どうも読書中毒ブロガーのひろたつです。
今回は日本に現存する中で、一番怖い小説のご紹介。心してかかれ。
当たりしか書かない作家、貴志祐介
日本で一番ハゲている作家。それが貴志祐介。そして当たり小説しか書けない作家、それも貴志祐介。奴はハゲてても面白い小説が書けることを貴志祐介は証明してくれた。いや、もしかしたら頭髪を神に捧げた結果、面白い小説を授かったのかもしれない。
ハゲの話はこれくらいにしておくとして、貴志祐介である。←結局ハゲの話
この男は恐ろしいまでに高打率な作家である。書く小説がことごとく面白いのだから。最近はさすがに老化してきたのか、貴志祐介にしては凡作な作品も出てきているが、それでも「貴志祐介にしては」である。普通に楽しめる。ハズレが全然ない。
その分、ファンが吐きそうになるぐらいの寡作である。いつまで待っても新作が出ない。貴志祐介が出さないのだから、ファンの方が出すしかなかろう。何かを。
さて、一通り駄文を吐き出したところで、『黒い家』の作品紹介である。
内容の紹介
若槻慎二は、生命保険会社の京都支社で保険金の支払い査定に忙殺されていた。ある日、顧客の家に呼び出され、期せずして子供の首吊り死体の第一発見者になってしまう。ほどなく死亡保険金が請求されるが、顧客の不審な態度から他殺を確信していた若槻は、独自調査に乗り出す。信じられない悪夢が待ち受けていることも知らずに…。恐怖の連続、桁外れのサスペンス。読者を未だ曾てない戦慄の境地へと導く衝撃のノンストップ長編。第4回日本ホラー小説大賞大賞受賞作。
この小説の最大の見所は、頭のおかしい人が追ってくる所、である。
それだけ?と思われるかもしれない。そうなのだ、それだけなのだ。
だがそれだけで読者を恐怖のどん底に叩き落す。それが『黒い家』なのである。地味なタイトルからは到底想像できないレベルで強烈な作品である。マジで、ちょっと覚悟しておいてほしい。
この作品、タチの悪いことに想像力を働かせるように貴志祐介が仕向けている。
どういうことかと言うと、普段の生活に『黒い家』のシーンが侵食してくるのだ。読んでいる最中も当然怖いけれど、読んでないときまで怖い。つまりトラウマを植え付けて来やがるのである。勘弁してくれ。
私が『黒い家』を読んでいた頃は一人暮らしをしていたのだが、『黒い家』で出てきたシーンが頭をよぎってしまい、アパートの部屋に帰るのが嫌になってしまった思い出がある。それくらい脳みそに影響を及ぼしてくる作品なのである。
お金を払ってわざわざ不快になる理由
なんで金を払ってまでわざわざ怖い思いをしなきゃならんねん、と思われる方もいるだろう。そのとおりである。なんて真っ当な意見。しかし世の中は基本的に変態性で成り立っている。私もあなたも、心の底には変態を飼っている。
例えるなら、激辛料理だ。
辛い料理を食べると、汗がダクダク流れ、口の中は痛み、脳内には警報が鳴り響き、とてもじゃないが快楽とは呼べない。でも辛いものをみんな好きになる。
それは、自らにストレスを与え、苦しんで、ツラい時間をすごして…と繰り返したあとの解放感で最高のカタルシスを得るのである。言うならば、ひとりSM。それが激辛料理なのだ。←きっと違う
これと同様に、恐怖小説もあえて怖い思いをすることで、逆にストレス解消になるのである。ね、変態でしょ。
そして貴志祐介は、私たちに”恐怖”というストレスを与える手腕に優れている。
どういう展開、場面を見せれば読者を恐怖に震え上げさせられるか、効果が高いかを熟知しているのである。
2ちゃんねるでも、ぶっちぎりの高評価
私が『黒い家』を手にとったのは、アマゾンのレビューに釣られたわけではなくて、2ちゃんねるの読書板がきっかけである。
2ちゃんねるでは定期的に「本当に怖い小説は?」みたいなスレッドが立つ。そこで頻繁に名前が出ていたのが『黒い家』だった。
あまりにもみんながオススメするから逆に私は「みんなが読んでるなら、じゃあいいや」と思っていた。わざわざ人と同じ作品を読む必要はないだろうと思っていたのだ。
しかし、『青の炎』や『クリムゾンの迷宮』など他の貴志祐介作品を読んで、「なんじゃこの天才作家は?! クソ面白えじゃねえか!」となってしまい、思わず『黒い家』も手に取ってしまった。普通に貴志祐介の実力にねじ伏せられてしまったのである。悔しい。
ちなみにだが、2ちゃんねるは多くの人のイメージ通り、悪口の宝庫で、まともに評価される作品なんてほんの一握りである。あらゆる角度から貶してくるので、どんな作品も太刀打ちできないのだ。
でもそんな過酷な環境の中でも認められた数少ない作品。それが『黒い家』なのである。どれだけのもんなのか、少しは伝わるだろうか。
とにかく、怖い小説を読みたかったら『黒い家』はマストである。絶対に後悔させないので、ぜひ手にとってほしい。
まあ、怖すぎて後悔する可能性はあるけれど…。
ちなみに映画の方もかなり好評だったようである。
私はまだ観ていないのだが、その恐ろしさはこの画像を見るだけで十分伝わってくる。
↓
完全にやべーやつじゃん。
※同一人物です
女優って凄いね。
以上。