俺だってヒーローになりてえよ

何が足りないかって、あれだよあれ。何が足りないか分かる能力。

子育てするパパ&ママに贈る最高の本『ヨチヨチ父』を知って欲しい

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パパ&ママに贈る最高の本を発見!

どうも、読書中毒ブロガーのひろたつです。

今回は私が常日頃から超オススメしまくっている絵本作家、ヨシタケシンスケによる最高の育児イラストエッセイの紹介である。

これは子育てを経験したパパ&ママ全員にウケるはずだ。

 

 

 

まずこの本の評価として最初に言いたいのは、

「最高でした」

である。

 

まあ笑える。笑えるし、共感しまくり。こんなにも的確に切り出すかね。父親のどうしようもなさを。悲しさを。不完全さを。

ヨシタケシンスケの作品は今のところすべて読んでいるのだが、とにかく視点が他の作家とは一味違う。よくそんなこと発想できたな、というアイデアで溢れているし、切り口が素晴らしい。

そんな彼が育児を経験し、子供がそれなりに大きくなった今、「あの頃の自分」を思い返して書かれたのが本書である。面白くならないワケがない。

どれだけ自分が未熟で、育児において父親が不完全な存在であるかを赤裸々に、でもポップ極まりない表現でしたためてくれている。

 

煮え湯を少しでも和らげてほしい

私も3人の子供を抱えていて(主に抱えているのは奥さんの方だが)、子育てのツラさに直面している真っ最中である(繰り返すが直面しているのは主に奥さんである)。

そんなときに周囲から「こうしたらいい」とか「育児とはこうあるべき」みたいなことを言われても「うるせえよ、じゃあお前がやれよ」と言いたくなる。分かったような説教なんて、子供が食べ物を絨毯に塗りつけている惨状の前には無力である。そこには常に「滅私奉公」の精神である。

そしてそんなキッツい子育てに苦しみ、今まさに煮え湯を飲んでいるパパ&ママに寄り添ってくれるのが『ヨチヨチ父』である。現に私はこの作品を読んで非常に救われた気持ちになった。

 

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この本に溢れるのは、大きな大きな肯定の精神である。

少しもこちらを誘導したり、尻を叩いたりするような思惑は見えない。ただただ優しく、そして笑顔(たぶんちょっと困ったような)でそばにいてくれている。

煮え湯を飲むことからは逃れられない。

でも近くにそのツラさを分かってくれる人がいるだけで、不思議と人はその苦痛が和らぐものだ。

そんな力が本書にはある。 

 

何を切り出すか

『ヨチヨチ父』の中身はイラストと軽い文章だけで構成されており、簡単に読めてしまう。笑っている内にあっという間にページを捲り終えてしまうだろう。

しかしそれでも中身で取り上げられているテーマや切り口は、非常に豊かで、ページを捲るごとに癒やしや共感、発見があることだろう。

 

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私はこの本を読みながら思った。

「ヨシタケシンスケの表現の素晴らしさは、どこから来ているのか?」と。

 

元々、絵本作家である彼は、長々とした文章を書くタイプではない。発想力とシンプルな言葉で読者を魅了することに優れた作家である。必要最小限のアイテムで最大の効果を発揮させることができるのだ。

 

そんなときに必要になるのは「センス」なんていう卑怯な概念ではなく、ただただ「考える」ということなんじゃないだろうか。

彼の他の作品を読むとよく分かるが、自由な発想で次々とアイデアを放り込んでくる。「よくもまあこんなに自由な発想ができるもんだ」と感心し、「やっぱり才能ってあるんだなぁ」で終わってしまうのは、それこそあまりにも想像力不足である。

自由な発想は考え抜くからこそ出てくるものであって、考えない人からはそもそも“何も出ない”のだ。

 

きっとヨシタケシンスケは『ヨチヨチ父』を描くにあたって、色んなアイデアを出しては捨てしながら、「これならば…!」というものを切り出してくれたのだと思う。

そうでなければ、これほどまでに濃厚な作品が生み出せるはずがない。

 

絵本とは「小さなしあわせ」の結晶

絵本を読んだ事がない人はいないだろう。誰しもが子供の頃に絵本に心奪われた時期があったはずだ。

小説や映画などと違って、絵本という媒体は非常に表現する時間が限られる。読者を拘束する時間が短い。なので、あまりにも大きな風呂敷を広げることはできない。緻密な伏線なんてもっての外だ。

でもそれでも多くの人、子供だけに限らず大人までもが絵本に魅了されるのは、そこに「小さな幸せ」が詰まっているからだ。幸せの存在を結晶化したのが絵本なのである。

 

一応、『ヨチヨチ父』はイラストエッセイと銘打っていはいるが、実際は絵本のようなものである。それも大人のための絵本である。

この作品には大人のための「小さな幸せ」がたくさん詰まっている。その幸せは面白いことに、子供には理解できないものだ。だから大人だけが楽しめる絵本なのだ。

こんな作品は、なかなかお目にかかれないだろう。

 

ヨシタケシンスケが育児で藻掻いていたように、この記事を書いている私が育児で苦しんでいるように、現在子育てに孤軍奮闘しているパパとママがきっとたくさんいる。

そんなみんなに、この本を読んでもらいたいと思う。

 

きっと、少しでもそのツラさを和らげてくれるはずだから。

 

以上。