俺だってヒーローになりてえよ

何が足りないかって、あれだよあれ。何が足りないか分かる能力。

貴志祐介のまずは読んで欲しいオススメの5冊+1!

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角野卓造ではない。

 

どうも。

私は極度の小説中毒であるが、小説であれば何でもいいという訳ではない。端的に言うと、「面白い小説」しか読みたくない。

そんな私の欲求をかなり高いレベルで満たしてくれる稀有な作家が今回の主役である貴志祐介だ。

極度の遅筆で知られる彼のことを私は密かに「小説界の冨樫」と読んでいる。ただ貴志祐介の場合、小説家なので連載途中で止まるようなことはないのだが。

さて、そんな貴志祐介だが遅筆なりにある程度の著作は発表されている。映像化作品も多く、彼のことを知らない方の中には「どれから読んだらいいか分からない」と思っている人もいるだろう。

そこで貴志祐介作品はすべて読破している私が、独断と偏見を極限までそぎ落とし、彼の作品の中でも必読の5作品を紹介したいと思う。

どれも名作と呼ぶにふさわしい作品ばかりである。面白い作品といえば貴志祐介だ。

ぜひ堪能していただきたいと思う。

 

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デスゲーム小説のパイオニアにして、最高傑作 

クリムゾンの迷宮 (角川ホラー文庫)

貴志 祐介 角川書店(角川グループパブリッシング) 1999-04-09
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火星の迷宮へようこそ。ゲームは開始された。死を賭した戦慄のゼロサムゲーム。一方的に送られてくるメッセージ。生き抜くためにどのアイテムを選ぶのか。自らの選択が明日の運命を決める―! 

デスゲーム小説のパイオニアにして最高傑作。謎が謎を呼ぶ展開と、後味の悪さが最高に心地よい、作者の能力と性格の悪さを両方楽しめる傑作である。

貴志祐介作品に多い、「トラウマ要素」がほとんどない稀有な作品でもある。

主人公と一緒に生き残りをかけた戦いに挑戦していただきたい。この興奮は他では味わえませんぜ。

 

純粋に、…怖い。 

黒い家 (角川ホラー文庫)

貴志 祐介 角川書店 1998-12
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人はここまで悪になりきれるのか? 人間存在の深部を襲う戦慄の恐怖。巨大なモラルの崩壊に直面する日本。黒い家は来たるべき破局の予兆なのか。人間心理の恐ろしさを極限まで描いたノンストップ巨編。 

今までに数多くの「怖い小説」を読んできた私だが、これ以上恐怖を感じる作品はなかった。過去最恐である。

この作品のすごい所は、「幽霊」や「超常現象」「呪い」的な安易なアイテムに逃げなかったことである。設定や、物語が持つ力、そして筆力で最高の恐怖体験を読者に提供してくれる。

私がこの作品を読んだのは20過ぎの頃だったのだが、仕事が終わって家に帰るのが怖くなってしまったのは、いい思い出である。

 

読後、人に勧めたくなる衝動を抑えられなくなる 

青の炎 (角川文庫)

貴志 祐介 角川書店 2002-10-25
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櫛森秀一は、湘南の高校に通う十七歳。女手一つで家計を担う母と素直で明るい妹との三人暮らし。その平和な家庭の一家団欒を踏みにじる闖入者が現れた。母が十年前、再婚しすぐに別れた男、曾根だった。曾根は秀一の家に居座って傍若無人に振る舞い、母の体のみならず妹にまで手を出そうとしていた。警察も法律も家族の幸せを取り返してはくれないことを知った秀一は決意する。自らの手で曾根を葬り去ることを…。完全犯罪に挑む少年の孤独な戦い。その哀切な心象風景を精妙な筆致で描き上げた、日本ミステリー史に残る感動の名作。 

残酷な血なまぐさい作品ばかりを上梓している貴志祐介だが、この作品は珍しく「青春モノ」である。ただし、そこはやはり貴志祐介。そんじょそこらの爽やかな青春モノを期待していたら背負投を食らうことだろう。

純粋さが生んだ、この悲しくも残酷な物語にきっと、あなたの胸は震えるはずだ。読み終わったあと、誰かに勧めたくなる衝動に襲われるので注意である。

 

背徳感に身を焼かれる

悪の教典〈上〉 (文春文庫)

貴志 祐介 文藝春秋 2012-08-03
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晨光学院町田高校の英語教師、蓮実聖司はルックスの良さと爽やかな弁舌で、生徒はもちろん、同僚やPTAをも虜にしていた。しかし彼は、邪魔者は躊躇いなく排除する共感性欠如の殺人鬼だった。学校という性善説に基づくシステムに、サイコパスが紛れこんだとき―。ピカレスクロマンの輝きを秘めた戦慄のサイコホラー傑作。

倫理観の欠片もない怪作である。

人によっては不快感に襲われてしまい、読み途中にも関わらず壁に叩きつけてしまうかもしれない。かなりの劇薬である。

「こんなの読んじゃダメだ」「でも面白くて止められない」

そんな背徳感に身を焼かれてもらいたい。

あなたの心が悲鳴を上げることを楽しみにしている。

 

脳汁がダラダラ出ます 

新世界より(上) (講談社文庫)

貴志 祐介 講談社 2011-01-14
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ここは病的に美しい日本(ユートピア)。
子どもたちは思考の自由を奪われ、家畜のように管理されていた。

手を触れず、意のままにものを動かせる夢のような力。その力があまりにも強力だったため、人間はある枷を嵌められた。社会を統べる装置として。

1000年後の日本。豊かな自然に抱かれた集落、神栖(かみす)66町には純粋無垢な子どもたちの歓声が響く。周囲を注連縄(しめなわ)で囲まれたこの町には、外から穢れが侵入することはない。「神の力(念動力)」を得るに至った人類が手にした平和。念動力(サイコキネシス)の技を磨く子どもたちは野心と希望に燃えていた……隠された先史文明の一端を知るまでは。

この作品に説明はいらない。とにかく「面白い」の一言である。

私がこの「新世界より」を初めて読んだときはそのあまりにの面白さに、翌日仕事であるにも関わらず、寝るよりも読むことを優先したぐらいであった。

上中下と3冊の超大作なのだが、それに見合った最高の興奮を提供してくれる。読んでいる最中、脳みそから汁がダラダラ出ているのを実感するはずだ。

興奮しすぎてあっちの世界に行かないように気をつけてもらいたい。

 

おまけ

さて、ここまで貴志祐介の超オススメの5冊を紹介させてもらったのだが、おまけとしてもう一冊紹介したい。

これである。

 

面白い小説しか書けない作家、貴志祐介が自身の創作術をこれでもかと公開した作品である。

小説家志望の方にオススメできるのはもちろんなのだが、それよりも私としてはこの本で触れられている「貴志作品の舞台裏」が堪らない。名作たちがどうやって生まれてきたのか、アイデアの発端は、どうやって読者を惹き込んでいるか、などなど貴志ファンとしては完全ファンブックとして楽しめる内容になっている。

装丁があまりにも地味すぎて全然面白くなさそうなのだが、非常に濃ゆい内容になっていて、ここまで紹介した貴志作品を気に入っていただけたのだあれば、最高に楽しめるはずだ。

 

以上。

 


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