倒くさい人達ばかりが登場する会話劇。

パルムドールを受賞したのは伊達じゃなく、色んな角度から楽しめる作品である。

カッパドキアという異郷を舞台にした理由は、最後まで観てもらえれば分かるだろう。

 

45. アデル、ブルーは熱い色

 

カンヌ映画祭の最高賞であるパルムドールは本来作品賞なのだが、史上初めて主演女優にも贈られたという逸話のある作品。

それだけに主演2人の演技は最高のものに仕上がっており、レズビアンの純愛を繊細に、そしてエロス全開で披露してくれている。

 

46. フレンチアルプスで起きたこと

 

本来であれば、家族の危機には身を挺して守らなければならないはずのパパが、目の前の雪崩に思わず家族をほっぽり出して逃げてしまう。パパへの不信感を丸出しにする子供たち、そして執拗に攻め続ける妻。家族はどうなってしまうのかー。

気まずい感じを最高に楽しめるコメディである。

第三者として観れば笑える。でも自分の身に置き換えると笑えない。どんな人間も結局は動物である。危機を感じれば、真っ先に自分の命を守ろうとするものだ。

痛恨の大失敗をしてしまったパパの見苦しい姿を笑ってあげてほしい。 

 

47. 白い沈黙

 

8年前に消息を絶った娘の生存を示す証拠が、突如として次々に現れる。戸惑いながらも娘との再開を望む主人公に突き付けられた真実とは。

超一級のサスペンス映画である。 

サスペンス系ではお馴染みの手法である「時系列いじり」など、観客を惑わす趣向がこらされている。

 

謎を楽しみたい方にはうってつけの作品だろう。画面に食らいついてほしい。

 

48. お嬢さん

 

「このミステリーがすごい! 」で第1位となった、サラ・ウォーターズの小説「荊の城」を原案にしたサスペンス。 これが面白くないはずがない。

みんな韓国映画の面白さを知らなさすぎる。今の韓国には天才と呼ぶに相応しい監督がたくさんいて、今作でメガホンを取っているパク・チャヌクをその代表格。

日本でも朝鮮でもないこの作品の不思議な世界観に触れれば、納得してくれるはずだ。

 

49. イノセント・ガーデン

父親を失った娘の元に長らく消息を絶っていた叔父が現れてから、身の回りで不気味な出来事が次々と起こり始める。

謎に満ちた展開と映像美に溢れた作品である。 

「18歳の抑えきれない欲望」という強烈なキャッチコピーが使われているが、その象徴のようなピアノの連弾シーンは作中屈指の名場面。得体の知れないエロスを感じてほしい。

 

50. 親切なクムジャさん

天使のように美しい容貌をもったクムジャさんが、悪魔のように冷徹に復讐を果たす、という作品。

主演のイ・ヨンエの美貌があればこそ成り立つ映画かもしれない。復讐が完結したときの彼女の表情は、色々な感情を表しすぎていて、とてもじゃないが私の筆では表現できない。とにかく“凄まじい”表情を見せてくれる。あれだけでもこの作品を観る価値があったと思わされる。

 

観るのには少々覚悟とエネルギーが必要になる作品である。 

 

51. オールド・ボーイ

クエンティン・タランティーノも絶賛したという、良いのか悪いのか分からない触れ込みで話題の作品。韓国映画の人気を決定づけたパイオニア的な存在でもある。

理由も知らされずに15年間も監禁された男の数奇な運命を描いた作品。

謎の真相の残酷さには、思わず画面の前で「あぁ…」と溜息をついてしまうほどだった。 

 

52. 復讐者に憐れみを

「正しい理由のための誘拐なら犯罪ではない」

その言葉を信じ、復讐のために立ち上がった男のあまりにも悲しく苦しい物語

全編を通して休む暇をまったく与えず、全力の限りを尽くして観客を翻弄することに特化している。作品に振り回される体験ってのはなかなかできるもんじゃない。 

 

観終わったあとは脱力感でしばらく動けなくなるかも。

 

53. ボーダーライン

巨悪化するメキシコ麻薬カルテルを殲滅すべく、特別部隊にリクルートされたエリートFBI捜査官が、現地の実態を知るにつれて、善悪のボーダーラインを次第に失っていく。

カルテルをテーマにすると名作が生まれる。言葉は悪いけど、それくらい“面白い”テーマ。

メキシコの麻薬戦争について知らない人は、ぜひこの作品を観て知ってもらいたい。

 

…という説明だけで終わりにしたい所だが、実はもうひとつ、この映画にはある仕掛けが存在する。まさにそれはカルテルを扱った作品ならではの…。

 

54. 複製された男

至って普通の日々を送ってきた教師が、ある映画に自分と酷似した男が出ているのを見つけたことから思わぬ運命をたどっていくー。 

世にも奇妙な物語でありそうな秀逸なドッペルゲンガー・ミステリー。

ノーベル文学賞受賞作家が原作とあり、非常に難易度の高い作品でもある。

監督自身も「観る人によって解釈が異なる」と語っており、ちゃんとした正解を求める人にはあまりオススメできない作品。

 

不思議な映画を観たい、未知なる愉しみを味わい人にはオススメである。

 

55. プリズナーズ

ごくごく平凡な父親が愛娘の失踪という最悪の事態に直面して、迷い葛藤し、そして狂気に囚われていく。主演のヒュー・ジャックマンが「胸の張り裂けるような映画だ」と語っているとおりの強烈な作品。 

何が凄いって、凄まじいまでの伏線の張り方。もちろんネタバレになるので、詳しいことは書かないけど、ここまでよくできたサスペンス作品はお目にかかれない。

 

騙されたと思ってみてほしい。綺麗に騙されるから。

 

56. 灼熱の魂

母の深い愛が心を揺さぶるヒューマンミステリー。

謎解きもあれば、重すぎるヒューマンドラマとしての要素もあり、観客に消化不良を起こさせるほど

憎しみと許し。非常に考えさせられるテーマに観客を巻き込む手腕はさすがの一言。

 

それにしても強烈な作品である。 

 

57. 哀しき獣

300日間に及ぶ撮影を敢行したという超偏執的監督が生み出したバイオレンス映画の傑作。

暴力シーンばかりで出てくるやつは人間のクズみたいなのばかりなのに、信じられないぐらい魅力的。こちらの背徳感を煽り、確実に倫理観を破壊してくる作品である。

 

何度も観たくなるのは、やはり作品が持つ力によるものか。

 

58. チェイサー

10ヶ月に21人を殺害し、アジア全土を揺るがした実在のユ・ヨンチョル事件を基に衝撃の映画化。

こんなに面白い映画は世界を見渡してもそうそうない。期待を大きく裏切ってくれる作品である。当然良い方向に、という意味で。

 

日本映画を貶すわけじゃないけど、こんなの作られたら素直に「韓国映画の方が優秀かも…」と思わずにはいられない。 

 

59. 哭声/コクソン

2016年3月に公開されたばかりの作品。我らが國村隼が韓国の映画賞を蹂躙しまくった作品でもある。 

2時間を通して観客に息つく暇を与えず、たえず緊張状態を強いるストーリー。

どうかその日、1日を捧げるぐらいのつもりで観てもらいたい。他では味わえない映画体験がここにある。

 

60. 海にかかる霧

不況に苦しむ韓国の漁村。金に困った船長は愛する船を守るため中国からの不法移民の輸送を引きうける。そして決行した彼らを待つのは、狂気に満ちた人間の姿だった…。

 

人間の醜さを全部船上に乗っけてきた作品。極限下の人間とはかくもこんなにも醜くなってしまうのかと絶望感に打ちのめされる。

 

韓国版タイタニックと言っている人がいたけど、まさに、である。

 

61. スノーピアサー

新たな氷河期が到来した地球を列車でさまよう数少ない人類の生き残りが、支配層と被支配層に分かれて車内で壮絶な戦いを繰り広げていく様子を描いた作品。 

貧困層で暮らしていた主人公が反乱を起こして、車両をひとつひとつクリアーしていくのだが、これがゲームのステージみたいで面白い

最後にはちょっとした驚きも用意してあり、作り手の「とにかく観客を楽しませよう」という意気込みが感じられた。

 

62. グエムル 漢江の怪物

韓国の都市ハンガンに突如出現した怪物を巡る事件に肉迫するパニック映画。怪物に娘を奪われた一家の奮闘を描く。 

パニックものである。とにかく色々と熱くて最高である。

荒唐無稽なストーリーも、所々に散りばめられたブラックな笑いも、全部ひっくるめて「面白え…!」となる作品。

 

63. 殺人の追憶

実際に起きた未解決連続殺人事件をテーマにしたサスペンスで、韓国ではなんと500万人以上の観客を動員したという怪物的作品。

練りに練られた至高のストーリー展開と、緊迫感に溢れて映像で大満足させてもらえること間違いなし。

韓国映画史上最高傑作との呼び声高く、死ぬまでに絶対に一度は観てほしい作品である。

 

64. サンドラの週末

従業員のボーナス支給のため上司から解雇を言い渡された女性が自身の解雇撤回のため奮闘する姿を描いた作品。

力ない者が自分にできることを必死にやる姿には、思わず自分自身の姿を重ね合わせてしまう。

きっと誰もが何者でもなくて、サンドラのような強い生き方はできないかもしれない。

 

でもそれと同時に、誰もが勇気を出すことの素晴らしさを知っていて、憧れもしているんじゃないだろうか。

 

65. 少年と自転車

父親に捨てられ、心を閉ざした少年が一人の女性と出会うことにより、傷ついた心を少しずつ開きつつ成長していく姿をとらえる。

色々と考えさせられてしまう上質な映画

良い作品というのは、観客の生活にまで影響を及ぼしてくる。ふとした時に映画のワンシーンを思い出したりして、自分の姿を省みたりしてしまう。

 

成長とは何か。愛することの難しさ、そして素晴らしさを教えてくれる作品である。 

 

66. ある子供

ある大人になりきれない青年の愚かで、でも切ない生き方を美しく切り取った作品。

シンプルなストーリーに、シンプルな演出なのにも関わらず、なぜこんなにも胸を打つのだろうか

 

感性というやつは理解を簡単に上回る。この作品を理解することはできずとも、ラストシーンを観た後に訪れる感動は、私に傑作であることを教えてくれている。 

 

67. 息子のまなざし

息子の命を奪った加害者の少年と被害者の父の魂の交流をリアルに描いた感動作。 

『ある子供』同様、説明的描写はほとんどなし。とっても不親切な作品だが、だからこそ観客は作品にのめり込むことになる。そしてだからこそ、深い感動を味わえる。

 

ラストのぶっきらぼうさも勿論監督の狙いである。分からせる、ではなく「感じさせる」または「考えさせる」。

観客を甘やかさない監督である。ハマるととんでもなく好きなれるので、映画好きの方には超絶オススメしたい

 

68. ロゼッタ

ダルデンヌ兄弟監督作品をもういっちょ。カンヌの常連とあって、この人たちの作品はどれもこれも高品質。そして唯一無二。

ドキュメンタリーと見間違うようなリアルな演技と作品世界に没頭した後は、素敵なラストを楽しんでもらいたい。

 

強い女性って素敵。

 

69. リアリティのダンス

カルトの巨匠 アレハンドロ・ホドロフスキー監督が23年ぶりにメガホンを取った作品。監督なんとこの映画を撮ったときは84歳。どんだけ元気なんだよ。

作品自体も80過ぎの人が創り出したと思えないほど瑞々しく、そして鮮烈。映画表現の最前線とも言える映像の数々は観客の度肝を抜き続けるだろう。

一応、監督の自叙伝的作品と言われているが、色々とぶっ飛んでいてとてもじゃないが信じられない。

 

父親がナチスにペニスを拷問されるシーンは、修正版と無修正版があるので好きな方を選んでいただきたい。

 

70. サンタ・サングレ

サーカス劇団にあった実際の事件を元にしたカルト・ムービー。こちらもホドロフスキー監督の作品である。

あらすじを見ただけでお腹いっぱいになりそうな変態っぷりを感じさせるが、まさにその通りの作品で、強烈な映像のオンパレード。しかし見世物小屋的な陳腐なものではなく、あくまでも監督の芸術的美意識に則ったものであり、非常に美しい。

 

71. ホーリー・マウンテン

ホドロフスキー作品をまだまだ紹介しよう。

彼の作品はどれもこれもとにかく異端。しかし奇を衒っているわけではなく、ただ単に監督本人が変態なだけである。それは彼の作品を観ればよく分かってもらえるだろう。

こちらのホーリー・マウンテンも素晴らしい変態作品。圧倒的な映像の連続には、まるで酩酊するかのような感覚に陥ってしまう。

 

ホドロフスキーを天才と呼ぶか、それともただの変質者と呼ぶか。それはあなた次第である。 

 

72. エル・トポ

1970年に公開され、当時まったくの無名だったにも関わらず、映画マニアやアンディ・ウォーホールやジョン・レノンといった著名人さえも熱狂させて、驚異的なロングランを記録したという、ホドロフスキー監督の名を世に知らしめた作品。

公開されてから40年経ってもなお、こうしてリマスター版が発売されるあたり、ホドロフスキー監督作品の異常なまでの中毒性を垣間見れるだろう。

 

73. ニンフォマニアック vol.1 vol.2

タイトルの和訳はずばり『色情狂』。その名の通り、とんでもないエロ映画である。 

愛と性欲を別物に扱うのは男性だけではないみたいで、もしかしたら一部の男性にとっては観るのがキツイ作品かもしれない。

徹底して性欲にのみフォーカスしているからこそ生まれる“美”に酔いしれていただきたい。

 

それにしても白人女性は美しいですなぁ。

 

74. メランコリア

惑星との衝突を目前に控え、うつろな心を抱えた花嫁と彼女を取り巻く人々の人間模様を映し出した作品。

「惑星との衝突」なんていうハリウッドが諸手を挙げて製作に乗り出しそうなテーマを変態監督が調理するとこんな作品になる。監督ってのは料理人なのだと改めて思い知らされた作品である。

「憂鬱」というタイトルの通り、非常に鬱屈とした作品だがやはり監督の手腕によるものか、どうしても目が離せない作りになっている。 

 

75. アンチクライスト

愛する息子を失い絶望のふちに追い込まれた夫婦の苦悩と顛末を、過激で大胆な描写を交えて描いた作品。

こちらもなかなかの鬱作品。なのに異常な中毒性があるので、ご覧になる方はあっちの世界に持っていかれないようにご注意いただきたい。

なにせ監督自身が鬱病になった経験があるらしい。これだけ感性が尖った作品を見せつけられるとそれも納得してしまう。 

 

76. ドッグヴィル

超絶美女のニコール・キッドマンにとんでもない仕事をさせた異色中の異色作。なんと言っても凄いのは映画のセット。むき出しのスタジオの床にチョークで線を引いただけ。あとは所どころに小道具が置いてあるだけ。

めちゃくちゃ前衛的な映画化と思いきや、作品の内容自体はかなりドロドロしたものになっており、ストーリーだけでも楽しめてしまうのだから、監督は一体何を狙っていたのか…?

 

こちらの作品も未体験の面白さがあるので、ぜひ観てもらいたい。

鑑賞後は絶対に誰かに話をしたくなるはず。

 

77. マンダレイ

異色作『ドッグヴィル』のまさかの続編。

同じくスタジオの床にチョークで線を引いただけのセットで役者が素晴らしい演技を見せてくれる。

この作品に関しては、テーマとか娯楽性とか演技論とか話し出したらきりがないくらい。

とにかく話題に事欠かない作品である。実験的ではあるかもしれないが、「映画で度肝を抜かれる」というシンプルな体験をさせてくれる作品である。

 

78. ダンサー・イン・ザ・ダーク

ということで、数々の変態作品を世に上梓してきたラース・フォン・トリアー監督の満を持してのパルムドール受賞作品。鬱作品としても非常に有名である。

松本人志もこの作品を絶賛していて、とにかく色んな意味で「凄い」作品。

「なんでいきなり人が歌い出すの?」というミュージカルでよくツッコまれる部分を、ある設定によってクリアーしている。

この作品を機にミュージカルにハマるかも?! 

 

ちなみに主演はアメリカの歌手ビョークである。容姿が幼すぎて、実年齢を聞いてビビった覚えがある。

 

79. イディオッツ

健常であるにも関わらず知的障害者を装い社会を挑発する一団の生態を、過激な性表現と共に描いた作品。作中のセックスシーンは俳優陣が本当にしているというのだから驚き。

コメディというジャンルにはなっているものの、かなり観る人を選ぶ映画である。 

Amazonのレビューを観てもらえば分かるが、賛否がぱっくりと分かれている。

 

誰もが楽しめる映画になんて興味がない。異端の作品を観たい、という冒険心溢れる方にこそ観てもらいたい作品である。

 

80. 奇跡の海

不能になった夫のために、敬虔なカトリックである奥さんが色んな男を誘惑するという、とんでもないお話。

信仰や人を裁くこと、そして愛がテーマになっている作品で、非常に静かな仕上がりになっているにも関わらず、強烈なインパクトを残す。

主演のエミリー・ワトソンはこの作品で数々の映画賞を受賞しているが、それも納得の仕上がりである。オファーを断った女優もいた中で、こんな演技をよくやったと言いたい。

 

81. 愛、アムール

こじらせ系変態監督ミヒャエル・ハネケが贈る感涙の人間ドラマ。老夫婦が見つけ出す究極の愛の姿を描く。

こちらもカンヌの最高賞であるパルムドールを受賞した作品。 

賞賛の言葉を使えば使うほど陳腐になってしまう気がする。それくらい完成度が高く、余計な装飾を必要としない作品である。

 

感動を超えるものがここにある。

 

82. 白いリボン

鬼才ミヒャエル・ハネケ監督はこちらの『白いリボン』とさきほどの『愛、アムール』でなんと2年連続でパルムドールを獲得している。ただの変態監督だと思ったら大間違いである。いや、間違いではないかもしれない。

こちらは監督初のモノクロ作品となっている。のどかな農村で起こった不可解な事件の連続によって、少しずつ露わになっていく人間の醜さを描いた作品。

 

ハネケ監督の作品どれもに言えることだが、生半可な気持ちで娯楽的に楽しめる作品ではないので、ご注意頂きたい。 

 

83. ファニーゲーム

出ました。ハネケ監督の真骨頂。人を不快にすることだけを目的にした作品。

ここまで不快な描写が連続すると逆に笑えてくるから不思議である。

 

個人的に1番好きなのは、船のナイフが伏線になっているシーン。使えないんかい、と。 

 

84. ファニーゲームU.S.A

そんな人を不快にするだけの作品をなぜかわざわざハリウッドで監督自らがリメイクをしたという意味不明な作品。

しかも、せっかくのリメイクにも関わらず、全編を通して脚本からカメラワークから、何から何まですべて同じ。ただ単にハリウッドの役者と場所を使用しただけ、という超絶変態作品である。 

 

85. 隠された記憶

幸せな家庭に突如送られてきた謎のビデオテープ。そこには彼らの生活をただひたすらに映した映像が。一体誰が何の目的で…?

 

謎が謎を呼ぶ、的な作品だと思ったら大間違い。何と言っても監督はあの変態ハネケである。なんなら脚本だってハネケだ。まともなミステリー作品ができあがるはずがない。

しかしだからこそ、既存のミステリー映画の枠を破壊した作品になったのだろう。ミステリー映画好きにこそ観てもらいたい作品。鑑賞後、どうか怒り狂ってもらいたい。 

 

86. タイム・オブ・ザ・ウルフ

変態監督が撮った終末の世界

相変わらずどうしようもない絶望感ばかりを見せつける作品なのだが、それでもどこか希望を見出してしまう。

びっくりするぐらい何も説明してくれない作品なので、面食らわないように気をつけていただきたい。

 

87. ピアニスト

過干渉の母親に育てられたことで異常な性癖を持ってしまったピアノ教師と、年下の風変わりな生徒。ふたりの愛憎を激しく切なく描いた作品。 

倒錯したエロスと理解不能な登場人物という、ハネケ監督色全開な作品である。

女は変態だし男はクズだしでどうしようもない話なのだが、これがまた目が離せなくなってしまうのはやはり監督の手腕なのだろう。フランス式のポルノってのはこういうもんなのか。

 

88. コード・アンノウン

5つの物語を不完全に展開する異色の群像劇

ハネケ監督の初期作品なのだが、ただでさえ変態さんなのに若いから尖っていたようで、余計に観客を置いてけぼりにする作品に仕上がっている。

人間の汚い部分を描き出すことで観る者の心をつかむ手法は、この頃から変わらないらしい。 

 

89. カフカの「城」

天才作家フランツ・カフカの未完小説『城』を極限まで忠実に再現した作品。

重要なことなのでもう一回書いておこう。カフカの未完小説『城』を忠実に再現した作品である。 

カフカが天才と呼ばれる所以は、その作品世界における不条理性が、我々の暮らす世界における不条理をありありと表現しているからである。

 

そしてそれを文字表現から映像表現へと昇華させるとどうなるか…。それは観てのお楽しみである。

 

90. 71フラグメンツ

ウィーンで19才の大学生による銃乱射事件が発生し3人が死亡。この事件の加害者と被害者の過去を“71の断片”で描いた作品。

この作品にドラマ性は一切なく、ただひたすら71ヶの断片映像が流されるだけである。娯楽とはかけ離れた作品である。

しかし実際の事件というのは実はこういうものなんじゃないだろうか。

猟奇的な事件が起こるたびに私たちは明確な理由や原因を知ろうとしてしまうが、そこには単なる断片の積み重ねがあるだけで、私たちが求めるような簡単な答えは存在しないのではないだろうか。

 

91. ベニーズ・ビデオ

豚の屠殺映像に異常な興奮を覚える少年ベニーは、ある日、部屋に招いた少女を「なんとなく」殺し、その様子をビデオに収めた。 ビデオを見つけた両親は事件の隠匿を始める…。

冒頭から豚の屠殺シーンをねっとりと見せてきたり、父親に犯行の動機を聞かれても「どんなかなと思って」と少年は答えたりと、映画に真綿で首を絞められるような感覚を味わえる。そんなの誰も味わいたくないだろうが。

 

無機質な少年が最後にとった選択には溜息しか出ない。

 

92. セブンス・コンチネント

ミヒャエル・ハネケ作品の紹介もこれが最後になる。最後に紹介するのは、ハネケ監督のデビュー作である。

オーストラリアで実際にあった一家心中の、事件が起こるまでの3年間を描いた作品。 

ハネケ監督はとにかく映画世界のお決まりや既存の概念といったものを破壊したい人なのだろう。その気概はデビュー作からしっかりと表れている。

 

93. ワールズ・エンド

“ひと晩に5人で12軒のハシゴ酒”をするべく郊外の街に戻って来たアラフォー男たち。だが、街の人々は何者かに操られており…。 

 

中年になると背負うものが勝手に増えてくる。取り返せなくなったものも多い。バカでいたくてもそうできなくなってくる。だからこそたまにはハメを外してバカになってみたくなるもの。

 

下品でくだらない、でも最高の青春映画である。

 

94. スコット・ピルグリム

カナダの人気コミックを実写化した作品。

オタクミュージシャンが彼女のために邪悪な元カレ軍団と戦うというトンデモなお話。

 

この監督、笑いのセンスが良すぎ!観ている間、ほとんど笑っていられる。外国映画はこういうのが本当に上手いよなー。邦画じゃ考えられない。

お金に物言わせず、感動に逃げず、ただひたすら笑える作品。オススメ。

 

全然関係ないけどエドガー・ライト監督は相当なイケメンである。ジョニー・デップに似ている。

 

95. ホット・ファズ

こちらもエドガー・ライト監督作品。監督最大のヒット作と言えるかも。 

田舎の村に左遷されたエリート刑事が、邪悪な組織と戦うことになるアクション・コメディ。

 

元々イギリスでヒットとなった作品だが、日本ではほとんど無名だったため劇場公開の予定はなかった。しかし熱烈な署名活動により日本でも公開されることに

映画オタクならそこら中に隠されたネタに歓喜するだろうし、映画の知識がない人は単純に最高の娯楽映画として楽しめることだろう。

 

生涯ベスト映画に推す人が多いのも納得の作品である。

 

96. ショーン・オブ・ザ・デッド

エドガー・ライト監督の名を世に知らしめたゾンビコメディの傑作。監督の異常なまでのゾンビ映画愛が最高の形で結実した作品である。 

ただ単に笑えるだけかと思えば、意外とドキドキしてしまうのがニクい。監督自身が映画を好きすぎるからこそ、観客のツボも理解しているのだろう。

 

シリアスと笑いのバランスもよくとにかく観ていて最高に楽しい!

これ以上面白いゾンビ映画って無いんじゃないだろうか?

 

97. ブラック・スワン

内気なバレリーナが大役を任されたことをキッカケに心が狂い出す様子を映画サイコ・スリラー。

ナタリー・ポートマンの鬼気迫る演技と監督が作り出す空気感が相まって、観客に重厚な緊張感をもたらす作品。バレリーナの痛み(体もそうだし、心も)がヒシヒシと伝わってくる。

美と狂気の相性の良さに鳥肌が止まらなくなること請け合い。 

 

98. レクイエム・フォー・ドリーム

孤独を抱える普通の男女が破滅へと身を投じていく様を描いた強烈な人間ドラマ。 

 

「この作品はモンスター不在のホラー映画にしたかった」と監督が語る通り、観客は登場人物たちの運命を、まさにモンスターを観るかのごとく恐怖にかられながら見守ることになる。

これだけの鬱ストーリーをセンス抜群の映像と音楽でスルスルと観させてしまう実力には脱帽。監督の才能に、そして最悪の人間ドラマに震えてほしい。

 

99. π

ダーレン・アロノフスキーのデビュー作にして、数学を題材にした映画の傑作

数式によってすべてのことが理解できるという妄想に取りつかれた天才数学者の運命を描く。

超絶低予算にも関わらず監督の溢れ出るセンスによって、数々の映画賞を受賞している。

 

衝撃的な結末はきっと数学の天才であるあの人をモチーフにしたのだろう。 

 

C 監督や役者が少し有名など

ここからはさらにマニアック映画の世界へと足を踏み入れていく。そろそろ付いてこれている人がいなくなってくる頃じゃないだろうか。

 

100. 10クローバーフィールドレーン

巨大モンスターから逃れるためにシェルターに逃げ込んだ男女による密室型スリラー。観客を翻弄する心理劇と、畳み掛けるような衝撃の展開が魅力的な作品。

密室劇としての面白さはもちろんのこと、怪獣映画としての面白さも兼ね備えており、非常に観客を翻弄することに長けた作品である。

監督は無名だが製作には『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』などで知られるヒットメーカー、J・J・エイブラムスが関わっている。 

 

101. 21ジャンプストリート

童顔の刑事2人が青年犯罪を撲滅するため高校での潜入捜査を開始するが、アホなので高校生活を楽しみだしてしまう。そんな彼らが高校内で凶悪犯罪を目撃し…。

下品で笑える最高の映画である。元々はジョニー・デップが主演を務めたドラマであり、なんとこんなB級映画にも関わらずカメオ出演を果たしている。場違いすぎてそれにも笑ってしまうのだが…。

 

102. 22ジャンプストリート

ということで『21ジャンプストリート』 の続編。前作も文句なしに面白い作品だったが、実はこちらの方が面白かったりする。続編の方が面白いというのもなかなか珍しい…。前作が大ヒットしたおかげか制作費がかなり増えたご様子。

 

相変わらずまったく学生に見えない2人がいちいちツボにハマる。笑える映画をお求めならぜひ。

 

そうそう、18禁なんで家族観たりとかは絶対にしないように。

 

103. 或る終焉

終末期の患者をケアする看護師が、とある患者に「安楽死させてほしい」と頼まれたことから苦悩していく様子を描く。

カンヌの脚本賞を受賞しただけあり観客を飲み込んでしまうような内容になっている。

終焉を見届ける者の美しさよりも闇の部分に焦点を当て、観客にひたすら「この人は一体なぜこのような人間になってしまったのか…?」を疑問を感じさせ続ける。

 

「衝撃」との触れ込みの結末は、真意をすべて観客に委ねている。 

 

104. イコライザー

身の回りのあらゆる物を武器に変え、警察では解決できない世の不正を消し去る“イコライザー”と呼ばれる男の物語。

殺人マシーンだった主人公。今は亡き奥さんと「もう殺人はしない」と約束したものの、強迫神経症で不眠症の日々。しかし、ある少女と出会ったことから、殺人マシーンへと元通りになった途端、快眠!なんじゃそりゃ。

 

デンゼル・ワシントンが強すぎてとにかく最高に気持良い作品に仕上がっている。

 

 

105. 葛城事件

鬱屈した家庭の中で歪んでいった次男が無差別殺人を起こし、家族の歯車が狂い出していく様を描いた衝撃作。

なんでも附属池田小事件や池袋通り魔殺人事件などを脚本の参考にしたという。 そりゃこれだけ重々しい作品に仕上がるわけだ。

登場人物たちの異常な言動を観て「これは自分とは別世界の人たちだ」と思うも良し、「もしかしたら自分にも同じ部分が…」と恐れるも良し。

 

三浦友和はPIXARの映画で声優を務めていたりするのだけど、こうやって全然イメージの違う役を演じられてしまうのだから、本当に優秀。

 

106. 神様メール

世界各国で絶賛を浴びた一風変わったコメディ映画。主人公はなんと神様(の娘)。素晴らしいアイデアと予想外なストーリー展開が秀逸

「人はいかに運命にあらがうべきか」という非常に重いテーマを抱えているにも関わらず、非常に軽やかに描き出している。鑑賞中は終始、笑顔でいられるような作品に仕上がっている。高評価を得ているのも当然といった感じ。

 

自由な発想と皮肉が効いた最高の作品である。2016年に観た映画の中でもベスト10に入るレベル。 

 

107. きっと、うまくいく

異例の大ヒットを記録した観た人をハッピーな気分にさせる傑作インド映画。3時間近い長尺なのだが、それを感じさせないくらい次々と素晴らしいエピソードを放り込んでくる。

インド映画特有の突然歌い出したり踊り出したりというのは苦手な人もいるかもしれないが、そんなことどうでもいいから、とにかく素晴らしい作品なので観てほしい。 

 

108. クローバーフィールド

今までに類を見ないほど徹底してリアルを追求した怪獣映画。

この作品は予備知識があればあるほどつまらなくなってしまうので、ぜひいきなりみてほしい。絶対に度肝を抜かれるから。 

 

怪獣が本当にやってきたらこんなリアクションを取ってしまうだろう。パニックに陥ったときの自分の姿を画面上に見るはず。

 

109. 孤島の王

実在した“監獄島”での反乱事件を元にしたサスペンス。理不尽な暴行や懲罰から逃れるべく少年たちは反逆の狼煙を上げる。

 

静かな雰囲気に包まれているが、少年たちのひたむきな生き方や友情にあてられて思わず目頭が熱くなる

ノルウェー映画ということでまったくもって知名度はないけれども、知られていないだけで面白いというこの記事にはぴったりの作品。 

 

110. コンカッション

ベネット・オマル医師はアメフト選手の解剖に携わり、タックルが原因の脳の病気を発見。しかし、国民的スポーツを否定しかねない彼の見解をNFLは認めなかった。両者の一歩も譲らない戦いの火蓋が切って落とされた。事実を元にしたサスペンスドラマ。

ウィル・スミスが主演にも関わらずびっくりするぐらい有名になっていない作品。 

社会派の娯楽作品としても楽しめる一方、アメリカの国技ともいえるアメフトにメスを入れる内容は、制作する上でも色々と弊害があったろうと想像できる。

製作者の気概に賞賛を送りたい。

 

111. ザ・ギフト

平和に暮らす夫婦の元にある男から執拗にプレゼントが繰り返される。エスカレートしてくるギフト。一体男の真の目的とは…?謎の恐怖に振り回される夫婦を描いたサイコ・スリラー。

魅力的なあらすじというのは、それだけ観客を映画世界へと没頭させることができる。この作品はまさにそんな感じ。

見事な伏線と巧みなストーリー展開を存分に楽しんでもらいたい。 

 

これが初監督作品だというのだから驚き。

 

112. ザ・レイド

麻薬王のビルに乗り込んだ超人集団SWATとギャングとの命がけの戦いを描く。

あらすじだけを見るとまるでハリウッド映画だが、なんとこれがインドネシア産。こんな面白い作品が東アジアからも出てくるようになったとは嬉しい驚きである。

白眉はとにかく圧倒的なアクションシーン。映画全体の9割以上がアクションになっていて迫力も緊張感も最高である。

単純明快すぎるストーリーもアクションを純粋に楽しむために一役買っている。

それにしてもこんな激しい演技をした俳優さんたちは無事なのだろうか。 

 

113. ザ・レイド GOKUDO

大ヒットを飛ばした『ザ・レイド』の続編。前作はマフィアだったが、今度は世界的にも有数の反社会組織“極道”である。しかも普通に松田龍平とか遠藤憲一が出演している。

前作で評価の高かったアクションシーンはもちろんのこと、極道を中心とした登場人物それぞれの思惑も絡んできて物語としての面白さがスケールアップしている。

 

114. しあわせはどこにある

充実した日々を送っていながら、自身の人生に幸せを見いだせなくなってしまった精神科医が、幸せのヒントを求めて世界各地へ旅に出るさまを描く。

誰もが考える“幸せ”について描いた作品。

なんでも精神科医というのはもっとも鬱病になりやすい職業らしい。なんとなくそれも頷ける気がする。熱心な宗教家の人も多いらしいし、ストレスの溜まる仕事なのだろう。

フランスの精神科医が原作というだけあり、含蓄深い素晴らしい言葉に溢れた作品である。 

毎日にちょっと疲れた人にオススメしたい。

 

115. シェアハウスウィズヴァンパイア

共同生活を楽しく送るヴァンパイアたち、とあることから普通の大学生の血を吸ってしまい。ヴァンパイアに変えられてしまった大学生のニックが新たな友人を連れてきたことから、騒動は始まったー。

 

画期的なアイデアを盛り込んだ異色のヴァンパイア映画

ブラック&シュールな笑いのてんこ盛りで終始笑いっぱなしになれる。

ドキュメンタリー風の作りをしてあるのも、笑いを生む仕掛けとして効果的に機能している。他ではあまりに見られない面白さがある作品。

 

116. 少年は残酷な弓を射る

息子が非常な事件を起こしたことをきっかけに息子との関係性を考え直す母親の姿を、静かにそして重厚に描き出した作品。

観客に想像させる部分が大きく、それゆえに物語世界へと没入させてくれる。

育児や家族について考えさせる作品で、子を持つ親であれば悶えるような気分で鑑賞すること間違いなしである。

 

117. 世界の果てまでヒャッハー!

ジャングルの秘境ツアーでとんでもない目に遭う一行の様子を描いた奇想天外な映画。

壮大なコント作品を観ているかのような作品で、とにかく常にボケが付きまとう。なんでもこれが第二作目で、実は第一作目は日本で公開されていないのだとか。

ただ、そんなこと関係なしに楽しめ、笑える作品である。

 

あ、あととっても下品ですのでご覚悟を。

 

118. ソーセージ・パーティー

見ての通りの超下品アニメである。

この作品、なにが凄いってスタッフが凄い。なんと『マダガスカル』『美女と野獣』『きかんしゃトーマス』といった作品を手掛けたメンバーが顔を揃えているのだ。

圧倒的な下品作品にも関わらず、無駄に高品質な映像。無駄に完成度の高い脚本。そして音楽。

一体何を評価したらいいのか、我々の脳みそは崩壊寸前である。

アニメ映画だが間違ってもお子さんと観ないようにしていただきたい。 

 

119. ダークプレイス

8歳の時に起きた一家惨殺事件で生き残ったリビー。28年後、彼女の下に有名事件の真相を語り合う殺人クラブから招待状が届くー。彼女を待つ真実とは。

 

ミステリー小説を原作とした作品だが、人間ドラマとしての側面が強い。また俳優陣の演技が光っており、特に主演のシャーリーズ・セロンが自身の体験と照らし合わせてか、非常に真に迫る演技をしてくれている。製作にも携わっているぐらいだから、その熱の入れようがよく分かる。

 

タイトル通り非常に暗く重い作品だが、それだけ見応えもある作品である。

 

120. ディス・イズ・ジ・エンド

アメリカのセレブたちが集まる超豪華パーティーを、いまだかつてないほどの大地震が襲う。なんとか生き残った俳優たちは協力しようとするが、唯一残ったキャンディを取り合ううちに崩壊。そうこうする内に、街には正体不明の地球外生命体が…。

 

主役のセス・ローゲンが自身で監督&脚本、さらには実名で出演している。というかこの作品に出てくるメンバーは全員自分の役で出演している。他にもちょい役だがエマ・ワトソンやリアーナなど超豪華メンバーも本人役で登場。

そんな感じで非常にリアリティを持たせながら、こんな荒唐無稽な物語を展開してくるのだから、笑えないわけがない。

 

121. トロール・ハンター

ノルウェーの伝説の妖精“トロール”の実態に迫った異色の作品。

フェイク・フィクションの隠れた傑作。孤高の勇者トロール・ハンターの生き様に笑いながら、そして涙してほしい。全編を通して真剣そのものだから余計に笑える。

 

ハリウッドでリメイクが決まっているそうだけど、このセンスをそのまま表現できるとは思えない。

 

122. ナイトビフォア

両親を亡くした友人に寂しい思いをさせないため、毎年一緒にクリスマスを過ごしていた3人だが、生活が変わったこともあり遂に最後のパーティーを迎えることに。彼らが一緒に過ごす最後の乱痴気騒ぎ。

 

セス・ローゲンにこういう映画を撮らせたら、間違いなく面白いものしかできない。下品で不道徳だらけなのだが、面白いんだからもう全て許せてしまう。

 

そんなふうに笑わせておいて、最後にちょっといいシーンを配置してくる辺り、本当に勘弁してほしい。観客を振り回しすぎ。 

 

123. ネイバーズ

閑静な住宅街に越してきたマックとケリーは幼い娘と一緒に幸せな暮らしを送っていた。しかしある日、隣にあからさまにうるさそうな男子学生が引っ越してくる。騒音をキッカケにこじれた両者の関係は、未曾有の近隣バトルへと発展するー! 

 

最強のご近所トラブル映画である。とにかく笑いの種類が豊富すぎて、夢中になって楽しめる。

「悪人にも愛を」的なアメリカイズムを放り投げ、「目には目を」という醜さ満点のやり合いが痛快である

 

せっかくなので無修正バージョンをご覧いただきたい。

 

124. ネイバーズ2

まさかの続編である。こんどは女学生が相手だ、かかってこいや。 

下品とバカに終始した一作目とは打って変わって、登場人物たちの内面にフォーカスし、なぜかドラマ要素を多分に盛り込んできている。

期待通り笑える作品に仕上がっているのは当然として、まさか最後にあんなにも爽やかな気分にさせられるとは予想外である。

 

125. 野火

大岡昇平の小説を実写化した戦争ドラマ。第2次世界大戦末期のフィリピン・レイテ島を舞台に、野戦病院を追い出されてあてもなくさまよう日本軍兵士の姿を追う。 

 

戦争映画なので当然のごとく凄惨なシーンが出てくるのだが、それがなかなかキツイ。今までに観たことがないタイプのキツさである。

登場人物から少し離れた距離感で収められた映像は、戦場に蔓延する殺戮、破壊、飢えをただただ映し出し続ける。

 

近年稀に見る戦争映画の傑作。知られていないのが、本当に勿体無い。

 

126. ハイ・ライズ

階級別に住居フロアを区切られたタワーマンションへと引っ越した男が、そこで繰り広げられるある出来事をきっかけとした住民同士の軋轢に引きずり込まれる。

かなりハイレベルなシュルレアリスムで彩られた作品。

辻褄の合ったストレートな作品が観たい人には全くオススメできない。映画という表現手段の最先端を知りたい人にこそ観てもらいたい。

評価が真っ二つに分かれるのも納得である。

 

127. フライト・ゲーム

客を装って飛行機に乗り込んだ航空保安官の元へメールが届く。それは「指定の口座に送金しければ、20分ごとに乗客を1人ずつ殺す」という驚愕の内容だったー。

あらすじを読むだけで面白い映画だと分かるが、もちろんその通り。よくあるあらすじ詐欺ではないのでご安心を。

ずっとハラハラドキドキさせてくれる最高のノンストップアクションである。

緊迫感が本当に凄い…!

 

128. プロジェクトX

誕生日パーティーを発端にとんでもない事態を迎えてしまったバカな若者たちを描いたコメディ作品。『ハングオーバー!』の監督が製作に関与していると言えば、色々と理解していただけるだろうか。

予想を遥かに超える乱痴気騒ぎを、POVという臨場感溢れる撮影手法を使って映し出しており、まるでその場で自身が巻き込まれたかのような気分が味わえる。

 

ところどころ問題のある表現が登場するので、良識のある方はもしかしたら怒り出してしまうかも…? 

 

129. 変態小説家

児童作家から犯罪小説家に転身し、連続殺人鬼のリサーチに没頭するジャック。しかし、このことが原因でジャックは自分が何者かに命を狙われているという誇大妄想に取り憑かれてしまい…。

変態の話かと思われるかもしれない。だが実際は、心に欠陥を抱えた小説家がそれを克服する物語である。確かに変態なのだが。

サイモン・ペッグの一人芝居の時間がかなり長く、彼の優秀さがよく分かる作品である。 

 

130. ホーリー・モーターズ

変装してリッチな銀行家や物乞いの女性、ごく平凡な父親から殺人者まで11人それぞれの人生をリアルに演じる主人公の長い一日を、幻想的な映像で映し出す。

次々と違う人生を演じる主人公は、私たちと映画の関係を擬人化したかのような存在である。彼はこの世にあるすべての物語そのものなのかもしれない。 

冒頭から監督本人が映画館に入っていく演出があるのだが、この作品を観るためのスタンスを教えてくれているように思う。

 

131. マーシュランド

祭りの最中2人の少女が行方不明となり、やがて死体で発見される。彼女たちは強姦され、凄惨な拷問を受け、そして殺されていた。凶悪な犯罪の裏にあるものは一体…?

陽気なことで有名なスペイン人が作ったとはニワカには信じられない、非常にダークでドロドロとした作品。

2人の刑事が事件を追う様子は緊張感に満ち、鑑賞後は圧倒的な満足感を与えてくれる。社会派サスペンスの傑作である。

 

ヨーロッパの映画賞を総なめしたというのも納得の出来栄え。

 

132. マキシマム・ブラッド

元フランス軍特殊部隊の最強兵士にして、人質奪還のプロ・ディーコン。愛する姪のためにフィリピンに巣食う臓器売買の闇組織をぶっ潰す!

アクションが売りの作品だが、なんと言っても見ものなのは主役のジャン・クロード・ヴァン・ダムの柔軟性を活かした180℃開脚キックだろう。たぶん衝撃を受けると思う。

 

133. マッド

14歳の少年ふたりが危険な男との出会いを通し成長していく姿を描いた青春ドラマ。

スタンド・バイ・ミーの感動再び!なんていう謳い文句がとても似合う(ちなみに誰もそんなことは言っていない)子供たちの成長を素敵に映し出した作品である。 

ちょっと怪しいオッサンと、思春期の少年たちなんて、相性が良いに決まってるでしょ。心に染みる暖かな物語をぜひ!

 

134. マン・アップ!

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別れた奥さんに未練タラタラのどうしようもない40おっさんが、理屈っぽい34歳の女性と人違いから出会い、そこから巻き起こる大騒動を描いた作品。

マシンガントークの応酬、下品な言動の数々、怒涛の展開。そして最後はホロッと…。

どストレートに良い映画を観た感じ。高尚ではないけど、普通に生きる普通の人である私たちに寄り添ってくれるような作品。 

 

135. 10人の泥棒たち

幻のダイヤモンドを盗むために集められた10人の泥棒たち。彼らの計画は完璧のはずだったがー。

練られまくった極上のトリックストーリーとSFXアクションが楽しめる快作。 予期せぬ展開の連続に脳汁ダラダラで楽しめることだろう。

こういう系の作品でも高品質なのだから、韓国映画は本当に今、最盛期を迎えているんだなぁ。

 

136. 悪魔を見た

婚約者を殺された男が、連続殺人鬼を残酷に追い詰める様子を描いた作品。

まず見終わって思うのは「タイトルが上手い」ということ。ここまで残虐な復讐劇を展開されちゃあ、主人公にしても殺人鬼にしてもどちらが悪魔なのやら…。

「復讐は何も生まない」という言葉は通り一遍等に使われがちだが、まずはこの映画を見てからその言葉を使ってほしい。そんな軽々しく使える言葉ではないのだ。

 

137. 悪のクロニクル

優秀な刑事が犯人を殺してしまい、それを隠蔽しようと動き出したことから、思いもよらない悪の底なし沼にハマっていく…。

こちらも最高の脚本が楽しめる作品。謎が謎を呼び、という展開に萌える人は多いだろう。私も大好きである。

派手なアクションシーンとかではなく、俳優の鬼気迫る演技力と最高のストーリーで観客を虜にする。

 

138. 悪魔は誰だ

幼女誘拐事件の犯人逮捕を願う被害者の母親と事件を追う刑事、そして巧妙に姿をくらませる犯人の攻防を描いたミステリー作品。

韓国映画のこういったクライム・サスペンスものはとにかく物語がいい。どれかひとつでも観たら、全部観たくなるぐらいいい。そしてちゃんとそれに応えるだけのクオリティをどれもこれも持っているのが凄い。

この作品も最後に意外な答えが待っているのが、決して奇をてらったようなものではなく、物語の完成度を上げるための結末である。刮目せよ。

 

139. 悪魔は闇に蠢く

ソウル市内で10名もの人々がこつぜんと姿を消す失踪事件が起き、警察の必死の捜査にもかかわらず手掛かりはゼロ。ある晩、スジョンは帰宅の遅い姉を出迎えに行き、男が女性を引きずっているのを目撃する…。 

作品としての粗がかなり目立つのだが、俳優陣の無駄遣いっぷりを楽しんでいただけたら…。

 

140. アシュラ

堕ちていく2人の男、権力にしがみつく狂気、そして、歪んだ正義を貫く鬼。
欲望に駆られた男たちの生き残りを賭けた闘いが始まる― 。

これ以上濃厚な悪役映画を知らない。過去最高レベルの悪役たちを楽しめる。アウトレイジ?ゴッドファーザー?いやいや、これからの悪役スタンダードは『アシュラ』です。

なんてことを言いたくなるぐらいの最悪な奴等が勢揃い。こいつらが画面から溢れ出るぐらい濃厚に“魅せて”くれる。

こんなに酷い物語なのに、なぜか笑えてしまうのは人間の感情の不思議を感じてしまう。

 

 

141. 新しき世界

犯罪組織へ潜入捜査に入った優秀な刑事が、刑事としての使命と組織のメンバーとの友情の間で揺れ動く。そして組織のリーダーの急死をきっかけに物語は一気に加速するー。

 

こちらもクソ面白い脚本のせいで、クソほど楽しめる作品。なにせ書いたのは『悪魔を見た』のパク・フンジョンである。

新しい世界という題名は、ヤクザ映画の新たなる地平という意味だろうか。

 

142. ある優しき殺人者の記録

鬼才・白石晃士が、韓国で全てロケを行い撮り上げた日韓合作のサスペンススリラー。ある廃屋マンションの一室を舞台に、そこに潜む連続殺人鬼が繰り広げる凶行の行方を追い掛けていく。

この撮影手法は異常すぎる。なんと言っても圧巻は、前半の猟奇殺人シーンから衝撃的なラストまでのワンカット一気見せである。

こんなことする変態は白石晃士しかいないだろう。

想像を超える結末を楽しみにしてほしい。

 

143. 生き残るための3つの取引

連続殺人事件の犯人をでっち上げるという暴挙に関係する刑事や検事、そして裏社会の男たちが自らの生き残りを懸けて奔走するドラマをスリリングに描いた作品。

あらすじを読んだだけで面白いのが分かるだろう。その通りである。何度も言うが、韓国映画では極上の脚本が飛び交っているのだ。きっと今が最盛期だろうから、見逃すべきではない。 

映画に出てくる人間たちがみんな誰かの弱みを握り、同時に誰かに弱みを握られているという状況は、頭脳ゲーム系が好きな人には堪らない展開だろう。

 

144. インサイダーズ 内部者たち

財閥と政治家とマスコミの強大な癒着による権力争いに迫る社会派ドラマ。策略家とその右腕と検事らの野望が複雑に絡み合う、世紀の化かし合いを活写する。 

 

これもヤバイ。骨太なテーマを抱えた作品だが、韓国映画特有のスピード感で魅せてくれるので、時間の経過なんぞ感じる暇がないほど熱中できるはずだ。

 

それにしても主役のイ・ビョンホンは華があるなー。

 

145. 技術者たち

金庫破り、人材調達、ハッカー。それぞれの分野の天才が手を組み最強の犯罪に挑む。狙うは最高のセキュリティーシステムを誇る仁川税関。しかも許された時間はたったの40分ー。

 

この設定をどこかで見たと思ったらあれだ、『オーシャンズ・イレブン』だ。

あれも伏線と仕掛けだらけの作品で当然の名作だが、それに負けず劣らずなのがこの『技術者たち』である。クソダサいタイトルにはぜひとも目を瞑ってほしい。

 

至高の頭脳戦。その結末に刮目せよ。 

 

146. 群盗

屠畜人という低身分から、民衆を解き放つ義賊となった男の生きざまを描き出したアクション活劇。

韓国映画というとドロドロとした過激な人間ドラマばかりが取り沙汰されるが、なかなかどうして歴史物も素晴らしい!韓国映画がお得意とするクズ人物は、最高の悪役として君臨。こんなに強い奴どうやって倒すんじゃい!と言いたくなるほど。

 

派手なハリウッド映画を観ているような感覚。 

 

147. 極秘捜査

実際に起きた誘拐事件を元にした犯罪ドラマ。

事件の捜査に占いが影響を及ぼすという、一体いつの時代の話だよとツッコミを入れたくなるストーリーは、他の韓国映画と違いドロドロバイオレンスは控えめに。

ちょっと切ないけどほっこりするラストも、あまり見ないタイプのもので好感が持てる。

 

148. 最後まで行く

横領事件を隠すために警察署へ急行していた刑事が、その途中で人を轢いてしまう。結果殺人犯になってしまった主人公は、遺体を隠すことで事なきを得るが…。

 

監査によって徐々に主人公が追い詰められていく様子が、緊張感たっぷりに、そしてどこかコミカルに描かれる。

ドロドロ要素がほとんどなく、素直に色んな人に勧められる作品である。

 

149. サスペクト 哀しき容疑者

都会の片隅で孤独に暮らす男チ・ドンチョル。彼の正体は、北朝鮮特殊部隊の元エリート工作員。
生きる目的はただひとつ、愛する妻子の命を奪い韓国へ逃げ延びた犯人への復讐ー。 

 

かっこよすぎるアクションシーンが見どころの映画。余裕でハリウッドレベル。出演者本人が「もっと予算があれば…」なんてことを言っていたらしいが、これでも十分面白いです!

一番の見どころは、首吊りにされた主人公が縄から脱出するシーン。これだけを読むと笑っちゃうぐらいあり得ないけど、この主人公なら確かにできるかも、と思わせるだけの説得力がある。

 

150. 殺人の疑惑

15日後に時効が成立する誘拐殺人事件を扱った映画で、ダウンは犯人の声や話し方が父・スンマンそのものに思えて動揺する。父の過去を知るにつれ、彼女は父への疑惑を強めていくが…。 

 

この脚本も素晴らしい…!観客の振り回しっぷりが芸術的である。でもきっと観ている時はそんなことも分からないぐらい夢中になるはず。

振り回されていたことには、観終わった後に気付くでしょう。

 

151. シークレットミッション

北朝鮮のエリートスパイたちに下された極秘任務とその孤独な戦いを描き、韓国で異例の大ヒットを飛ばしたアクションエンターテイメント作品。

朝鮮半島の南北問題も絡めた非常に食べごたえのあるストーリーだが、コミカルな要素もふんだんに盛り込まれているため思いのほか、笑わせてもらえる。 

ひたむきに生きようとする彼らを観ている内に好きになってしまい、切なすぎるラストには…

 

152. テロ、ライブ

爆弾テロ犯からの電話を受けたアナウンサーに待ち受ける、思わぬ運命と事件の行方を追い掛けていく。 

 

リアルタイム形式の演出により、最高の緊迫感を楽しめる作品。初めて『スピード』を観たときと同じような感覚かもしれない。

ほぼハ・ジョンウの一人芝居のような映画にも関わらず、大満足の内容。俳優を褒めるべきか、それともこれだけの作品を生み出したスタッフを称えるべきか。

 

153. ファイ 悪魔に育てられた少年

学校に通う代わりに“5人の父親”から犯罪のスキルを教え込まれて育った17歳のファイ。残酷な人生を背負ったファイと、彼を取り巻く男たちの凶行は容赦なき運命に導かれて疾走していく。

 

韓国映画のお家芸である容赦なきバイオレンス映画。暴力的だけじゃない心の痛めつけ方が強烈である。もちろん、観客の、という意味である。

美しく胸に染みるエンディングも合わせて高評価。

 

154. プリースト 悪魔を葬る者

ひき逃げ事故に遭ってから様子がおかしくなる少女。悪魔に取り憑かれていることは分かっても、誰も手出しができない。そんな中でキム神父だけが悪魔祓いを執り行うと宣言したー。

言っちゃあ悪いが『エクソシスト』の韓国版である。本家はホラー要素を売りにしていたが、こちらはなんと言っても韓国映画。それだけではなく、人間のドロッドロの部分も盛り込んできている。

映像と展開のスピード感で、あっという間に時間を持っていかれることだろう。

 

155. ベテラン

ベテラン刑事が知り合いの事件に関わったことから、巨大財閥と命がけの戦いを演じる。

韓国の階級社会をぶっ飛ばすかのような快作。単純な勧善懲悪もので、とにかく爽快感が素晴らしい!

卑劣な相手のやり方に一向に屈しない熱血刑事と一緒に走り出そう。 

 

156. ベルリンファイル

ベルリンを舞台に、韓国と北朝鮮の秘密諜報員たちの熾烈な攻防を描いた大胆でスリリングな最高のサスペンス・ミステリー。

 

南北の諜報員の騙し合いなんていう最高のストーリーの作品。

舞台説明のための前半を乗り越えると、後半は怒涛の展開とアクションシーンの連続で、息が止まりそうになるほど。

韓国のスパイ映画といえば『シュリ』が元祖だが、『ベルリンファイル』はその進化の最先端だろう。

 

157. 悪いやつら

裏社会で生き残りに命を懸けた“クズ”と“カリスマ”のふたりの男を描いたギャングスター・エンタテインメント。 

 

ヤクザ映画としての形を踏襲しつつも、税関職員だった主人公がヤクザの世界で成り上がっていく様子はサクセスストーリーとしても楽しめる。

派手さはないけれど、登場人物たちのドラマが絡み合う物語は、娯楽映画としての役割を十分に果たしている。

 

158. 殺されたミンジュ

ある夜、ひとりの女子高生が惨殺された。これを機に、ある男が7人組の謎の集団に誘拐され拷問を受ける。以来、事件に関わったほかの者たちもひとり、またひとりと誘拐され…。

 

世界の理不尽さをこれでもか、と私たちの眼前に惨たらしく突き付けてくる作品。苦しみ、悲しみ、無力感。負の感情がこの作品には詰め込まれまくっている。これぞ韓国映画の真骨頂。

強烈な拷問シーンは、ハートが弱い方にはオススメできません…。 

 

159. メビウス

夫の浮気に気付いた妻が夫の性器を切り落とそうとするが失敗。代わりに息子の息子を切り落とす、というどうしようもない作品。男子が見たらあれが縮み上がること請け合い。

 

それだけでも十分衝撃的な作品なのだが、さらにこの作品には「セリフがまったくない」のだ。

痛みや苦しみなど、言葉を必要としない強烈な映像体験がここにある。

いやー、それにしても痛かった…。

 

160. 嘆きのピエタ

天涯孤独に生きてきた借金取りの男。男の母親だと名乗る謎の女。初めて母の愛を知った男を待つ、衝撃の真実…そして世界が言葉を失った、ある愛のカタチ。

 

ドギツい描写は思わず目を逸したくなるほどだが、それだけの振れ幅があるからこそあの切ないラストが映えるというもの。

むき出しで表現された、人間の怒りや欲望、そして愛をその目に焼き付けてほしい。 

 

161. Mommy

とある世界のカナダでは、連邦選挙で新政権が成立。内閣が可決したS18法案は、ダイアン・デュプレの運命を大きく左右することに。

 

監督の表現力に度肝を抜かれる作品

障害を抱えて生きている少年の苦しさと、自由を感じたときの表現が未だかつてない手法を使っている。 

これは観客も少年と一緒に感動しちゃうでしょ。

 

162. トム・アット・ザ・ファーム

トムは、交通事故で死んだ恋人・ギョームの葬儀に出席するために、彼の実家の農場に向かう。しかし、ギョームの母はトムの存在を知らず、息子の恋人はサラという女性だと思っていて…。

 

『mommy』の監督自身が監督主演を務めて放つサイコサスペンス。緊張感に溢れ、目を離すことができなくなることだろう。

それにしてもこの監督はもがき苦しむ人を映し出したいのかもしれない。まだ若い監督なのに、変態さんで困ったものだ。

 

163. LOVE 3D

本当の愛はどこにあったのか、過ちを犯し遠回りをして気付いた男の話。


3Dでセックス描写があると世界で話題になったが、イロモノではない。重く悲しい正真正銘の愛の物語である。

「性愛の“LOVE”だけではなく、恋の“LOVE”、子を想う“LOVE”の3Dではないか」
…という良い言葉が何かのコラムに書いてありました。

※R18 

 

164. エンター・ザ・ボイド

麻薬ディーラーのオスカーは、警察の捜査に遭い胸を撃たれて死んでしまう。しかし、彼の魂は最愛の妹・リンダから離れるのを拒み…。

 

鬼才ギャスパー・ノエによるサイケデリックなトリップムービー。

他ではまったく観られない映像体験をさせてくれるギャスパー・ノエのだが、この『エンター・ザ・ボイド』はその最たる例かもしれない。

 

感性にグリグリと押し付けるような作品。やられないように気をつけてほしい。 

 

165. カノン

刑務所から出所した男は愛人の元で暮らしていたが、すべてが嫌になってしまい愛人に暴力を振るったあと、娘に会いに行く。そこで男は取り返しのつかない行為に及んでしまう…。

 

とにかく主人公の男が最悪の極み。人間の負の部分をすべて凝縮したような存在で、観客はもう最高に最悪な気分にさせられる。

しかしただ劣悪な描写をしたいがための作品ではなく、そこから見えるものがギャスパー・ノエの本当の狙いである。

見応えがある作品というのは、味わいにくいからこそ価値がある。 

 

166. アレックス

パーティ帰りに暴行を受けたアレックス。身も心もスタズタにされた彼女の復讐のために、恋人マルキュスは犯人を探し出そうと躍起になる…。 

 

なんていうあらすじだけ見ると、よくあるバイオレンスムービーだが、そこはほら、あの変態監督ギャスパー・ノエですから、とんでもない仕掛けを用意してある

この前代未聞の手法を使うことによって、我々の世界、人生の真理について考えてしまうのだ。

ちなみにレイプシーンがノーカットで9分間もあるというおまけつき。もちろん人を選ぶ映画である。

 

167. マップ・トゥ・ザ・スターズ

富も名声も手に入れたセレブ一家に隠された秘密と、それによって狂い出す家族を映し出すー。

 

ハリウッドセレブの運転手をしていた人が実際に見た事件を元に脚本が書かれているそうなのだが、セレブってこんなに病んでんのか。

虚飾の裏側にあるもの、狂気の発露。人間そのものを描ききったとんでもないエンタメ作品。

放屁まで披露したジュリアン・ムーアの怪演も見逃せない。

 

168. イグジステンズ

脊髄に有機生命体のゲーム端末を差し込んで、ゲームの世界へトリップするという物語。

これだけ読むと非常に夢あふれるSF映画に思われるかもしれないが、それは大間違い。とってもグロテスクで、脳内を表現しているがゆえに非常に異質な作品に仕上がっている。

クスリをやってトリップしたらこんな感じなのかも。 

 

169. ヴィデオドローム

テレビ局社長(ジェームズ・ウッズ)の元に、ひょんなことから禁断のビデオテープが届けられる。それは、見続けると幻覚症状が起き、やがてはその人間の身体までをも変貌させてしまうという恐ろしいテープだった…。

 

グロいんだけど、なぜか異常な中毒性がある作品で、他の人の感想なんかを見るとやはり「何回も観てしまった!」というような意見があった。ただし高評価の方だけだが。

 

これも賛否に分かれやすいカルトムービーなのだが、刺さる人には堪らない一本なのでご紹介。 

 

170. ノック・ノック

真夜中にドアをノックする音が。開けてみるとそこには絶世の美女が2人。助けを求められ、それに応えたことから主人公の破滅が始まった…。

 

1975年にサンフランシスコで実際に起きた事件に基づいた作品。日本人みんなが大好きなキアヌ・リーブスの堕ちていく様を楽しめる。

不条理であり、結構なホラー作品なのでご覧のさいはご注意を。 

 

171. グリーンインフェルノ

森林保護を訴える過激派のNGO団体に所属する学生たちが、飛行機のトラブルに見舞われて熱帯雨林に墜落。そこで彼らは恐怖の食人族と出会う。

阿鼻叫喚とはまさにこのこと。超グロテスクな描写の連続。繰り出される食人料理の数々。ここまで来りゃ逆に笑えてくるよ。

皮肉に満ちたメッセージ性もさることながら、細部まで作りこんであり、作り手が限界までアイデアを出し合っている様子が観ていて伝わってくる。

きっと製作楽しかったんだろうなぁ。

 

172. イングロリアス・バスターズ

タランティーノによる最高のナチスボッコボコ映画。

結構有名な話だが、ナチスというのは軍服から思想から何から何まで人が観て「格好良い」と思うように作られているらしい。

でもナチスが絶対悪であることは皆さんご承知の通り。そんな格好良くて、でも最悪なナチスを痛快にぶっ潰してくれる。しかもブラピである。最高。 

 

173. ホステル

何の罪もないバックパッカーたちが恐怖のどん底に陥れられるホラームービー。

若者たちがとにかく拷問されて殺されまくる、というイカれきった作品。でもこれがまた根強い人気があって、なんと続編が3まで公開されているのだから驚き。

監督の要望で三池崇史監督が出てくるのも面白い。 

 

174. ミラクル・ニール!

銀河系の彼方で地球滅亡を企むエイリアンたち。彼らは適当に選出した中年教師・ニールに全知全能の力を授けることで、地球存続の最後のチャンスを与えるが…。

この記事ではもうおなじみになりつつあるサイモン・ペグ主演のコメディーである。

色々と書きたいことはあるが、何と言っても凄いのは豪華声優陣。驚くべきことにあのモンティ・パイソンのメンバーが全員出演しているのだ。それだけでも価値があるだろう。 

 

175. ジュピター

宇宙最大の王朝の王位を引き継ぐ運命を背負った女性と遺伝子操作で生まれた最下級の戦士が人類の危機に立ち向かう。

『マトリックス』のウォシャウスキー姉弟によるオリジナルストーリー。

主人公ケインの王子様感が半端なく、胸をキュンキュンさせて楽しめるSFアクションである。

あれか、監督の兄貴の方が女性になったせいでこういう仕上がりになったのか。 

 

176. ゼロの未来

コンピューターに支配された世界で、謎めいた数式「ゼロ」の解明にひとりで挑む天才プログラマー・コーエン。愛と友情に気付いたことで、彼の人生は大きく変わっていくー。 

 

テリー・ギリアムという異常者みたいな監督の作品。

そもそも理解しようというのが無理な映画で、監督の感性を受け入れられるかどうかが楽しめるカギになるだろう。

賛否に分かれるのも当然で、ヒットする人には堪らない作品である。むしろそういう作品の方が、面白さのレベルは高い。 

 

177. 未来世紀ブラジル

鬼才テリー・ギリアム監督が贈る、近未来を舞台に管理社会をシニカルな視点でとらえた、ブラックユーモア満載のSFサスペンス。 

 

これこそテリー・ギリアム監督の代表作にして最高傑作。

皮肉に満ちた物語と、規格外の映像、音楽、それらが渾然一体となって、強烈なエネルギーの塊として我々の中に飛び込んでくる。

映画を“体験”させられる、という言葉がぴったりな弩級の作品である。

 

178. ミッション・イン・ポッシブル

トム・クルーズ製作による、最強のスパイ映画。

色々と続編が出ているが、最強はあくまでもこちら。派手なアクションや先の読めない展開ばかりが持て囃されるが、芯にはとても深いテーマが隠されている。

複数回の視聴に耐えられる稀有な作品である。

 

ガジェット系の古さは笑ってしまうけど、面白さは古びない。

 

179. 悪魔のシスター

生まれた時から双方の肉体が繋がっているシャム双生児の姉妹をめぐって展開される怪奇ミステリー。 シャム双生児に精神病、奇形という、とっても危険なテーマを扱った作品で、見ているだけでヒヤヒヤしてくる。

 

強烈な映像を何度も突きつけることで、観客に独特な“背徳感”みたいなものを感じさせることに成功している。

ヒッチコックが監督のことを遠巻きに批判していたのは、才能に嫉妬してだろうか。

 

180. ファントム・オブ・パラダイス

悪魔に魂を売った音楽プロデューサーに、自分の曲を盗まれ、顔半分と声をつぶされ、恋人までも奪われた哀れな天才作曲家の復讐劇。

 

ショウビズ界の暗黒面を描き、映画通を唸らせたカルトムービーである。「ロック版オペラ座の怪人」と言えばイメージしやすいだろう。

音楽によって生まれた悲劇は、音楽が生んだものではなく、自分勝手な消費者が生み出したものなかもしれない。 

 

監督のデ・パルマは、「デ・パルマカット」と呼ばれる特殊な表現方法を多用するのだが、『ファントム・オブ・パラダイス』の「デ・パルマカット」が一番秀逸だと個人的に思っている。

 

181. ファム・ファタール

カンヌ映画祭で、1000万ドルの宝石を強奪したロールは、仲間を裏切って逃走。追われる身の彼女だったが、老夫婦にリリーという女性を間違えられて、危機一髪のところを助けられる。そして彼女はリリーになりすまし、追手から身を隠そうとするが…。 

 

上質なサスペンス作品ではあるが、独特な“ツッコミどころ”が満載で、なんだか共犯者になったような気分で見てしまう。

物語は意外な展開の連続で後半でおとずれる“あれ”は、もう…コメントしようがありません…。

 

鑑賞後、タイトルの意味も込みで楽しんでもらいたい。

 

182. パッション

野心、欲望、嫉妬が渦巻く世界を舞台に、女と女の残酷な争いを描く。野心家のクリスティーンに憧れていたイザベルだが、手柄を奪われたことによりその思いが一転し…。

 

デ・パルマ監督作品を紹介するのは、これで4作品目だが、たぶんこの『パッション』までご覧になられた方は、監督のことを「こいつ、馬鹿か…?」と思われることだろう。

その通り、彼は馬鹿なのだろう。バカな監督が生み出したバカな作品として、楽しんでいただけたら幸いである。 

 

D 何かで少し広まったり

ここからは、ちょっとした評判や評価で少しだけ有名になった作品たちである。映画情報を常に仕入れているような方であれば、耳に入る機会があったかもしれない。

 

183. Mr.タスク

セイウチに執心する狂気の老人により、セイウチ人間に改造されてしまう男の運命を描く。

 

『シックス・センス』のハーレイ・ジョエル・オスメントに、ジョニー・デップの娘と、こんなマニアックな作品にも関わらず予想外の豪華キャスト。

 

ホラーとは銘打っているものの、色んな意味で笑ってしまう作品。でもなぜか最後のシーンでは泣かされたりするから困る。 

 

184. アノマリサ

鬼才、チャーリー・カウフマン監督によるストップモーションアニメ。名声を得ながら、人生に何の刺激も感じられずにいるマイケル。誰の声もすべて同じに聞こえていた彼は、唯一聞こえた“別の声”を持つリサと出会い、特別な一夜を過ごすが…。

 

ストップモーションアニメといえば、『ひつじのショーン』や『ピングー』のように子供向けであることが多いが、『アノマリサ』は完全に大人向け。なんと言ってもこの作品の白眉は人形によるセックスシーンだろう。

人間は誰一人出ていないにも関わらず、何よりも人間的な作品である。 

 

185. アンダー・ザ・スキン

男たちを捕食する、妖艶な美女の姿をした地球外生命体。彼女はあることをきっかけに人間的な感情を持ち始めるが…。 

 

スカーレット・ヨハンソンのフルヌードが拝めると話題になったが、作品自体は非常にアーティスティックで、難解さに溢れている。下心丸出しで鑑賞しても肩透かしを食らうだけかも。

 

186. アンフレンデッド

泥酔した動画をネットにアップされ、自殺した女子高生・ローラ。1年後、ローラの友人たちがネット上で会話していると、見知らぬアカウントが話し掛けてきて…。

 

全編PC画面でリアルタイムで進行するという斬新で大胆な手法を使った、衝撃なホラー。『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』といい、ホラー作品は映画の手法を広げるのがお得意なようで。

 

ホラー要素もあり、真実が暴かれていくストーリーはミステリー作品のようでもある。

制作陣のアイデアによって低予算ながらも、素晴らしく画期的な作品に仕上がっている。

 

187. イットフォローズ

ジェイは好意を寄せるヒューから“それ”をうつされ、その日以降、ほかの人には見えないはずのモノが見え始める。捕まると確実に死が待ち受ける“それ”は、時と場所を選ばずに姿を変えて襲って来て…。

 

今までにない恐怖感を味合わせてくれる新たなホラー。タランティーノが大絶賛とかいう余計な評判もついているが、面白さは折り紙付き。

この怖さを表現する言葉は本当に無くて、作中で“it(それ)”と表現されるのも当然と言えよう。 

 

188. ヴィクトリア

ベルリンにやって来たばかりのヴィクトリアは、クラブからの帰り道、地元の若者4人組に声を掛けられる。一緒に酒を飲み楽しい時間を過ごしたヴィクトリアだったが、彼らは危険な事情を抱えていた。

 

前代未聞の全編140分ワンカットの映画。

このアイデアが先立ったのか、それともこの作品を表現するためにワンカットにする必要があったか。それは監督に聞かないと分からないだろう。

映画という媒体において、“ワンカット”という手法が観客にどんな効果を発揮し、どんな感情にさせるのかを理解させてくれる作品である。

 

作品の終わり間際で、ヴィクトリアが強盗に遭い、パニックになりながら車を走らせるシーンがある。実はここで、主演の女優さんがマジで道を間違えてしまい、本気でパニックになっている。そこも合わせて楽しんでいただきたい。そりゃ説得力も出ますわな。

 

それにしても、こんな不可能に近い作品を作り出せたこと自体に驚いているし、制作陣を褒め称えたい。

 

189. オートマタ

人間が生き残るため作られた人工知能搭載のオートマタ。ある日、禁じられた改造を施されたオートマタが相次いで発見され、ジャックは調査を開始する。

 

アシモフとはまた違ったルールを用いてロボットを描いた作品。

よくある「人類よりも優秀なロボットが反乱を起こして~」みたいな作品ではなく、人類とこれからどんどん発展を遂げていくであろうAIについて非常に考えさせられる作品である。いや、覚悟させられる、かもしれない。 

 

190. カムバック!

元ダンサーでサエないメタボ男が、愛する女性のためにサルサの舞台へ返り咲く姿を描いたダンスコメディ。

 

数あるダンス映画の中でも屈指の面白さ。天才と呼ばれた男が、底辺から這い上がろうと努力する姿には、絶対に胸を打たれるだろう。

そして、これでもかってぐらいに笑わせてくれるストーリー。デブのダンスシーンがあんなに笑えるとは…。

感動して、笑えるという最高の映画である。 

 

191. キャビン

夏休みに山奥へとバカンスへ出かけた大学生5人。古ぼけた山小屋の地下で見つけた謎の日記を読んだ時、何者かが目覚め、一人、また一人と殺されていく。

 

なんていうよくあるストーリーかと思いきや、実はその裏で「定番のシナリオ通り」に若者たちが死んでいくように糸を引いている組織があるという話。

『スクリーム』とかあの辺りのホラー映画を観ている人であれば、「この先どうなるんだ?!」と食いつくこと間違いなし。

あえて常道を外しているのは、ホラー映画の新たな可能性を切り開くためである。

 

192. 共犯

ある朝、女生徒の変死体を見つけたホアン。そこへ同じ学校のイエとリンが通り掛かり、3人は警察へ通報する。彼らは少女の死の真相を調べ始めるが…。

 

台湾発の、観客の足元を鮮やかにすくい上げる上質なミステリー映画。真相を追う少年たちの姿を描きつつ、意味深な「共犯」というタイトルが絶妙な味を出している。伏線が際どすぎるので内容にあまり触れられないのが残念。

ミステリーの要素も素晴らしいが、作品のテーマも非常に感じさせるものが多く、見応えのある作品だ。 

 

193. グッドナイトマミー

9歳の双子の兄弟が待つ家に帰って来た母親は、整形手術を受け顔全体を包帯で覆った姿だった。その日から、別人のように冷たくなった母を疑い始めた兄弟は正体を暴こうとするが…。

 

ホラー映画なのだが、ただの怖さだけではなく、シーンのひとつひとつが意味深で非常に印象を残す作品に仕上がっている。

ハリウッド的な「ワーキャー」するような作品を求めてしまうとガックリするかも。

秀逸な脚本と、素晴らしすぎる出演者たちの演技を存分に楽しんでもらいたい。 

 

194. クロニクル

ある日特殊な能力を手に入れた少年たち。しかし、ある時後ろから煽ってきた車に苛立ち能力を使って事故に合わせたことから、3人は次第に自らの能力に翻弄され始める…。 

 

90分に満たない時間の中に、若者の愚かさとか葛藤とか、青春の色んなものが含まれている。最後には快哉を叫びたくなるようなシーンまで用意されていて、思う存分楽しめる作品。

これでアツくならない人はいないだろう。必見。

 

195. ゴール・オブ・ザ・デッド

フランスのサッカー選手・ジャノは、昔からのライバル・サムに試合で勝つため、医者の父に筋肉増強剤の注射を打ってもらう。だが、注射には薬剤が混入しており…。

 

まさかの“ゾンビ”と“サッカー”を融合させた作品。

完全にふざけたパッケージだが、以外とちゃんと人間模様(ゾンビだけど)を描いていたり、サッカーファンあるある的なネタも入っていて、思ったよりもちゃんとした映画。めっちゃ笑えるし。

 

映画として楽しむよりも、ゾンビ映画の新しい可能性として観るとより楽しめるだろう。 

 

196. コップカー

家出少年がたまたま見つけたパトカー。乗り回して遊んでいると持ち主である悪徳保安官から無線が入る。その口調は明らかに異常で、少年たちは予想外の恐怖へと身を投じていく…。

 

悪徳保安官にケヴィン・ベーコンを起用し、どんだけ怖い作品になっているのかと期待していたら、実はジュブナイル映画だったという。

追い詰められる中で少年たちは成長していき、反抗していた大人たちにすがることも余儀なくされてしまう。

それは苦い体験かも知れないが、苦いからこそその人にとって代えがたい経験となり得る。

派手さはないものの随所で泣かせてくる、まさに“隠れた名作”である

 

197. コングレス未来学会議

2014年、ハリウッドは俳優の絶頂期の容姿をスキャンし、映画を作るビジネスを発明した。40歳を過ぎたロビン・ライトにもその声が掛かり…。

 

2013年カンヌ映画祭監督週間のオープニング作品というだけあって、非常にシニカルで知的で色々と考えさせる作品。そして、実写、アニメ、CGという3つの手法をふんだんに使用し、他に類を見ない作品として仕上がっている。

 

見たことがない作品を見たければぜひ。

 

198. サウンド・オブ・ノイズ

突如街に現れた謎の6人組。彼らはあらゆるものを楽器に見立て、とんでもない場所で音楽を作り上げる音楽テロリストだった!

 

音楽テロリストと音楽嫌いの(音痴)警官の戦いを描いた作品。

音楽テロという発想がそもそも面白く、演奏シーンも想像を遥かに超えるものになっている。

笑いもありロマンスもあり、そして何の教訓もない、頭を空っぽにして楽しめる快作だ。有名じゃないのが勿体ない! 

 

199. シングストリート

14歳のコナーは、音楽好きの兄とロンドンのMVを観ている時だけが幸せだった。ある日、彼は街で見掛けた少女にひと目惚れし…。

 

ひと目惚れした女の子のために、ひたむきにバンドの練習をするのだが、最初は当然ボロボロ…。だけどそこから少しずつ形になっていく過程は“最高”のひと言。やったことがある人しか分からないと思うけど、バンドで音を鳴らしたときのあの“無敵感”がよく伝わってくる。

青春映画としても音楽映画としても最高の作品。もっと有名になってほしい。

 

200. 人生スイッチ

ファッションモデル・イザベルが仕事で指定された飛行機に乗ると、隣の席の男が彼女の元彼を知っていた。さらに乗客全員が彼と関わりがあることが判明し…。

 

不運が不運を呼び、ドミノ式に連鎖していくジェットコースタームービー!

ブラックな笑いが散りばめられつつも、痛快な作品。こういうの大好き。

 

ちなみにオムニバス映画なので、色んな物語が楽しめます。 

 

201. スペシャルID

黒社会のボス、ホンの組織に長年潜入捜査しているロンは、兄弟分のサニーが、ホンの兄弟分を殺害し、ブツを盗んだことで、ホンからサニーを探すように命令され…。

 

宇宙最強の謳い文句で知られるドニー・イェンの究極のアクション映画。

カンフー一辺倒だった香港アクションの最先端的な作品で、アクションシーンでは総合格闘技を参考にしたのだとか。

単純さよりも複雑さを追求したアクションは一見の価値あり。

 

202. ゾンビ・ハイスクール

補習中、突然先生に噛み付いた生徒に教室中がパニックに。エディたちは先生と生徒がゾンビ化していることを知り…。

 

ゾンビの巣窟と化した進学校から脱出しようとする落ちこぼれ生徒たちを描いたアクションホラー。低予算ながらしっかりとグロさも演出されていて、過去の作品のオマージュもそこかしこに散りばめられている。

たまに出てくるキラリと光るセリフも良く、青春映画としても成功している

まあ、おふざけ作品であることは間違いない。 

 

203. ゾンビーノ

過酷なゾンビ戦争に勝利した人間たちが、今度はゾンビを各家庭で飼い始めているという異世界を描いた作品。

 

こちらもジャケを観てもらった分かる通り、おふざけ感満載の作品である。

あまりにも見た目通りな作品なので説明することがないのだが、ちょっとハートウォーミングな要素があったので、不覚にも感動してしまったことを報告しておきたい。

 

204. ゾンビーバー

ビーバーが住む湖の近くにキャンプをしに来た3人の女たち。女子会を楽しんでいると、3人の彼氏や元彼が乱入してお酒やSEXで大混乱に。そんな中、凶暴なビーバーが現れて…。 

 

制作陣のやりたい放題が楽しめる超B級ホラー。ここまで来ると、C級でもいいかも。

内容は古き良きアメリカホラーのお約束を徹底的に茶化しながら、究極生命体“ゾンビーバー”に大暴れさせるというもの。

ホラーとは語っているけれども、『ハングオーバー!』の制作陣と同じだというのだから、内容に関しては推して知るべしである。

 

205. ゾンビガール

恋人・エヴリンの死から立ち直り、新たな恋に進むホラーマニアの青年・マックス。同じ趣味のオリヴィアと意気投合するが、何とエヴリンがゾンビとして甦り…。

 

今度はゾンビと恋愛映画の融合作品である。まあ当然といえば当然のバカ映画である。

ゾンビが出てくるもののグロさはほとんどなく、ほぼほぼコメディ。長さも90分と短めなので、サクッと笑える映画が観たければオススメである。 

 

206. ゾンビスクール

小学校を舞台に、チキンナゲットを食べてゾンビ化してしまった子どもたちと、個性的過ぎる教師たちによる戦いの幕が開かれる。

 

『ロード・オブ・ザ・リング』のイライジャ・ウッドが主演、『ソウシリーズ』『greeシリーズ』の脚本家が共同で書いているという、意外と豪華な作品。

史上最年少のゾンビたちと変態教師たちとの壮絶な戦いを描いているのだが、壮絶すぎて笑ってしまう。

ゾンビとはいえ子供を殺しまくる最高に不謹慎な映画である。でも笑える。

 

207. ゾンビランド

ウイルスで人類の大半がゾンビになった世界。偶然知り合った4人の男女が、ゾンビが居ないと噂される遊園地を目指して決死のサバイバルを繰り広げる。

 

これだけふざけたゾンビ映画ばかりを紹介していると、ゾンビと聞くだけで笑えてくるから不思議である。そしてこの『ゾンビランド』も生粋のゾンビコメディである。

だけどそれだけではない。

社会のつまはじき者である主人公たちの成長ドラマが泣かせる!まさかゾンビ映画でこんな爽やかな気分にさせられるとは驚きである。

数あるゾンビ映画の中でも最高の作品である(B級だけど)。 

 

208. ターボ キッド

ある日、謎の少女・アップルと出会ったキッドは、次第に彼女に惹かれていく。ところが、水を牛耳る極悪首領・ゼウスによって彼女が誘拐され…。

 

“チャリンコ版マッドマックス”とはよく言ったもの。暴走、血しぶき、笑いに恋。なんでもござれの怪作である。

低予算すぎて溢れ出るチープさに悲しくなってしまうのだが、それも込みで愛でてほしい作品である。作り手の「低予算なんかに負けないぞ」感が凄い。 

 

209. チェイス!

米国・シカゴを熱狂の渦に巻き込むトリックスター・サーヒル。彼には金庫破りという裏の顔があり…。

 

凄腕金庫破りと刑事による壮絶なアクション。主演には『きっと、うまくいく』のアーミル・カーン。っていうかこの人、もう50過ぎてんのかよ。よく大学生役なんてやってたな。

それはそれとして、『きっと、うまくいく』に負けず劣らずの名作。インド映画はアクションでも最高の作品を生み出してくれた

ダンスシーンはくどいかもしれないが、一見の価値アリの痛快で最高に興奮できる作品である。

 

210. ドントブリーズ

ロッキーたちは金を盗むために視覚障害の老人宅へ忍び込む。しかし、老人はどんな音も聞き逃さない聴覚の持ち主で…。

超絶モンスターじいさんに追い詰められる映画。観ている間の緊張感が半端じゃないのだが、なんとホラー映画の金字塔『死霊のはらわた』の制作陣が携わっているというのだから納得。

追い詰められる主人公側にも、追い詰める側のじいさんのどちらにも感情移入できる珍しい作品である。 

 

211. 薄氷の殺人

刑事・ジャンはバラバラ殺人事件を捜査するが、容疑者が死亡し真相は藪の中に。5年後、彼はふたつの殺人事件を知り…。

中国産ノワールの秀作。ベルリン国際映画祭で数々の賞を受賞しただけのことはある。

監督独特の省略を多用した演出により、観客に驚きと幻惑を与える。この感覚は他の作品ではあまり見かけない新しいものである。 

 

主演のふたりの騙し騙されの駆け引きの先にある、あまりにも美しい結末を見よ。

 

212. ピエロがお前を嘲笑う

過激なハッカー集団に加担した天才ハッカーが、いつしか危険な世界へとはまり込んでいくドイツ製サイバースリラー。

これは、やばい…!

ミステリー好きであれば確実に熱狂する作品だろう。私は極度のミステリーマニアなので大満足だった。というか大好物だった。

巧みな構成。細やかに仕掛けられたトリック。 

言いたいことは山ほどあるが、ネタバレになってしまうのでそれは許されない。

 

衝撃を受けたければ必見である。

 

213. ピンクフラミンゴ

“地上でもっとも破廉恥な人間”の座を巡る、ディヴァインとマーブル夫妻の戦いを描く。

これ以上下品な作品は存在しないだろう。それくらいに下品を極めた作品。良識のある方にはまったくオススメできない。鑑賞中に吐くだろう。確実に。

なので相当イカれた方か、よっぽど好奇心のあるような、選ばれた者だけが観るべき映画である。

ちなみにカルト的人気を誇ったこの作品は、1998年にリバイバル公開されている。(元は1978年の作品) 

 

214. ファウンド

学校ではいじめられ、不仲な両親の下で暮らす少年・マーティの楽しみは、家族の秘密を覗き見すること。ある日、兄がクローゼットに生首を隠していることを知り…。

いじめ、家族、兄弟愛などなど、スプラッターホラーながら深遠なテーマを描いた作品である。

全編が主人公の少年の目を通して描かれるので、演出は控えめ。それゆえに観客に色んなものを感じさせる余白を創り出している。

 

なんと制作費が8000ドルという破格の作品。ブレア・ウィッチ・プロジェクトの半額以下とは驚き…。 

 

215. ブラックハッカー

平凡な青年・ニックのPCに、謎の男からスター女優・ジルのプライベート映像を覗き見できるツールが送られる。だが、そこにはある罠が仕組まれていた。

次々と繰り広げられるスピーディーな展開は、付いていくのがやっとなほど。気がつけば予想のはるか斜め上を行く結末に辿り着く。

 

色々と設定に突っ込みどころはあるものの、大らかな気持ちで観れば興奮できる映画である。あと、覗き見という設定だけあり、女優のヌードシーンあり。 

 

216. ブルーリベンジ

ホームレスのドワイトは、ある日、両親を殺した犯人が釈放されることを知る。ショックを受け我を失った彼は、「復讐を果たす」という想いだけを胸に、たったひとりで犯人の下へ向かう。

人間という生き物の本能に根ざした感情である“復讐”をテーマに描いた良作。

復讐は復讐しか生まないというありふれた言葉を、実際に映像化したような作品である。

派手さはないものの、贅肉のない編集と展開でグイグイと引き込まれることだろう。 

 

217. マッド・ドライヴ

オアシス、ブラーが世界を席巻した当時のイギリス音楽シーンを舞台に、レコード会社の人間が、地位と金を求めて道を踏み外していくクライムサスペンス。

 

主人公のクズっぷりがお見事。小馬鹿にしたようなメタ発言から、実在のアーティスト名まで飛び出してしまう際どい演出が面白い。

音楽業界の裏側を描いたものと謳われているが、いくらなんでもやりすぎである。地位のために友人まで殺すやつがどこにいる。

過剰演出とブラックな笑いを楽しんでもらえたらいい。

 

218. 蜜のあわれ

金魚から人間の姿に変貌する美しくて小悪魔的な少女・赤子と、共に暮らす老作家。ある時、老作家への愛を募らせこの世へと甦った幽霊のゆり子がふたりの前に現れ…。 

 

幻惑的な映像と抽象度の高い物語で観客を魅了する作品。

この作品の白眉は何と言っても、主演の二階堂ふみであろう。最初見たときは、宮崎あおいの劣化版ぐらいにしか思っていなかったが、これだけ強烈な個性を発揮する女優に育つとは…。(いや、ヒミズのときから凄かったか…)

それはいいとして、とにかく二階堂ふみが可愛すぎる

 

原作が純文学作品なので、分かりやすいエンタメを求める人には不似合いな作品である。

物語世界に深く没頭したい人には最高の作品になることだろう。

 

219. メトロ・マニラ

貧困に喘ぎ、暴力に支配された街で必死に生きようとする男の姿を描いた作品。

こちらの『メトロ・マニラ』もこの記事に相応しく、全然有名ではないが相当面白い作品である。なんてったってハリウッド・リメイクが決まっているぐらいなのだから、推して知るべしだろう。

生きるためにはどんなこともしていいのか?と激しく私たちに突きつけてくる、非常にタフな作品である。

期待を裏切らない面白さなので、ぜひ。 

 

220. ユー・ウォント・ミー・トゥ・キル・ヒム

イギリスで起きた実話を映画化した心理サスペンス。ネットの匿名性ゆえに起きてしまった事件を取り扱っている。

日本でも当然起こり得る事件で、見ていてかなり身に迫るものがある。というか今現在同じような事件が起こっているのかもしれない…。

 

嘘を嘘と見抜けないと~、というのは言うは易く行うは難しである。 

 

221. レッド・ドーン

アメリカ全土が北朝鮮に占領される。敵から逃れた若者たちは自らを“ウルヴァリンズ”と名乗り、愛する人たちと祖国を守るため反撃を開始する。

迫力のなる戦闘シーンが作品のほとんどを占め、爽快なエンタメを求めている人にはオススメである。

北朝鮮の軍隊がパラシュートで落下してくるシーンは、映画ながらゾクッとしてしまった。

 

それにしてもとんでもない設定のせいか、そこら中で酷評されているのが悲しい。 

 

222. ロブスター

独身者は身柄を確保されてホテルに送られ、そこで45日以内にパートナーを見つけなければ、動物に姿を変えられるという近未来。ひとり身になったデヴィッドもホテルへと送られ…。

 

こちらもトンデモ設定の作品。だが内容は非常にシニカルで、寓話的要素に満ちている。実はアカデミー賞脚本賞にノミネートされたほどの作品だったりする。

恋愛というものに対しての風刺がとにかく強烈で、カップルで一緒に観たら、なんとも言えない居心地の悪さを感じてしまうんじゃないだろうか。

  

223. ロンドンゾンビ紀行

ロンドンの下町を舞台に、ゾンビと住人たちの戦いを描いたアクションコメディ。

必見は、歩行器を付けたおじいちゃんをノロノロゾンビが追いかけるシーン。

普通ゾンビ映画の緊迫したシーンというのは、スピーディーに見せるのが常套手段なのに、このシーンは超スロー。最初はハラハラしていたが、観ている内にお互いがあまりにも遅すぎて笑えてしまった。 

おじいちゃんたちの頑張りっぷりが際立っていて、鑑賞後はやたらと爽快な気分にさせてくれる作品である。

 

224. 嗤う分身

サイモンはサエない毎日を送っていた。そんなある日、サイモンの勤める会社に彼と同じ容姿の男・ジェームズが入社してきて…。

ロシアの世界的文豪ドストエフスキーの『二重人格』を映画化した作品。

シュールな映像と日本の昭和歌謡が重なり、異常な映画体験をさせてくれる。鑑賞しながら「なんじゃこりゃあ!」と唸ることだろう。

意味を求めてはいけない。分かりやすさを求めてもいけない。感じるのが一番正しい楽しみ方。 

 

E たまたま出会えたレア作品たち

ここからはレア度MAXの作品たちを紹介していこう。どんなメディアでも紹介されず、作品の海に沈んでいた作品ばかりである。

これを観れば、あなたも映画変態の仲間入りだ。

 

225. SPY

とにかく笑えるスパイコメディ。こんなに豪華なキャストだというのに、ほとんど無名だというのは驚き。

数あるスパイコメディの中でも屈指の面白さ。特にジェイソン・ステイサムが出てくるたびに笑わせてくるいいキャラを演じている。トランスポーターの彼とは完全に別人である。

 

思う存分笑わされてもらいたい。

 

226. アタック・オブ・ザ・キラードーナツ

ドーナツ屋で働くジョニーとミシェル。ある日、ジョニーの叔父が人間を襲う遺伝子生命体のエキスを誤って店でばら撒き、それがドーナツを揚げる油の中に入ってしまう。 

 

『アタック・オブ・ザ・キラー・トマト』という映画史に残るバカ映画へオマージュを捧げた、更に輪をかけてバカな作品。

ドーナツが人に襲いかかるという話なのだが、ドーナツがどうやって人を襲うんだよ…といったツッコミ所が満載。

「バカジャネーノ」とか言いながら、なんだかんだ言って楽しんじゃう映画である。

 

227. ランダム 存在の確率

彗星が地球に最も接近する夜、8人の男女はホームパーティーを開いていた。すると、停電で部屋の中が真っ暗になり、8人はパニックになるが…。

 

「あなたの脳はついてこられるか?」

というキャッチコピーの通り、非常に複雑なお話。量子力学の有名な命題“シュレディンガーの猫”をモチーフに使うなど、そっちの分野が嫌いな人には全然受け付けられないかも。

その分、謎解きや哲学が好きな人には堪らない内容となっている。 

228. あなたを待っています

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お金を貯めて地方へ脱出するという計画を立てている主人公と、「あなたを待っています」というプラカードを下げた女性との出会いを描く。

世界の終末に恐れを抱きながらもダラダラとした日常を送ってしまうどうしようもない主人公が、まるで私たちのよう。「3.11を忘れない」とか言っておきながら、結局私たちは日常へと帰っていってしまう。

なんて書いてみたが、主人公同様にかなりどうしようもない映画なので、脱力しながら楽しんでもらいたい。 

 

229. あの娘、早くババアになればいいのに

書店を営む童貞男・平田は、血の繋がりのない娘・アンナを溺愛していた。ふたりはアイドルを夢見て二人三脚で努力していたが、ある人物の出現によりその関係にゆがみが生じ始める…。 

 

アイドルオタクの父とアイドル志望の娘が繰り広げる青春コメディ。 

低予算らしくクソどうしようもない内容なのだが、これが妙にツボにハマってしまって…。

バカバカしさを笑ってもらえれば幸いである。

 

230. 妹の体温

ルウェーのオスロに住むシャーロットは何不自由ない暮らしを送っていたが、両親の冷め切った夫婦関係に心を痛めていた。そんな中、会ったことのない種違いの兄がオスロに引っ越してきたことを知る。

 

このタイトル、このパッケージを観れば確実に近親相姦ものだとお分かりだろう。そしてエロティックな映画であることも予想がつくと思う。

だがあまりその要素を期待してもらっては困る。この作品は、もっと人間を、家族をテーマにしているからだ。 

人は家族という呪縛から逃れることはできない。それは意識無意識には関係ない。誰にも等しくかかった呪いである。

あなた自身の呪いを見つめるために、この作品は役立つことだろう。 

 

231. イレブンミニッツ

映画監督、女優、女優の夫、ホットドッグ屋の主人ら大都会に暮らすいわくありげで見ず知らずの人々。彼らのありふれた日常が、11分後に突如変貌してしまうー。

 

「我々は薄氷の上を歩いている。確かな物など何ひとつとしてない。次の一日、次の一時間、次の一分間でさえも、不確かだ」 

スコリモフスキ監督自身がそう語る通り、非常に不条理な作品に仕上がっている。

なんとも底意地の悪い監督だと思う。それはこの物語の衝撃のラストを観ればよく分かる。

これはある種の、実験映画なのかもしれない。

監督と一緒に「こんなのもありだよね」と楽しめるかどうかは、あなた次第である。

 

232. インド・オブ・ザ・デッド

インドでゾンビ映画ってのは初の試みだったとか。なのにこれが予想外の傑作。

グロシーンはほとんどなく、緊迫したシーンに放り込まれたパロディと、笑いで作品が満たされている。他ゾンビ映画へのオマージュも盛りだくさんで、映画通の人も楽しめる。

初心者も玄人も楽しませるとは…まるで世界平和を体現したような作品である。(ゾンビ映画だけど…)

超おすすめ作品。

 

233. インポート・エクスポート

社会の狭間で不器用にたくましく生きる男女の姿をユーモラスに描いたエロティックコメディ。

貧困や高齢者など、重いテーマを扱っているが、異常に美しい映像がそれを中和させている。

観客は映像に見惚れながら、登場人物たちの些細な笑いや、感動に触れることになるだろう。

計算され尽くした映画ってのは、この作品のことだろう。 

 

234. インモラル・ガール

ミステリアスな女性・マヤに出会ったプレイボーイのヨヴァン。マヤのSNSページを覗いて彼女の知らない顔を見たヨヴァンは、SNSと現実世界で疑心暗鬼に捕らわれていく。

次第に何が現実か分からなくなってしまう主人公の様子は、まさに恋愛に溺れている人間そのもの。溺れるとはよく表現したものだ。

描写や情緒みたいなものを楽しむ作品なので、タイトルから感じられるエロティックな要素を求めるとガッカリすると思う。  

 

235. エヴォリューション

少年と女性しかいない孤島に暮らすニコラ。その島ではすべての少年が奇妙な医療行為の対象となっている。「なにかがおかしい」と異変に気付き始めたニコラは、夜半に出かける母親の後をつけるー。

 

ため息が出るほど美しい映像の数々は、さすがフランスの女性監督といったところ。

ストーリーは辻褄が合うような合わないような、という微妙なラインを攻めていて、どちらかと言うと感性で楽しむ作品だと思う。これだけの映像美なのだから、作品に身を委ねてもらって全然構わないだろう。

ただ、少々ショッキングなシーンもあるのでご注意を。

 

236. ザ・トライブ 

ウクライナの聾学校に通う少年セルゲイは、入学してすぐに学内の犯罪組織によって洗礼を受ける。犯罪組織の中で次第に頭角を現していくセルゲイはやがて一人の少女に恋をし…。

 

ジャケに書いてあることがほとんど。

なんとこの作品、実際の聾者を起用し、音声も字幕も存在しない。

極端な長回し、音声や文字情報に頼れないことによって、観客に画面を食い入るように見つめることを強制する作品である。それゆえに、作品から伝わってくるパワーが凄まじい。これは完全に監督のアイデア勝ちである。

 

ちなみにこちらの記事では日本の聾者の方が、映画の感想を語っていて、非常に面白いのでぜひ。

聾の世界を「体験」する映画―『ザ・トライブ』をふたりの聾者はこう観た|ウクライナの聾学校を舞台に全編字幕なし・手話のみで描かれるリアリティ - 骰子の眼 - webDICE

 

237. 子宮に沈める

実際に起きた育児放棄事件を元に、“家庭”という名の密室を描いた社会派フィクション。

この作品に余計な言葉は必要ないだろう。ただただ胸を抉られる作品

観れば分かる。観なければ分からない。

観なくても知ったようなことは言えるかもしれない。当然、目を背けることだって自由だ。

でもこうして苦しみの中で死んでいく子供が、日本だけではなく、世界中にいることは、動かしようのない事実である。 

 

238. シグナル

“何か”に感染したという理由で政府の隔離施設に監禁された若者たちの不安と恐怖、やがて彼らの肉体に起こる思いも寄らない異変を描く。

謎が謎を呼ぶ展開と、映像畑で育った監督ならではの迫力ある映像表現に、グイグイと物語に引き込まれる。

好き嫌いの分かれやすい作品ではあるが、作品を自分で補完する愉しみを知っている人には、確実にヒットするだろう。 

 

239. 死の恋人ニーナ

スーパーで働くホリーは、恋人・ニーナを交通事故で失った同僚の青年・ロブに恋をする。ある日、ふたりがベッドで愛を交わそうとすると、血だらけのニーナが姿を現し…。

 

一風変わったホラーというか恋愛ものというか、とにかく未だかつて観たことが無いようなホラーラブ・コメディ映画…かな?

笑える要素あり、ゾッとする要素あり、切なさもありで日本人が好きそう作品である。 

 

240. スウィング・オブ・ザ・デッド

ゾンビたちが溢れ荒廃した世界を旅する凸凹コンビの行く末を描いた異色ホラー。

ゾンビがいることが当たり前になった主人公たちが面白いこと、面白いこと。低予算なのは仕方ないとして、それでも色んな工夫を盛り込むことで他にはない作品に仕上げている。

 

今までのゾンビ映画にあったものがなにもないのに、最高のゾンビ映画になっているとう、実に不思議な作品である。 

 

241. スパイ・タイム

過去の栄光を背負った時代遅れのスパイ・アナクレト。彼の宿敵・バスケスは部下の手引きで刑務所を脱走する。復讐に燃えるバスケスは、アナクレトの息子・アドルフォの誘拐計画を企てる。

 

ずっとソーセージ農家だと思っていた親父が実は凄腕(?)のスパイだったというお話。

これがもう笑える笑える。やっぱりスパイものとコメディの相性は最高だわ。

シュッとしてて格好良いのに、常にどこか抜けている親父がいい味を出している。

 

そして最後にはちょっとした感動も用意してあるニクい作品である。 

 

242. パラダイス:愛

休暇で訪れたアフリカの地で、現地の若者との愛にのめり込んでしまう中年女性の姿を映し出す。

ウルリヒ・ザイドル監督による「パラダイス3部作」の第1弾。

ベテラン女優がたるみきったボディを惜しげもなく披露し、引き締まった黒人青年との絡みを演じる。

女性性というものの美しさ、悲しさ、惨めさなど、心にグッサグサ刺さる内容になっている。 

 

243. パラダイス:神

ウルリヒ・ザイドル監督による「パラダイス3部作」の第2弾。 

満たされない愛を過剰なまでにイエスに求め、信仰にすがりつくアンナ・マリアの物語。

「愛」で語られた女性性に今度は信仰を絡めてきやがった。こちらもとんでもない作品でございます。

信仰心と性欲が渾然一体となって、狂気さえも感じられる主人公の姿は、救いを求める人間のものか。それとも獣か。

 

244. パラダイス:希望

「パラダイス3部作」の完結編。

3部作通してどれもそうなのだが、精神的に痛々しくてキツイ描写が多いのにも関わらず、構図と配色、そしてシンメトリーを多用することによって、ずば抜けて美しい作品になっている。

 

完結編は小太りの少女が主人公で、前2作と比べると青春要素も多く爽やかな印象に。

「堂々の完結編!」というような作品ではないがしっかりとした見応えはある。

それにしても、この作品に「希望」と名付けた監督のセンスには脱帽である。

 

「パラダイス3部作」。かなりの名作(と同時に迷作)なので、ぜひ全部目を通してもらいたい。観終わった頃にはデブ専になってるから。 

 

245. パラドクス

刑事に追われた兄弟が非常階段に逃げ込んだ。刑事はふたりを追うが、1階の階段を下ると、そこは最上階の9階だった。夢なのか現実なのかも分からない、ループする空間から脱出しようとするが…。

 

謎に満ちた閉鎖空間ものでもあり、“人生”という普遍的なテーマを描いた作品でもある。

伏線の張りっぷりと、それを見事に回収し尽くす脚本は素晴らしいのひと言。

この出来の良さは『SAW』の一作目を思わせる。 

 

246. ファイナルガールズ 惨劇のシナリオ

女優の母を亡くしたマックス。3年経ってようやく母の死から立ち直った彼女が、生前の母の映画を見ていると、そのホラー映画の世界に入り込んでしまい…。

かなりの勢いでコメディ側に振り切ったホラーコメディ。

ツッコミどころ満載で安心して楽しめるのだが、一番の見所は実は…エンドロールにある。なんとNGシーン付きなのだ

これによって、この作品への愛着がさらに増すことだろう。

あとは、終盤に盛り込まれたまさかの感動シーンも、不意を突かれてやられるのでご注意を。

 

247. ボーグマン

静かな森の中に佇む高級住宅地へ現れた謎の集団・ボーグマンは、裕福な夫婦と3人の子どもたち、乳母を支配していく。

圧倒的な不条理さゆえに、観る者の目を釘付けにしてしまう怪作。 

意味不明だけれども、先が気になって仕方がない。不愉快だけど、見ずにはいられない。そんな邪悪な魅力を持った作品である。

 

この不快感はミヒャエル・ハネケに通ずるものがあるかもしれない。

 

248. メトロ42

ロシアが巨額を投じて製作した本格パニックアクション。

ロシアと娯楽映画という組み合わせは意外に思われるかもしれないが、これがなかなかの傑作。パニックムービーとしても人間ドラマとしても、ハイレベルな出来である。

お国柄なのか、特別なヒーローが存在するわけではなく、一人ひとりができることをやろうとするところが面白い。 

 

ロシア映画なんて全然知らない、という人にオススメである。イメージが変わるかも。

 

 

無名映画たちに幸あれ

以上が『有名じゃないけど超面白い映画249本』になる。

無名映画だけあって、中には非常にアクの強い作品もあり、観る人を選ぶかもしれない。

だが基本的に映画というものは、賛否が分かれるものであり、それはつまり「面白さは、見方によって変わる」ということなのだ。面白さは常にあなたの目の前にある。それを見つけられるかどうかの話である。作品との“距離感”を間違えると、一気に面白みは失われることだろう。

 

 

ぜひとも“距離感”を間違えずに、この作品たちを愛でてあげてほしいと思う。

 

以上。

無名映画たちに幸あれ!

 

 


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