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40年後の日本の姿を見れば甘い考えも吹き飛ぶ

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強烈な本と出会いました

どうも、読書中毒ブロガーのひろたつです。

先日かなり強烈な本を読んだ。日本の未来に関する本である。

書いたのは天下のNHK。これほど信頼に足る執筆者もそうそうはいないだろう。

 

ご存知の方も多いとは思うが、とにかく日本のこれからは相当に苦しいものになる

これは別に焚き付けて壺を売りつけたり、預言者を気取って悦に入りたいわけでもない。現状を繰り返した先にある未来は、算数の答えのように「やってきて当然」のものなのだ。

それは2017年のベストセラーになった『未来の年表』でも詳しく書かれている。きっと多くの人が絶望に満ちた未来を突きつけられ、自分の身の振り方について思いを馳せたはずだ。そういった意味では非常に重要な本だと言える。

 

 

そして今回紹介する本がこちらである。

 

 

 

内容としては『未来の年表』に近いものになっている。そちらもぜひ日本国民全員に読んでもらいたい。

思うに、今の日本国民には危機感が足りなさすぎる。「仕事にやりがいが~」とか「やりたいことを仕事に」とか「好きなことで生きる」とか、そんな甘い考えが吹き飛ぶはずだ。もっと現実を見よう。

 

40年後の日本の姿 

少子高齢化が進めばいろいろと社会に不具合が生じる。それは多くの人が知っているだろうが、では具体的にどんな不具合が生じるかを答えられる人は少ないと思う。

本書には非常に明快な答えが書き記されている。

というのも、今現在の日本でまさに「40年後の人口ピラミッド」になっている自治体があるのだ。いや、これは正確な表現ではなかった。その場所は2007年に財政破綻し、“自治”することが不可能になってしまったので、自治体ではない。

それは夕張市である。

ここでは今まさに日本の未来の姿が繰り広げられている。それがいかに厳しい現実かを知っておくべきだと思う。私は本書を読むまで、まったくこんな惨状になっていることを知らず、本当に衝撃を受けた。

 

夕張市の現状

『縮小ニッポンの衝撃』から夕張市に関する記述を箇条書きで以下にまとめた。

私と同じように衝撃を受けてもらいたい。

 

・図書館、公共施設はすべて閉鎖。
・市職員の年収は平均で4割カット
・399人いた職員は100人に減少
・55人いた管理職は10分の1に減った
・7校あった小学校、4校あった中学校はそれぞれ1校ずつに
・市営アパートが雨漏りぐらいでは修理できない。崩落の恐れが発生すれば、直す可能性が出てくる、というレベル
・市長の給料が15万8千円。出張費は自腹。
・市民病院は診療所に縮小され、171あった病床は19床に
・子育て支援、福祉サービス、各種補助金を次々に打ち切り
・職員の数が少ないため市役所では夜遅くまで残業が発生している
・でも経費節減のため午後5時になると暖房を切られてしまい、-5℃の中で作業とか
・入湯税、ごみ処理手数料の導入。市民税が3000円から3500円。軽自動車税は1.5倍。下水道使用料が東京23区の倍。
・耐震構造に問題のある保育所があってもお金がないので直せない。代わりに毎月避難訓練をしている。地震が来たら自力で逃げてくれ、という意味。

 

働ける人が少なくなるというのは、税収が減るということ。税収が減れば公共のサービスは縮小せざるを得ない。仕方がないし、当然のことだ。 

全部が全部同じになるとは言えないだろうが、これと同レベルの未来が待っていると思っていい。

どうだろう。想像できるだろうか。それとも想像さえもしたくないだろうか。

 

これからの日本でやるべきこと

こうやって絶望的なことを書き連ねると、きっと皆さんはこう思うだろう。

「じゃあどうすりゃいいのさ?」

かくいう私も思った。『縮小ニッポンの衝撃』を読んでいる間中、ずっと思っていた。だけど答えは最後まで提示されることなく、「この問題に日本国民全員が向き合うべきである」なんていう、「ドラえもんはいません」ぐらい分かりきった締めの言葉で幕を閉じた。最高に後味の悪いバットエンドの映画を観たあとのような気分になった。ハートが弱い人が読んだら、自殺しちゃうんじゃないか?

 

2ちゃんねるの創始者である西村博之氏が、この問題について色々と考えていて、有識者と会うたびに「これからの日本が生き延びるためにはどうしたらいいですか?」と尋ねるそうだ。しかし未だにちゃんとした解答はもらった試しがないそうで、「やっぱり日本は終わるかー」という思いを強くしているらしい。最悪な話である。

 

なので私が考えるに、我々の身の振り方は3つ。

 

1.日本を捨てて、少子高齢化が進んでいない地域で暮らす 

2.個人で生き抜く力を身に着けて、国に頼らない生き方を確立する

3.幸せのハードルを下げて、どんな苦境にも耐えられるようにする

 

これ以外はないだろう。好きなものを選びたまえ、フハハハ。

そんな感じでヤケクソに笑っていても未来は来てしまうので、準備しましょうね、という話であった。

 

以上。

 

 

 

 

こちらは西村博之による「未来の日本の生き残り方」である。こういう生き方しかないだろうなぁ…。