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冨樫が休載期間に入ったことだし、石田スイのHUNTERXHUNTERの出番だろ?

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どうも。

冨樫、平常運転に戻る

あっという間に我らが冨樫が平常運転(休載)に戻った。もうすでにかなり冨樫に鍛えられている年季の入ったファンは、「はいはい、待ちますよ。いくらでも」と受け流していることだろう。偉いものだ。きっとこれを教育と呼ぶのだろう。飼いならされているとも言える。

ここまでくれば、逆に連載をしていることが特別なことだと認識した方が、精神衛生上良さそうである。

かくいう私も生粋の『HUNTERXHUNTER』ファンなのだが、そうは言っても休載は辛い。面白いマンガを読みたい欲がムクムクと湧いてきてしまう。特に『HUNTERXHUNTER』から醸しだされるあの興奮は、そんじょそこらのマンガでは補えないものだ。

 

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天才はサボり魔

得てして特異な才能の持ち主はサボり屋になりがちである。なぜならその存在がすでに価値を持っているからだ。人は他者からの評価を得るために仕事をしたり努力をしたりする。そのために計算を働かせている人もいることだろう。普通の人が普通であることに、価値はないのだ。

才能ある人間は努力をせずとも、他者から評価を受け必要とされてしまう。

ということで、冨樫が頻繁に休載を続けてしまうのも仕方のないことだし、必然とも言える。

つまりは需要と供給の話である。冨樫が生み出すものは冨樫にしか生み出せない。だから、いくら客の私達が「またオンラインゲームかよ!いい加減にしろよ!」と声高に叫ぼうとも、結局のところ待つしかないのだ。なので私たちにできることと言えば、遠吠えぐらいのものである。ヘタに冨樫を攻撃して彼がやる気を無くしてしまうことの方が、遥かに損失である。というか、そもそも冨樫にやる気は無いか。

代役登場

そんな冨樫中毒の私たちの目の前に現れたオアシスがこちらである。

www.shonenjump.com

なんと、『東京喰種』の石田スイが『HUNTERXHUNTER』の世界観でネームを書くというもの。

この企画を考えた神様は一体誰なのだろうか。記事の中には「編集部の好奇心・妄想から始まった」と書いてある。きっと常にそういうことを考えている変態さんなのだろう。そしてきっと私たちと同じように、冨樫ジャンキーの輩なのではないだろうか。ジャンプ編集部の中にいたとある変態が生み出したこの奇跡の企画に私は、感動すら覚えてしまうのだ。ビバ変態である。ビバの意味は知らないが。

必要なものが揃っている

石田スイによる読み切りを読んだ私の感想はこれだ。

 

もう石田スイでいいじゃねーか

 

先ほど、「冨樫の才能は代替不能」と書いたばかりで申し訳ないのだが、そう思ってしまうほど素晴らしいクオリティだった。さすが『HUNTERXHUNTER』の本物のファンである。さすがプロの漫画家である。私の求めるヒソカ感が完全に再現されていた。

『HUNTERXHUNTER』原作の中では、元々ヒソカの役割であったトリックスター的な立ち位置は失われつつある。だがそれでも彼の魅力にやられているファンは多いと思われる。あの雰囲気や底知れなさだ。

苦悩の末に生まれた作品

さすがにこのまま石田スイに「HUNTERXHUNTERを代わりに書いてくれ!」とまで言う気にはならないが、それでもかなり本家に迫るものがあるのは否定出来ない。

対談記事の中で書かれていた一節が私はかなりお気に入りである。

今回のネームを描き始めてから、一度描いたものが気に入らなかったり、時には描き出してすぐにダメだな、と思ったりしているうちに、何が面白いのか分からなくなってしまって。深刻に捉えすぎていたんですね。担当さんにも「このままだと漫画が描けなくなるかも」と伝えていました。そうしたら「冨樫先生の才能に触れて、石田さんがそんなことを言うようになるなんて、嬉しい。」みたいなことをおっしゃるんです。

こういった苦悩の上に立った作品だと思うと、余計に貴重だと思えるのだ。

特に「何が面白いのか分からない」という状態はかなり危険である。スランプすれすれの発言だと思えるのだが、それでも担当編集者がその状況を見て楽しむ側になってしまっているあたり、誰も入り込めない領域だったのだと勝手に推測している。

今後の展開は…?

石田スイは現役バリバリの作家さんなので、今回の企画が大当たりだったからと言って「じゃあ第二弾もよろしくお願いします!」とならなそうである。『東京喰種』を読んでいない私としては、そっちを休載してでも『HUNTERXHUNTER』を描いてもらいたいが、まあムリだろう。

なのでこの企画の今後の展開というやつにはあまり期待できないのだが、それでも冨樫が最後に放った発言には注目せずにはいられないのだ。

ところで、今回石田さんの漫画を読ませていただいて、あの冒頭シーンに続くような形で、ヒソカの過去を漫画にしてみたいなと思ったんですよね。いつになるかはわからないですけれど(笑)。

何度もお預けを食らっているというのに、さらに期待してしまうのだから、私も随分と飼いならされたものである。

 

以上。